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土曜徘徊:かつて白石遊郭があったところを見るなど


曹洞宗大覚寺:除夜の鐘に対する苦情について

昨日と同様、地下鉄東豊線の環状通東駅付近からスタート。
今日は札幌東区を斜めに横断する道道273号線沿いを進み、苗穂駅方面へと出る。

大覚寺

この界隈を代表するスポットと言えば、北10条東11丁目にある「曹洞宗金龍山 大覚寺」だろう。

このお寺は、今から5年前の2019年末、近隣住民から「除夜の鐘が煩い」という苦情が来たことを理由に、毎年行っていた除夜の鐘の中止が決定されたことで有名である。
2020年以降の動向は分からない。

なお、こちらの記事では、「そもそも苦情自体存在しない、もしくは極めて少ない件数だったが、除夜の鐘というイベントを維持することによるコストが大きいので、苦情を利用して中止することにしたのでは」と独自の考察を加えている。

私に言わせれば、除夜の鐘よりも車やバイクの音の方が圧倒的に煩く、かつ不愉快な気分にさせるノイズであるのだが、除夜の鐘が嫌いな変わった人もいるようである。
よくネット上では、「除夜の鐘に苦情が来るのは外国人が増えているからだ!」という人がいるが、他の地域は兎も角、この界隈にはほとんど外国人が見られない。
住民のほとんどが日本人というこの地域で、除夜の鐘が中止になってしまう。
これは非常に悲しいというか、いくら他府県と比べて日本文化に触れる機会が少ない道民と言えども、彼らの大半は日本人としてのルーツを持っているはずなのにと、ナショナリストのようなことを言いたくなるくらいである。

新穂公園(北9条東11丁目)にて

インターネット上で日本各地に行った旅行記を投稿されている、北海道在住の「北海観光節」さんという方がいる。
その方の旅行記を好んで読んでいた時期があるのだが、その人によると北海道では日本文化が歪められ、本州ではあり得ないような形にしてしまうことがよくあるんだとか。(以下のサイトを参照されたし。)

札幌市民の多くに嫌われている「よさこいソーラン」がその典型例だ。
高知県の誇るべき文化を勝手に歪曲し、市民は公共空間で傍若無人な振る舞いをする踊り手を嫌悪するという、誰が得をするのか分からないイベントを作り上げた。
私は件のイベントについては好きの反対、つまり「嫌い」ですらなく、ただただ「無関心」であるのだが、自分の近所が会場になっていたら大いに文句を言っていたことだろう。

アリオ札幌
JR苗穂駅北口

苗穂駅構内は、昨日行ったJR白石駅と比べると少し小さいように思えた。
駅利用者数/日は白石駅の方が2000人近く多いようなので、利用者の数に応じて大きさを調整したのだろう。

JR苗穂駅:「汽車旅」の終わり

苗穂駅から撮影

苗穂駅にはJR北海道の苗穂工場が隣接しており、北海道各地を走る車両を見ることができる。今日はキハ40が停まっていた。
北海道のローカル線ではキハ40から新型車両への置き換えが進んでおり、石北本線や釧網本線などでは座席数の少ないH100形ばかりになってしまった。

国鉄時代の旅を追体験しようと試み、日本全国或いは世界各地を旅する動画を多数投稿されている「旅一郎」氏によると、北海道におけるキハ40の置き換えは、「汽車旅の終わり」を意味しているという。
なぜなら、新型車両のH100形は窓も開けられず、ボックス席は少なく、デッキも付いておらず、旅の楽しさが感じられないからだ。
単なる通勤電車の延長のような車両になってしまうため、往年の汽車旅で味わえたようなムードは完全に消え失せてしまったというわけである。

JR苗穂駅南口から豊平川へ
高層マンションと平屋(駐車場にボンネットが破壊された車が停まっていた)
水穂大橋付近


豊平川

水穂大橋を渡り、中央区大通東11丁目から白石区菊水6条へと入る。

白石区菊水:遊郭跡を見る

白石区菊水には、かつて「白石遊郭」と呼ばれる遊郭があったと言われる。
そのためか、菊水界隈は治安が悪いと囁かれることがある。

菊水6条2丁目付近

以前も菊水には行ったが、その時は一条大橋から地下鉄菊水駅方面に行っただけであり、まだ見ることのできていない地域がある。
今回は水穂大橋から菊水に入って、前回は見られなかった地域を観察する。

菊水5条2丁目バス停

南郷通を南下し、菊水公園へと向かう。
こちらのバス停は都会的な立派な作りをしているが、本数はそれほど多くはなかった。

菊水神社

菊水公園に着いた。
公園はこじんまりとした大きさであるが、中に「菊水神社」という小さな神社がある。
神社には「神殿であそんではいけません」という看板があり、何となく周辺住民の質が窺える。

札幌遊郭(白石遊郭)跡

公園には、このような看板が設置されている。
この辺りの地域に、すすきのから移転してきた遊郭が形成されていた。
1958年まで残っていたということで、今からだいたい60年くらい前か。

