マガジンのカバー画像

料理好きのための21世紀料理教室

206
低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

不思議果物アボカド〜アボカドの冷製スープ、トンブリ添え〜

最近、特に人気が高まっているアボカド。その品種は500種類ぐらいあるそうですが、日本で主に流通しているのは防疫上の理由からハス種という品種。つまり、輸入のアボカドはすべてハス種で、その他の品種を食べるには国産アボカドを探すしかありません。さいわいなことに愛媛県で国産アボカドの栽培がはじまっており、今後に期待が持てます。 ちなみにハス種は硬い皮が特徴で、この皮のおかげで害虫が身のなかに入れないことから防疫上有利で、そのため輸入されているそう。へー、という感じです。 このアボ

バイタミックスを使うと裏ごしは必要ないのか〜とうもろこしの冷製スープの作り方

先日、バイタミックスを導入した話を定期購読マガジンに書きました。今日はその話の続き。 バイタミックスは1921年に創業されたバイタミックス社のブレンダー(ミキサー〉。 ニューヨークタイムスのベストブレンダーにも5200という製品が挙げられています。でかい、音が大きい(うるさい)という弱点はあるものの、速度調整機能ダイヤルと滑らかな仕上がりが得られるのが魅力。洗い物もコンテナ(食材や液体を入れる部分です)と水をミキサーにかけた後、水を捨ててすすげばOKという簡単さ。パッキン

フードペアリングとフレーバーマトリックスの話

『フレーバー・マトリックス 風味の組み合わせから特別なひと皿を作る技法と科学』を恵投いただきました。 著者のジェイムズ・ブリシオネーハはシェフで料理学校の先生。アメリカでは有名なシェフとのこと。IBMのシェフ ワトソンの料理プロジェクトにも関わったそうで、その経験がこの本のベースになっています。 本の内容からちょっと離れますが、シェフワトソンはAIにレシピを学習させることで〈人間のクリエイティブを助ける〉というもの。AI×レシピが人間×レシピよりも優れている点は「意外な組