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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2020年4月の記事一覧

バーニャカウダソースのレシピ

にんにくとアンチョビのディップを生野菜につけて食べる人気のイタリア料理、バーニャカウダ。日本では年中提供されていますが、ピエモンテ州では冬に食べる料理で「夏に食べるのはおかしい」という意見も。食に保守的なイタリア人らしいですが、日本で言うなら鍋焼きうどんを夏に食べるみたいな感覚に近いのでしょうか。 バーニャカウダソースには様々な作り方があり、決まったものはありません。基本の材料はオリーブオイル、アンチョビ、にんにくの三種。ぼくのバーニャカウダソースは牛乳で煮たにんにくをベー

贅沢たらこスパゲッティ

ランチを簡単に済ませたいときに役立つのがパスタ料理です。今回はたらこスパゲッティの贅沢バージョンを作ります。通常のたらこパスタに使われるたらこの量はパスタ100gに対して30g〜40gといったところ。味を補うためにクリームやらバター醤油やらめんつゆやらを加えたりしますが、贅沢バージョンはパスタ100gに対して80gのたらこを使います。これくらいの量を使ってはじめて「たらこを食べた!」という感動が生まれるのです。 まずは下処理。 にんにくをボウルにこすりつけて香りを移します

かきたま汁の科学

先日のイベント(新刊記念イベント「料理家たちのふだんのごはん」)で久しぶりにかきたま汁を作りました。味わってみたところ、やっぱりおいしい。リンク先に有賀さんのレシピがまとめられていますが、基本の味の大切さを見直したので、自分でもレシピを書いてみました。 三つ葉のかきたま汁(2人前) 出汁    400cc 醤油    小さじ1 塩     小さじ1/3(2g) 片栗粉   4g + 水小さじ1 卵     1個 三つ葉   1/2束 (余った三つ葉はおひたしにします) 有

アップルシナモンビールの作り方

最近、日が暮れるとついついビールやらワインやらを飲んでしまうのですが、今日はアップルシナモンビールの作り方です。 アップルシナモンビールはビールベースのカクテルです。リンゴジュース+ビール+シナモンのシンプルな組み合わせ。 時間があればシナモンをホールで一本入れて、一晩以上置いて香りを移しますが、すぐに飲むのであれば仕上げにシナモンパウダーを振るだけで十分です。 りんごジュース100ccとビール100ccを混ぜます。 リンゴの甘味とビールの苦味などが混ざりあったカクテ

青菜とインゲンのごま和えの作り方

昨日は「オンラインイベント 料理家たちのふだんのごはん」でした。ご視聴くださった方、ありがとうございます。当日、作った『青菜とインゲンのごま和え』のレシピをこちらで紹介します。 料理家さんはよく「簡単ですよ〜」とよく言いますが、インゲンのごま和えは激むずレシピで、要点がわかっていないと攻略できません。成功に至るまでの道筋を細かく書いていきます。 青菜とインゲンの半ずりごま和え 青菜 1束 (冬……ほうれん草、小松菜、水菜 春……菜の花……etc)  いんげん 1袋(15

電子レンジでつくるフレッシュいちごジャム

正統派のいちごジャムがやっぱりオイシイのですが、一晩置く必要があるので手が出ない、という人もいるでしょう。 そういう場合にはいっそ煮込まずにフレッシュな香りを残すジャムに仕立てるというアプローチがあります。短時間で加熱を済ませ、香りを残すために投入する秘密兵器が電子レンジと寒天です。 いちご 1パック 正味270g〜280g グラニュー糖 60g 粉寒天   0.5g グラニュー糖 3g いちごを洗うところまでは基本のいちごジャムと一緒。 きれいに洗っておきましょう。

いちごジャムのポイントは短時間の加熱

いちごのシーズンはざっくりと「いち」月〜「ご」月まで。しかも、今の時期からは小さなジャム用の安価なイチゴが出回ります。ジャム用のイチゴは小粒ですが、露地もの(ハウス栽培ではない)なので、味が濃く、料理やお菓子にするには最適。今日はキホンのイチゴジャムの作り方を解説します。 巷に溢れているいちごジャムのレシピは大量につくるものが多いですが、今回は1パックでつくります。1パックのいちごはだいたい300gぐらい。ヘタをとりのぞくと270g〜280gが正味の重量です。 ジャムづく

四角いプリンの作り方

シンプルな配合のプリンです。シンプルだけに2つの「火入れ」が出来上がりに大きく影響します。なんとなくシンプルなレシピの方が簡単そうに見えますが、実はそうではない、という話。 オーブン湯煎のメカニズムや容器による違いはこちらですでに解説しているので省略します。 四角いプリン 〈カラメルソース〉 砂糖      50g 水       30cc+大さじ1 〈卵液〉 牛乳 500cc グラニュー糖 100g 卵    4個 本みりん  大さじ1 オーブンは160℃に予熱してお

おいしいトーストを焼く為にはパンの耳を切り落とす

トーストとコーヒーは朝食の定番。 このところの食パンの傾向は水分の多いモチモチ型。そのためにパン生地の一部を湯種(水ではなく湯でこねることでデンプンを一部糊化させ、もちもち感を引き出す技法)に変える方法もよく行われています。この湯種法の食パンはちょっと置いておいたくらいでは味が劣化せず、しばらくはおいしく食べることができます。 それでも1〜2日も経つと味は落ちてきます。なぜ古くなったパンはパサパサになってしまうのでしょうか? 水分が蒸発して乾いてしまった、と考えがちですが