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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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2019年5月の記事一覧

ニンジンのサラダ 味の違いは塩を振るタイミングにあり

パリにある三つ星レストラン「アルページュ」は野菜料理で有名。シェフのアラン・ パッサールさんは火入れの的確さで名が知られたシェフでしたが、狂牛病騒動などをきっかけに野菜料理の探求にのりだし、現在も三ツ星を維持しています。 数年前にアラン・パッサールさんが「le point」というサイトで野菜料理の連載をしていたのですが、その一つで『ニンジンのサラダ』を紹介していました。その作り方がちょっとおもしろかったのでご紹介します。 ニンジンのサラダ=キャロット・ラペはフランスのビス

ルバーブで巻いたホワイトアスパラガス

ルバーブが入手できたので、旬のホワイトアスパラガスと組み合わせます。オリジナルはアルページュのアラン・パッサールのレシピ。 ルバーブは酸味のある野菜で、肉と一緒にローストするのも定番。こちらもいつか紹介します。 とりあえずホワイトアスパラガスの下処理から。太いホワイトアスパラガスの場合は皮を厚めに剥きましょう。ちなみに最後まで皮をむかないで置いてから、、、 こんな風にホワイトアスパラガスを折るとまな板の上が散らかりません。 ルバーブは皮むき器かスライサーで薄く切ります

ペアリング用ノンアルコールドリンクを考える その2〈炭酸水出し緑茶+グレープフルーツジュース〉

ノンアルコールペアリングを考えるシリーズです。 前回は食中ドリンクの口のなかを洗う役割や味覚に与える影響などについて触れました。 この図は新しい料理を考える上でそれなりに役に経つのでもう一度、載せておきますね。 上の図のなかで食中ドリンクにとって重要な要素はなんでしょうか? この図でいえば『アルコール』『甘味』『苦味』『酸味』です。(アルコールとは化学的には分子構造の類似した様々な化合物の総称ですが、ここではざっくりと日常的に使われる意味で用いています) そもそもノン

新玉ねぎのロースト

新玉ねぎの季節です。ただ丸焼きにするだけでも美味しいのですが、一手間を加えてごちそうにします。 これ『新しい料理の教科書』掲載した料理なのですが、noteに載せてなかったことに最近気づきました。遅れましたがようやく掲載します。本に載せたのは簡略化させたバージョンですが、こちらはバニラバターを塗るなどやや手が込んでいます。こんなのできないという方は本を参考にしてください(笑) 新玉ねぎです。この頃の玉ねぎは本当に美味しくなったと思います。玉ねぎってすごく面白い植物で、エネル

〈食と生活〉世界お茶まつりとキサンタンガム活用講座

こんにちは。4/27日に開催された〈男の料理教室〉。テーマは『肉の火入れ』でした。 牛肉はハラミ肉を焼いてもらいました。ステーキは結局、肉の部位の選び方が難しいのですが、最近アメリカから入ってきたステーキハウス系はサーロインとヒレ肉ばかり。ハラミ肉のおいしいお店とかあんまりないですよね。フランスではランチの定番なんですが。 野菜もたくさん用意して、自分で好きなものを選んでサラダにする〈料理の鉄人方式〉を採用しました。 肉の火入れ教室のゴールは鶏胸肉です。というのも鶏胸肉

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皿のアクセントに〈シンプルレースチュイル〉

リクエストがあったチュイルのレシピです。チュイルとはフランスの屋根瓦に使ったタイルのことで、本来は少し湾曲させるのですが、今ではパリパリのお菓子や料理のパーツをそう呼びます。 現代料理では皿の上で食感のコントラストをつけることも重要。そこでこんなパーツを準備しておくと重宝します。イカ墨で黒に着色したこのパリパリは一時期、ちょっと流行ったので、今使うのはなかなか難しいところもありますが、手軽ではあります。 薄力粉 20g 水  180cc サラダ油 90g 塩   1g(o