長期留学で海外転出届を出す?出さない?をすごく悩んだ話
こんばんは。1年間で4か国留学×15か国20都市以上の旅暮らしを経験したWakanaです。
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今回は留学前準備中に悩んだ
「海外転出届(国外転出届)を出す・出さない問題」
一般的に「長期留学」というと「海外転出届出した方がいいよ〜」と言われることが多いですが、メリットデメリットがそれぞれあるのでまとめました。
先にお伝えしておきますが、この記事は今までの記事の中で断トツ長いです。でもきっと有益な情報です。(わたしが実際に欲しかった情報詰め込みました)
ぜひ目次から飛んで気になるところだけでも読んでみてください。
■ まずは結論から
悩みに悩んだ結果、
わたしは海外転出届を出しません!
そんな結論に至った経緯や海外転出届のメリットデメリットについて詳しくお話していきます。
□ Wakanaの状況
個人事業主
つみたてNISAの口座保有中
4月から1年間カナダでCo-op留学
■ 海外転出届(国外転出届)とは
海外転出届(国外転出届)とは、
国外に移住、または長期間滞在(1年以上の海外出張・海外旅行など)するときに必要な届出のこと。
海外転出届をを出す場合は、渡航の14日前から当日までの間に各市役所へ出向いて提出をする必要があります。また、海外転出届を出すと現住所の住民票は「除票」となります。
※ 海外転職届を提出すると同時に、住民票も抜く(除票する)ことになります。
ちょこっとメモ①
住民票がある・・・届出を出している地域に「わたし住んでいますよ〜」と記録されている状態
住民票を抜く・・・届出を出している地域に「わたしそこに住んでません」と記録されている状態
よく言われる「住民票を抜く」というのは「海外転出届を出す」ことを言っています!
ちなみに、海外転出届を出すとマイナンバーカードは返納になります。
■ 海外転出届(国外転出届)を出すメリット
みなさんが海外転出届を出す理由はなんと言ってもこれ!
「税金などの支払い義務がなくなるから」です。
▽支払い義務がなくなるものはこちら▽
住民税
国民健康保険
国民年金
それぞれについて詳しく説明していきます。
□ 住民税
住民税は、毎年1月1日の時点で住民票を置いている自治体(地域)から課税されるので、原則として住民票を抜いた翌年から非課税になります。
住民税は住民票を置いている自治体に支払います。
そのため各地域で手続きが異なる場合も多いので、事前に住んでいる地域の役所に直接問い合わせましょう。
ちょこっとメモ②
12月中に届出を出す・・・翌年(1月1日以降)から非課税になる
1月1日以降に届出を出す・・・届出を出した年の1年間は税金を支払って、翌年から非課税になる
届出を出した直後からすぐに非課税になる(住民税を支払う義務がなくなる)わけではないので注意が必要です!
□ 国民健康保険
国民健康保険は、日本に住民票があるすべての人が必ず加入します。
住民票を抜くと住民票がなくなる(非移住者になる)ので、加入から外れ支払い義務がなくなります。
ちょこっとメモ③
支払う義務がなくなると同時に加入することもできなくなるので、ここが大きな注意点です!
日本にいる時に怪我や病気にかかった場合、保険が効かないので医療費が全額負担になります。(通常は3割負担だったものが突然10割負担になります・・・)
渡航直前、帰国直後、一時帰国中は、海外旅行保険の特約や一時的な国民健康保険の加入などでカバーできる場合も。事前に確認をしておくことをおすすめします。
□ 国民年金
住民票を抜くと、国民年金の支払いが義務から任意に変わります。
任意なので「これからは年金払っても払わなくてもいいよ〜」という流れに変わります。
今の国民年金の保険料は月額16,610円、年間約20万円ほどの金額が浮くことになります(2022年3月時点)
ちょこっとメモ④
一つ注意点は、
「加入期間によって将来の受給額が変わる」ということです。
「将来貰える金額を減らしたくないなぁ・・・」という方は、届出を出していても任意で加入することは可能なので参考までに。
■ 海外転出届(国外転出届)を出すデメメリット
年間にするとかなりの金額が浮くのでメリットはたくさんありましたが、次はデメリットについて説明していきます。
□ 住民税
特になし
ちょこっとメモ⑤
ふるさと納税を上手く活用して、住民税の節税に繋げることもできます◎
ここで説明をすると長くなってしまうので割愛しますが、興味のある方は調べてみてください!