菊水公園にて

遊郭は60年以上も前に消えているので、今やその面影はほとんど残っておらず、別に治安もそれほど悪くはないだろう。
北海道は歴史が浅く、しがらみの少ないと言われる地域であるので、他の日本とは異なり、歴史的に柄の悪いと言われる地域がほとんど見られないのは良いことだと思う。

白石治療院跡・札幌市助産所跡
菊水公園

しかしながら、公園では60~70代くらいの人(男性か女性かはよくわからなかった)が、紙タバコを吹かしながらベンチに座っていたし、信号無視をする金髪の自転車乗りの男も居たので、あまり民度は高くないのかもしれない。

広大な空き地(菊水5条2丁目)

菊水公園を離れ、引き続き菊水を散策する。
菊水5条2丁目には、非常に広々とした空き地があった。
Googleマップで見ると、かつては「エア・ウォーター」の建物があったようだ。

おそらく将来的にはマンションになるのだろうか。
札幌市内は空き地があればすぐマンション、とにかく無秩序に乱立している印象がある。
そんなにマンションばかり立てて、住む人を確保することはできるのだろうか。数十年後には空き部屋だらけの物件が続出しそうだ。

空き地を別の角度から
北海道がんセンター
菊水3条2丁目交差点

辺りをウロウロしているが、基本的に札幌市内のよくある住宅地とほとんど変わらない風景だ。

一部、やや年季の入った建物や看板が見られるので、昔から住んでいる人も多そうだ。

この辺はほとんど普通の住宅街になっている。

札幌市立幌東小学校

菊水6条3丁目にある、幌東小学校というところに来た。
「幌東」と書いて「こうとう」と読むらしい。
校舎には「開校50周年」と書かれている。だいたい1970年代に開校したということか。
札幌の歴史が浅いことを考慮しても、開校50年というのは結構短いような気がする。
菊水から遊郭が一掃されたのが66年前だから、それからしばらくは小学校がなかったのだろうか?

幌東中学校(左)と北海道情報専門学校(右)

小学校の隣には、「幌東中学校」がある。
菊水にあるのに「菊水小学校/中学校」を名乗らないのは、菊水のイメージを考慮してか?と考えていたが、後から調べてみると菊水元町2条3丁目に「菊水小学校」があるようだ。
なお、「菊水中学校」は北海道には存在しない。

菊水8条3丁目付近

水穂大橋から菊水4条、5条、6条を中心に見てきた。
東札幌方面に向かうため、幌東中学校から南東に進んでいる。
菊水の治安は、それほど悪くはなさそうに見えるが、やはり川や「すすきの」に近いので進んで住みたいという感じではない。

札幌中心部に近く、(大通駅から2駅)その割には家賃相場は若干安いと思われるので、特に単身者には人気のあるエリアらしい。
「すすきのが近い」(徒歩で帰れる、タクシーで○○円など)ことをメリットとして挙げている人もいるが、(中島公園駅なども同様)そもそも札幌に住む人全員がすすきのに縁があるわけでは決してないので、特別遊びに拘る人以外は気にしなくて良い。

Dグラフォート東札幌Vガーデン

菊水8条4丁目には、非常に大きいマンションが建っていた。
確かに菊水に立地しているが、マンション名は「東札幌」となっている。

ラソラ札幌

菊水から東札幌に入ると、複合商業施設の「ラソラ札幌」が見えてくる。

ラソラ札幌は複数の建物から構成され、写真のように建物同士を行き来できる空中歩廊も設置されている。

ラソラ札幌入口
広大な畑(東札幌3条3丁目)

ラソラ札幌はまだ開店前だったので、今回は入らず先に進む。
東札幌3条3丁目の東札幌幼稚園横には、広大な畑が広がっていた。
札幌の地下鉄沿線でこのような景色を見るのは珍しい。

東札幌図書館付近

今回も東札幌図書館に寄った。

白石バスターミナル付近

それからはまた戻ってラソラ札幌にも寄ろうか考えたが、面倒になってきたのでそのまま地下鉄白石駅へ。

白石郷土館(白石区役所内)
白石バスターミナル

環状通東駅~白石駅を結ぶバスは素晴らしい

白石バスターミナルからは、菊水元町経由で地下鉄東豊線の環状通東駅まで結んでいる路線バスが発着している。

私はこの系統を非常に便利なものだと考えていて、なぜなら中心部を経由せずに東区と白石区(東豊線沿線と東西線沿線)を行き来することができるからである。
この路線以外には、白石から美園を通って平岸に行く系統や、大谷地から福住経由で真駒内に行く系統など、東豊線沿線と東西線沿線を結ぶものがいくつかあるが、東区と白石区をダイレクトで結ぶバスはおそらくこれだけだろう。

普通、東豊線沿線から東西線沿線に行く場合、地下鉄を利用して大通駅経由で行くことになるが、中心部を経由せず行きたいという時もある。
そんな時に、この系統は大助かりなのである。

以前、宮の沢と北34条を結ぶバスに乗った時にも述べたことだが、このように色々な選択肢があるということは、それだけ地域が豊かであることを示していると思っている。
現在は30分に1本(土休日は40分に1本)と、それほど不便ではない程度の本数が確保されているので、北海道中央バスにはこれからもこの便数を維持してもらいたいと思う。

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