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アンクルトリスと柳原良平

社長室にはアンクルトリスの爪楊枝スタンドが置いてある。
このアンクルトリスから雑談が広がる事が多く楽しい。

「社長業の一番重要な仕事は雑談。」
と、社長になったばかりの2005年に、ハーレー仲間で都内で税理士をしていた友人が教えてくれた。

元来悪路、すなわち道を外れてオフロード専門のスズキ・ジムニーという小型の四輪駆動車が事業の主軸なのでこのんで道なき道をゆくのが好きだ。

昨年も熊本から仕事で来社いただいたM社長。
私よりも一回り若いM社長の口から「柳原良平のファンなんです」という驚きのワード。アンクルトリスは知っていてもイラストを描いた柳原良平の事までは知らない人が多いはずなので、雑談は盛り上がり、その半年後に再び神奈川県まで会議で来る機会に、横浜にある柳原良平のミュージアムを御案内した。

横浜みなと博物館内にある「柳原良平アートミュージアム」で購入したリトグラフ

 ちなみにこのアンクルトリスの木製爪楊枝スタンドは私が生まれる前から家にあった。倉敷の実家ではNEW8番館という屋号で今は他界して23年になる父が店で使っていたモノだ。開業する前は倉敷の駅前で叔父が経営する8番館というバーの雇われバーテンダーをしていたのだがその8番館は寿屋(現サントリー)が展開する中国地方でのトリスバー第1号店だったと生前聞いた記憶がある。

ニュー8番館店内・左下に木製アンクルトリス爪楊枝スタンドが見える。
ニュー8番館店内・左下に赤いプラスチック製のアンクルトリスが見える。

 サントリーの山崎蒸留所見学の折にもこの木製スタンドを展示していないか探したが1970年代のプラスチック製のアンクルトリスの爪楊枝スタンドしか置いていなかったので、おそらく初期の1960年代のものではないかと考える。
 ニュー8番館という屋号は閉店して30年以上経つので当時のお客様以外は誰も知らないが、数年前に松山の老舗バー「露口」に行く機会があり、マスターの奥様、朝子さんが「その名前、当時聞いたことがある」と、覚えてくれていて嬉しかった。
 その露口も昨年、64年の歴史に幕を下ろしたそうだ。もう1度行ってみたかった。一枚板のカウンターは今はサントリーの山崎蒸留所に移設されたそうだ。角ハイボールの基準となったとも言える露口のカウンターでハイボール濃い目を飲んでみたい。


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