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日曜徘徊:仕事をクビになるかもしれない中、栄町駅〜百合が原〜篠路〜拓北界隈を散策

昨日の夜は北海道各地でオーロラが見られたらしいが、残念ながら札幌では全く見られなかった。
本州から稚内市に移住されたとある方が、「札幌と札幌以外の北海道は全く別だと思って下さい」と仰られていたが、まさにその通り。

5月12日日曜日、本日も特に予定はない。
朝飯を食べていたら、仕事の「上司」からの呼び出しがかかった。
話しによると、どうやら私が仕事を適当にやりすぎていて警告が来ているとのこと。
あと1回警告が出たら、仕事はクビになってしまうらしい。

ふーんそうか、と思いながら支度をし、外に出た。


栄町駅⇒百合が原公園

地下鉄栄町駅から少し北に行ったところ

本日は地下鉄東豊線の終着駅であり、日本最北の地下鉄駅でもある栄町駅からスタート。
栄町駅から北は鉄路がなくなるので、住宅やマンションも少なくなり、長閑な郊外らしい風景が広がる。

琴似・栄町通との交差点付近

人通りは少ないが、車はそこそこの頻度で道路を走り去る。
日曜日のためか、無駄に煩い音を立てて通過する車がいて、いちいち苛々とさせられるが、この程度で怯んではならない。

「I love 道産米」

琴似栄町通との交差点(北49東15)を過ぎると、一気に景色が変わる。

畑や田んぼが見られる、ただ居るだけで安心するような風景だ。

トラクターが農作業をしている様子も見ることができる。
地下鉄駅(栄町駅)から徒歩10~15分くらいでもうこんな感じである。

とはいえ、札幌は地下鉄駅から離れれば離れるほど田舎になるというわけではなく、例えば東区の伏古や東苗穂は駅から遠いが、ひたすら住宅地が広がっていて畑はほとんどない。

札幌のどこに行けば畑が見られるのか?それはまだよく分かっていない。
私の知っている範囲では、ここの他に東区の丘珠で畑を見ることができる。
無機質で没個性的な建物ばかりが並ぶ地下鉄沿線地域に飽きた時は、田舎に出かけて心を落ち着かせるのが良い。

札幌市東区丘珠の畑(Googleマップより)
北区百合が原、篠路周辺の畑
百合が原公園

さらに北へと進むと、北区の「百合が原公園」に辿り着く。

この公園は札幌市の中でも特に広い公園で、園内には鉄道も走っているという珍しい特徴もある。

百合が原公園⇒篠路

烈々布会館

百合が原公園からは方向を変え、百合が原公園通りを北東方面に進んで行く。
百合が原11丁目には、「烈々布(れつれっぷ)会館」という施設があった。
「烈々布」は札幌の難読地名の1つとして知られ、栄町駅近くの「烈々布神社」や「烈々布公園」など、同様の地名を冠する施設はいくつか存在する。

百合が原公園駐車場では、車に乗りながら煙草を吹かしている男がいた。
公園でも煙草を吸うとは、君はいったい何を目的に公園へ来ているのだ?
それはそうと、百合が原公園は学園都市線の百合が原駅からも近いところにあるわけだが、鉄道で公園まで来る人はどれくらいいるのだろうか。

百合が原6丁目付近

百合が原駅はもともと国鉄の「臨時乗降場」として設置された駅で、要は昔はそれほど需要がなかったところであるのだが、今は住宅地として開発されているのでそこそこ利用者がいることだろう。
その証拠に、百合が原界隈には背の高いマンションも目立っている。

百合が原10丁目付近
ツルハドラッグ百合が原店付近

百合が原は自然豊かな郊外エリアとして人気を集めており、道路沿いには新しそうな民家が多数立ち並んでいる。

百合が原9丁目付近

百合が原と篠路(しのろ)の境界付近に来ると、突然一際古い建物が見られた。

篠路1条8丁目から北西方向を臨む

篠路は札幌市北区に属する地域であるが、北区役所からは結構離れており、そのため篠路出張所やコミュニティセンターが設置されている。
一時期は「篠路区」が誕生するという噂もあったらしい。
もし札幌が首都圏ほどの大都会であったなら、地下鉄南北線、東豊線は篠路方面に延伸され、地下鉄とJRの乗換駅となった篠路駅には、屯田、茨戸、石狩市方面に向かうバスターミナルが併設されていたことだろう。