こちらのサイトでふるさと納税について分かりやすく説明しているので参考までに。どのくらい節税できるのかシュミレーションもできるので、一度確認してみてもいいかもしれません。
□ 国民健康保険
国民健康保険に入れない
メリットのところでも少しお話しましたが、加入から外れると「えー、入りたいよ」と言っても入ることができません。
ちょこっとメモ⑥
会社で加入している社会保険は任意継続できる場合もあります。
ただ、支払う保険料は今まで会社が負担してくれていた部分も自己負担となるので保険料は高くなります。気になる方は一度会社に相談してみてはいかがでしょうか。
民間の海外旅行保険や現地の医療保険を利用すれば、健康保険よりも費用を抑えつつ、十分な補償を得ることも。
※ 民間の保険ではカバーされない医療分野もあるので注意が必要!
□ 国民年金
老後の国民年金の額がすこーし減る
「加入期間によって将来の受給額が変わる」ので、支払っていない期間分は将来貰うことができません。支払っていないので受取分が減るのはもちろんですね・・・
□ マイナンバーの返納
海外転出届を出すとマイナンバーは返納になります。
印鑑証明も抹消し、証明書を発行してもらえません。
マイナンバーを返納すると思っている以上に不便なことが多いので、個人事業主や副業、投資を行なっている方は特に注意!
ちょこっとメモ⑥
海外で印鑑証明が必要な場合は、現地の日本大使館・総領事館でサイン証明等が発行される場合があるとのこと。
そしてマイナンバーはなくなるわけではなく、国外から戻ってきた際には指定の手続きを済ますことで、海外転出前と同じマイナンバーを使用できます。
□ オンラインでの確定申告不可
マイナンバーカードを返納しているので、オンラインでの確定申告はできません。
確定申告にはe-Tax(イータックス)と呼ばれるインターネットで申告書を作成して提出する仕組みがあります。
ただ、ここで注意点が「e-Taxで確定申告を行うには、マイナンバーカードに付帯している署名用電子証明書が必要」ということです。
これはe-Taxを利用し確定申告を経験したことのある方はイメージしやすいかと思います。
ちょこっとメモ⑦
海外転出届を出した上で日本の確定申告を行う場合は、
確定申告のために一時帰国する
自分の代わりに代理人に確定申告を行ってもらう
この2パターンかと思います。
納税管理人の制度というものを利用すると、自分の代わりに代理人が確定申告を行うことが可能です。
□ 証券会社の利用制限もしくは解約
マイナンバー制度により、証券会社の口座開設には届出が義務付けられています。そのため、返納してしまうと口座開設ができなくなってしまいます。
ちょこっとメモ⑧
わたしは楽天証券でつみたてNISAをしているので、ここがかなり悩みました。
楽天証券ではまず海外出国手続きをするべきか確認が必要となります。
1年未満 ・・・・・・出国手続き不要
1年以上5年未満・・・出国の事前手続きが必要
次に、海外出国中は取引にも制限がかかります。
(出国前に手続きをすれば、NISA口座や特定口座を継続して保有はできるけど、売買は不可。)
各証券会社によって異なるので気になる方はご自身で確認をお願いします。
□ 銀行口座がもてない
海外転出届を出す→住民票が除票→非居住者になります。
今までは自己申告がない限り銀行側が国内居住者・非居住者を判別するのは難しいこともあり、あまり問題視されていませんでした。
ですがマイナンバー制度が始まり紐付けが義務化され始めているので、マイナンバーを持たない非居住者が日本国内の口座を維持することは難しくなってきました。
海外転居後も日本の口座を使い続けたい場合は、以下の3つの方法があります。
各銀行の提供する非居住者向けサービスを利用する
代理人を立てる
海外転出届を出さない(住民票を除票しない)
わたしが確認した中でもメガバンク〜インターネットバンキングを含め6〜7ほどの銀行は非居住者向けもしくは代理人を立てることに対応していました。
ここはとてもグレーゾーンなので、今まで通り何も手続きをせず届出を出すか事前に手続きをするかは自己判断でお願いします。
■ 最後に
わたしは立場的にも個人事業主として、
以下の理由が大きかったので海外転出届を出さないことを決めました。
オンラインでの確定申告ができない
つみたてNISA・銀行口座の解約
代理を立てて確定申告をお願いするのも面倒なのと、
(代理人に売上諸々バレちゃいますし・・・。笑)
銀行口座が急に凍結されると仕事上の信頼感を失うので。
(請求書発行してるのに振り込めませんでした。は流石にリスク高い・・・。笑)
気付いたら内容がいい感じに濃くなってしまったので、この辺りで今回の記事は終了します。
ちなみに海外転出届は渡航後にも代理人に提出をお願いすることもできるみたいです。そんなこんなのお話はまた別記事にて・・・・。
これを読んでくれているのは、
・留学に興味がある
・これから留学が控えている
そんな方が多いかと思います。
同じように悩むみなさまの勇気に少しでもなれば嬉しいです。
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