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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2020年6月の記事一覧

ふかしなす(蒸し茄子)の作り方

そろそろなすがおいしい季節。茄子の消費量、日本一の県である新潟県には「ふかしなす」という郷土料理があります。消費量二位の京都ではまるごと炊いて食べたりしますが、この料理は「蒸す」という調理法を採用している点に特徴があります。 新潟はなす王国で(枝豆王国でもあるんですが)種類がやたらと豊富で、しかもどれもアクの強い品種。(在来の品種も多いので)そのため皮を剥いて調理する習慣が生まれ、炊くよりも蒸す調理法が定着したのではないでしょうか。 もう一つ、考えられる理由は水なす系のな

圧力鍋の教科書

「圧力鍋は素晴らしい器具だ」マイクロソフトの元CTOでモダニストキュイジーヌの生みの親であるネイサン・ミアボルトはそう言い切っています。これまで圧力鍋はどちらかというと家庭用、あるいは業務用として使われ、時短や効率化のための道具という側面が強く、美味しさを目指す料理には用いられてきませんでした。しかし、それも昔の話、圧力鍋はその機能性から現代料理に欠かせない道具です。 圧力鍋は密閉をし、バルブで内部の蒸気を調整し、圧力をかけることで、高い温度での加熱を実現しています。高い温

スキレットの教科書

スキレットは溶かした鉄を型に流し込んでつくる=鋳物のフライパンのこと。ちょっと誤解されがちな道具なので、詳しく説明する必要性を感じています。そこで今回はスキレットの教科書。 スキレットの長所は抜群の蓄熱性。同じ厚さのアルミフライパンと比べると2倍の保温性を誇ります。200gのステーキを薄いアルミ鍋に入れると20℃近くも温度が下がりますが、鋳鉄の鍋は温度がほとんど変わりません。そのため表面がむらなくこんがりと焼けて、カリカリの層ができます。 柄が金属製なので、オーブンに入れ

ラムの生姜焼き

最近、都内のスーパーでもラム肉が普通に並ぶようになりました。ラム肉は不飽和脂肪酸が多く、脂肪燃焼を促すカルニチンというアミノ酸を含むなど、健康面からも評価されています。 ところでラム肉、どんな風に料理していますか。洋風や中国風の食べ方は結構、浮かぶと思いますが和風の食べ方といえばジンギスカンくらい。今回はラムの生姜焼きの作り方です。ご飯にあうので、普段の食事にぴったり。生姜焼きは豚肉の臭みを消すために考案された料理ですが、ラム肉特有の癖も好ましい味になります。 今回は肩ロ

そら豆と生ハムのオリーブオイル炒め

年中、いろんな野菜が揃っている時代ですが、生のそら豆は春先だけの美味。まだぎりぎり出回っているので、今日はスペイン料理の技法を使ったそら豆と生ハムの炒めものをつくります。定番的な料理です。 スペインは世界一のオリーブオイルの生産量を誇る国。輸出量はイタリアが世界一に年もありますが、これはイタリアがスペインからオリーブオイルを輸入し、出荷しているため。余談ですが、イタリア人は小麦粉を輸入し、パスタに加工して出荷するなど、昔から付加価値をつけるビジネスが得意なんですね。 さて