篠路教習センターというところでは、作業服姿の数人が集まっていた。

セブンイレブン札幌篠路2条店付近

篠路2条付近。この辺はセイコーマートが少ない。

セブンイレブン付近の交差点

この交差点は若干ややこしい構造になっていて、篠路駅の方面へ行くには信号を2回待たなければならない。

新潟運輸のコンテナ

信号待ちの間に辺りを見回していたら、交差点近くに新潟運輸のコンテナがあったので、写真を撮った。
遠い異国の北海道で新潟運輸を見ることができるとは・・・と思ったが、新潟には小樽から船が出ているからそれほど珍しくもないのか。

長い信号待ちを経て、ようやく篠路駅方面へ。
自転車を乗りながら煙草を吹かす黒縁メガネの男がいて、再び嘆息。

篠路⇒拓北

篠路駅前バス停

中央バスの篠路駅前バス停。
このバス停は「駅前」とあるが、駅からは微妙に離れている。
地下鉄麻生駅、栄町駅方面のバスが通り、本数はそれぞれ毎時1本程度。

駅前マンション(ロピア学園都市線)

バス停のすぐそばには、マンションが建っている。
駅前なので便利そうだと思うかもしれないが、この辺は駅があるだけでスーパーの類はほとんど見られない。(一応コンビニはあるが・・)

篠路駅方面を撮影
篠路駅方面を撮影

昔の田舎駅を思わせる木造駅舎の篠路駅は、道路からやや奥まった場所に在る。
そのため、一度車道を渡らなければならないのだが、なんとこの交差点には信号機が設置されていないのである。
つまりは、信号のない横断歩道で車が止まってくれることを期待するしかないということで、これは特に高齢者にとっては甚だ危険ではなかろうか。

篠路駅は何度も来ている駅で、北海道旅行をしていた2022年にはこの駅で、「Hokkaido Love」パスを買ったこともある。
先ほどの百合が原駅とは違い、「みどりの窓口」も設置されている立派な駅である。

篠路神社

神社の鳥居を見ることで、ここは確かに日本であると感じることができる。
かつて、大日本帝国がアジア各地に侵略し植民地を獲得した際、現地の日本人は盛んに神社を建立していたし、和人が北海道を開拓した際にも、この篠路神社のように道内各地に神社を立てた。
天皇制にとって都合の良い国家神道が思想的支柱として存在していたというのもあるが、神社の存在が日本人に土地への愛着と共同体意識を起こさせてくれるのは確かだと思う。

篠路小学校バス停

篠路駅から少し北に行くと、中央バスの「篠路小学校」バス停がある。
このバス停は地下鉄麻生駅、栄町駅からやってくる路線バスの終点であり、バスが方向転換できるようなスペースが設けられている。

では、「篠路小学校」より北の住民はどうするんだ?という疑問が出てくるが、バス路線を調べてみると、やや北に栄町駅と篠路10条4丁目を結ぶバスが通っていることが分かる。

篠路駅周辺のバス停

バスが通っている道道273号線は、さながら「バス通り」という感じだろうか。
バス通り、そして電車通り・・・これらのワードが醸し出す雰囲気には惚れ惚れするほかない。
篠路界隈には、篠路駅からやや西にある「東8丁目篠路通」や「創成川通」にもバスが通っている。これらの道路は皆バス通りと言えよう。

バス通り」という言葉が非常に魅力的な味わいを含んでいるのは、バスが公共交通であり、地元の足であり、時間や交通法規に忠実であり、かけがえのない存在として景色に溶け込んでいるからだ、
「車通り」「トラック通り」「バイク通り」「原付通り」はたまた「珍走通り」では、味わいに欠ける。

