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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2019年9月の記事一覧

ナスのロースト、赤ワインソース

なすには細長い形と丸い形がありますが、ローストに向いているのは丸なすの方。身がしっかりしていて、食べごたえがあります。田楽にするのが一番、おいしいのですが、今日は洋風の料理に。 丸なす(水分の多いもの) 1個 小麦粉(できれば強力粉が楽) 適量 赤ワイン 200cc ブルーベリージャム 30g 醤油   小さじ1 塩    適量 まずはソース作りから。煮詰めた赤ワインをソースにしますが、ワインだけだと酸っぱくなってしまうので、なにかで味のバランスをとります。今回はブルーベ

基本のソフリットの作り方

ソフリットは玉ねぎ、にんじん、セロリが基本の香味ベースで、フランス料理だとミルポワ、スペイン料理ならソフレジという具合に世界中で共通言語として使われている基本パーツです。イタリア料理の本を読んでいると「ソフリット 大さじ2(作り方 p204)」みたいな感じでよく登場します。ちなみにルイジアナ料理の場合はニンジンの代わりにピーマンが入ります。 ソフリットは野菜の糖分、酸、塩分、旨味アミノ酸、芳香成分などを料理に加えることで味に厚みを与える存在です。イタリア料理のシェフのなかに

二日酔いの朝に〈八丁味噌湯〉

昨年、愛知県の醸造元を数軒めぐったのですが、そこで教えてもらったのがこの『八丁味噌湯』です。八丁味噌とは岡崎城より西へ八町(約800m)離れた八丁村でつくられていた味噌。現在、その製法を守っているのは東海道を挟んだ二軒──カクキューとまるや八丁味噌の二軒です。もちろん、八丁味噌以外でも豆味噌であれば同様につくることができます。「二日酔いの朝に飲むと最高なんですよ」とのこと。 水 200cc 八丁味噌(濾し味噌でも粒味噌でも) 15g 材料は至ってシンプル。水と味噌だけです

新いくらの醤油漬けの作り方

今年もいくらのシーズンがやってまいりました。早速、筋子を購入し、バラす作業をはじめましょう。 こちらで紹介したのは塩漬けでしたが、今日は醤油漬けにします。パックに入っている醤油ダレにはアミノ酸系の調味料が入っているのですっきりした味ではなく、好みでないので、まずタレからつくりはじめます。 醤油漬けのたれ 醤油  40cc 日本酒 40cc みりん 40cc 昆布  5cm角 日本酒は料理酒ではなく、飲めるもの(というか、僕のnoteに載っているレシピは基本的に紙パックの

トマトのカルパッチョ、いちじく添え

スマート新書『料理のキホン』では煮る、茹でる、焼く、蒸す、揚げると調理法を区切って説明しました。 もうひとつ大事な調理法は『切る』ということ。きゅうりは畑に植わっている段階では作物ですが、ハサミで枝付きの部分をチョキンと落とした段階から料理はスタートします。日本料理の世界でも五味、五色、五法という考え方があり、五法とは「 生・煮る・焼く・揚げる・蒸す」のこと。この生は「切る」と言い換えることができます。 上手に切るためにはよく切れる包丁が必要です。包丁の研ぎ方については簡

小豆シリーズ『かぼちゃのいとこ煮』の作り方

かぼちゃのいとこ煮の作り方のリクエストがあったので、ご紹介します。今回のいとこ煮は奈良の郷土料理です。これ、昔の料理なので時間がかかります。しかし、時間を短縮しようと缶詰の煮小豆でつくったりするとまったく別の味になるので、のんびりとリラクゼーションのつもりでつくりましょう。 いとこ煮は日本国語大辞典によると「小豆、または豆と野菜の寄せ煮料理。全国に広く行われ、正月、事八日、盆、祭礼、収穫祭などに食べる。新撰を集めて煮ることにはじまり、雑煮と同じ風習」とあります。料理屋さんで

よく冷えた白ワインとの相性抜群の『ズッキーニのポワレ、ミント風味』

夏野菜のズッキーニのシーズンもそろそろ終わり。しかし、本当においしいのは名残の今の時期だと思います。 このズッキーニ、成長が早いので収穫時期が難しい野菜ではありますが、あまり小さいものや味がのっていないのでトマトなどと組み合わせたりする必要があります。あまいにも大きいものはとろけるような食感になるので、長時間加熱すると性質が生きてきます。とはいえ、写真くらいの大きさがベスト。 まずはズッキーニをどう切るか、という部分で判断が問われます。 こちらの本の野菜の章で 茎や根

粒あんの作り方

先日イベントで必要があったので、小豆を炊きました。『小豆の炊き方』という記事と重なる部分もありますが、今回は粒あんにしたてます。あんこって人によって作り方も味も違いますよね。みんなちがうところがまたいい。 小豆 200g グラニュー糖 200g まずは小豆を準備。変色したり皮が破けたりしている豆を除去しますが、売られている小豆はちゃんとしているのでその必要はないかもしれません。小豆にも色々とグレードがありますが、手に入るもので大丈夫。 小豆をよく見るとへそ(胚座)が見え

ピータン豆腐の作り方

ピータンはアヒルの卵をアルカリ性の条件下で凝固させるめずらしい食べ物。英語ではcentury egg、フランス語ではŒuf cent ansと言います。日本語にすると百年卵という感じでしょか。 香港あたりでは生姜の砂糖漬けと一緒に食べたりしますが、日本や台湾での定番は豆腐とあわせること。 外で食べると高いピータンですが、自分でつくれば安価です。 このあひるがかわいい。それでは材料です。 ピータン 1個 醤油   小さじ1 長ネギのみじんぎり 大さじ2 絹ごし豆腐 半丁

シンプルポテトサラダの作り方

先日、いただいたごうしゅいもの話の続き。 ごうしゅういもの特徴は『小さい』ということ。じゃがいもって大きいと使いづらい部分もあるのですが、小さいというだけで料理が簡単になるので好都合。(皿にも盛りやすいし)というわけで今回はポテトサラダにしますね。 シンプルポテトサラダ じゃがいも 300g にんにく  1片 オリーブオイル 大さじ3 米酢      大さじ1 マスタード   小さじ1 塩       小さじ1/4 胡椒    マヨネーズの入らない基本のポテトサラダです