パーソナルハイツ篠路公園

篠路6条8丁目には、高層マンションが建っている。
30年くらい前からありそうな建物だ。

https://www.athome.co.jp/bldg-library/hokkaido/sapporo_kita/91806/

本田製粉

「本田製粉」という企業の工場も立地している。

道路沿いから外れて、小川沿いに設けられた遊歩道を通る。

「第二伏籠川橋」を渡り、伏籠川(ふしこがわ)を渡って北区拓北に入る、

第二伏籠川橋からの景色

石狩川水系茨戸川支流伏籠川は、北区茨戸(ばらと)から拓北、篠路を通って東区丘珠、伏古に至る川だ。
さすがに豊平川ほどではないが、そこそこ川幅があると感じた。

拓北いきいき公園」という公園を通って、拓北駅方面に向かう。

拓北いきいき公園にて

日曜朝だが、人はまばらで過ごしやすい雰囲気だ。

篠路拓北川

公園内には川(篠路拓北川)が流れている。
この辺は河川が多いのだな。

グリンピア篠路北団地

公園からは、ドームのような形をした高層団地を見ることができる。
まるで美唄市我路にある円形校舎のような、荘厳な建築に息を呑む。

https://s-j-k.or.jp/wp/wp-content/themes/s-j-k/pdf/shieijutaku/02_kita/02-09.pdf

拓北に来てから風が強くなってきた。
気温は18度くらいで、曇っているのであまり風が強いと肌寒くなる。

JALの飛行機を激写

百合が原や篠路、拓北界隈では、丘珠空港を離発着する飛行機を見ることができる。
丘珠では飛行機による騒音が問題になることがあるが、この辺まで来るとそれほど音は気にならない。

公園を出たら住宅地を進み、JR拓北駅を目指す。

拓北中央公園

百合が原や太平駅前などと同様、駅周辺は住宅街が広がっている。

JR学園都市線の線路
駅前踏切

JR学園都市線の線路が見えたら、後は線路沿いに進んで行けば良い。

拓北駅から南方向を臨む
JR拓北駅南口

拓北駅に到着した。
栄町駅からはだいたい50分~1時間くらいかかっただろうか?
Googleマップによるともう少しかかると出ていたので、意外と早く着いて驚いた。

拓北駅改札

拓北駅はかつて「東篠路」と呼ばれていた駅で、95年に「拓北」と改称された。南口は無人であるが、北口には「みどりの窓口」が設置されている。

拓北・・・何となく外国語(Tak hokみたいな)のような響きがあるが、アイヌ語由来ではなく、開拓の「拓」と北海道拓殖銀行の「北」から取って名付けられた。

拓北駅北口

南口と比べ、北口は年季の入った建物である。

拓北駅前の踏切付近にある「スクエアビル」

踏切近くには、レトロな風貌の「スクエアビル」が建っている。
スナックや居酒屋が入っているようだ。

踏切を通過する、札幌駅行き普通列車

10分ほど駅前を徘徊し、札幌行き電車が発車したと同時に駅から離れる。
駅前踏切では、釣り竿を下げながら自転車に乗っているおじさんが、タバコを吹かしながら踏切が開くのを待っていた。
この程度で怯んではいけない、なぜならここはスモーカーズシティ・サッポロなのだから。

中央バス:ひまわり団地バス停

拓北駅に行くのが今回の目的だったので、さっさと帰ってしまうことにする。
ちょうど15分後くらいに、あいの里方面から栄町駅行きのバスがやってくる。

駅北口から徒歩1~2分のところにある「ひまわり団地」バス停へ。
「団地」と付いているので、近くに公営住宅があるのかなと思ったが、普通の一軒家が立ち並んでいるだけで、団地っぽい建物は見られない。

このバス停は栄町駅行きのほかに、「ひまわり団地線」(地下鉄麻生駅行き)という系統も来ているのだが、平日だけの運行となっている。

しかも、麻生駅方面はほとんど午前中しか運行されていないという、不思議な路線だ。札幌中心部方面の通勤通学に特化した系統だろうか。

目的を達成してしまうと、途端に現実のことを考えてしまう。
仕事がクビになったらどうしようか。
まあ貯金はあるから(税・保険料の支払いを考慮しても)暫く生活には困らないし、一応伝手と言えない程度の伝手はあるので、何とか仕事にありつくことはできるだろうが・・・

とりあえずクビになったら今年の年収は昨年よりかなり少なくなるだろうから、国保の減免申請をしないとなと思いながら、携帯をいじる。

私自身が一番分かっていることだが、もともと私は大した人間ではないのだ。
確かに昨年は一般の賃金労働者よりもお金を稼げたが、それはあくまでも過去の話、しかも1年間だけ続いた栄光でしかない。
「アルジャーノンに花束を」で高度な知能を獲得した主人公が、その後どうなったか?
それを考えれば、これからの私を待つ結末は自ずと分かるはずであろう。

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