ニンジャスレイヤーTRPG・2版向けミニシナリオ「外道居合始末」最終更新2021/10/02
これはなに?
1~n名向けテーブルトークロールプレイングゲーム「ニンジャスレイヤーTRPG」の複数人プレイ用シナリオです。2021年3月に発売された『第二版ルールブック』を想定したテキストで構成されていますが、初版コアルール並びにプラグイン、AoSルールに読み替えてプレイすることもできます。
要点
対ニンジャ戦闘のみのミニシナリオ。マップも簡素かつ短くギミックらしいギミックも特にない。
シナリオサマリー
「このようなことをあなた方に頼むのは忍びないが、もはやこうする他はないのでしょうから」ジュー・ウェアの壮年はあなたたちにドゲザした。「私の弟子を殺してほしいのです」
対象:成長の壁(1)突破直後のニンジャ2~4人。フリーランスを想定しているが、ソウカイヤ等の組織所属ニンジャも可。
難易度/Wassoi!判定:ノーマル/なし
キャラロスト:あり
余暇:普通(4日)
備考:敵ニンジャはイアイドーを用いた近接戦闘に特化している
ダンゴウ:ニチョーム、ストリップ雑居ビル「ゼン・トランス」内会議室
地の文:連続ツジギリ殺人なぞ珍しくもないネオサイタマだが、その下手人はニンジャであるという話が出ればそうもいかない。一人の男が出した依頼にフリーランスとして乗じたか、所属組織の思惑か……あなた達はここに集まった。ニンジャ同士、アイサツをしよう。
(一通りロールプレイが終わった辺りで)
ジュー・ウェアを着た壮年があなたたちの前に現れた。
「ドーモ、お越し頂き誠にありがとうございます」
「私はペトロフと言います」
◆ペトロフ
カラテ 3 体力 3
ニューロン 4 精神力 5
ワザマエ 8 脚力 4
ジツ - 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 3/8/4/4
◇装備や特記事項
伝統的礼装
『●連射2』、
『◉◉タツジン:イアイドー』
地の文:ペトロフの語り口を要約すると、以下のようになる。(長いなら太字部分だけを抜粋する)
◎ペトロフは十数年前からネオサイタマに居を構えたスラブ系移民で、郊外に構えたイアイドーのドージョーのセンセイを務めている。
◎ある日ドージョー門下生の中で最も秀でていた青年ギンジがヤクザの抗争に巻き込まれ瀕死の重症を負った。奇跡的に蘇生したものの彼は次第に挙動不審になり、遂には行方をくらました。「モアザン」なる別名を名乗りはじめ、覆面を日常的に装着するなど、失踪前の挙動はあからさまにニンジャなのだ。
◎そしてペトロフ曰く、連続ツジギリ殺人事件の太刀筋には彼の気配を感じるのだという。
◎ニンジャと化して殺しに手を染めたイアイドーのタツジンを、これ以上道を踏み外すことのないように始末しなければならない。
◇シナリオ開始前に:事前情報収集
プレイヤーたちが情報収集をしたいと判断した場合、NMはプレイヤーキャラクターの中から代表で1人、ハッキングや聞き込みによる『調査判定』を行わせていい。『ハッキング』あるいは【ワザマエ】で判定を行い、その難易度はNORMALだ。以下の表に対応する『◉知識』スキルを持っていた場合、ある程度「アタリ」をつけた調査を行い核心に踏み込みやすくなったとみなされ、有利になる。
◆連続ツジギリ殺人事件への事前調査に対する修正:
最も適した知識スキル(+2):ストリートの流儀、公僕の流儀、伝統的アート
次に適した知識スキル(+1):犯罪、セキュリティ、カチグミエリア
その他ロールプレイ上適切とみなされた知識スキルはNM判断で適宜+1~2の修正を持たせていい。
成功:あなた達が行った調査により犯人の行動範囲や活動周期、被害者の傾向が浮かび上がった。次のツジギリが行われるだろう日に向けて用意を整えよう。
→全員即応ダイス+2。
出目【6,6】:「ペトロフはネオサイタマにやってきた時と全く見た目が変わっていない」手がかりを追う内にあなた達は奇妙な噂を耳にした……。
シナリオマップ
コモントレジャーの中身(d6で判定)
1:オーガニック・スシ
2:【万札】2
3:トロ粉末
4:【万札】3
5:カタナ
6:【万札】4
地の文:トムコロ・ストリートの路地裏。日帰りサイバネ施術院のノーレンをくぐった女子高生二人を囲み恫喝するヨタモノたち。ネオサイタマにはありふれた光景だ。誰も助けには来ない。
地の文:不意に、ヨタモノの一人の首が飛び、また一人首が飛ぶ。軽やかに着地した三度笠の男は腰を抜かしたヨタモノたちをよそに女子高生たちにカタナの切っ先を向けた。ネオサイタマにはありふれた光景だ。
地の文:しかし、凶刃がそれ以上振るわれることはなかった。あなた達は間に合ったのだ。ニンジャとニンジャが向かい合えば、アイサツをしなければならないだろう。
「きた、きた、これまたゾロゾロと……目立つように頑張った甲斐もあったというもの」
「ドーモ、モアザンです」
◆モアザン (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 8/10/4/4
回避/精密/側転/発動 8/10/7/12
◇装備や特記事項
カタナ、伝統的ニンジャ装束
『●連射2』、
『◉◉タツジン(イアイドー)』、
『◉ニンジャソウルの闇』×3、『☆◉ダークカラテ・エンハンスメント』、
『☆◉???』
『☆???』、『★???』、『★???』
モアザンは『移動スタイル:カスミ』で隣接可能な対象へ距離を詰めつつダークカラテ・エンハンスメントでダメージを底上げされた強化精密攻撃を狙ってくる(極端に遠い場合は通常移動で距離を詰めつつスリケン2連)。距離を取ればそう厄介な相手ではないが、マップはそう広くない上に露骨に遠距離戦を狙うと逃亡中の女子高生をこれ見よがしに殺してしまう(リザルトに影響がある)。
NMはこれをPLに伝えてもいいし、女子高生の生存をリザルトに影響しないように改変してもいい。
セリフサンプル(必ずしもこれらを参照する必要はない)
攻撃
「イアイ!」「カタナのサビとなれ!」「ハーッハハハハ!イヤーッ!」
ペトロフの名を出された/何故ツジギリをするのか問われた
「ペトロフ・センセイの差し金か?」
「センセイ曰く、イアイドーとはゼンの有り様。他者を斬るためのものではなく、無力な者を守るための心掛けを身につける術だと」
「ならば殺すほどに太刀筋は鈍くなろうもの。道を踏み外し守るべき人らを無惨に殺せば、二度とカタナは振れない道理だ」
「……しかしなあ、そうはならなんだ!俺のイアイはより洗練されていく。洗練されてしまう……」
「時間稼ぎは済んだか?無駄話は嫌いではないが、俺はやはり殺す方が好きだ」
(会話終了後に女子高生とヨタモノが脱出マスへ1マス移動する)
体力が半分を切るとジツ解禁。
「巻き藁如きが、鬱陶しいぞ……アクマ!」
◆モアザン (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 8/10/4/4
回避/精密/側転/発動 8/10/7/12
『部分アクマヘンゲ:脚』成功時、【脚力】+1、連続側転ダイス+3
(タツジン:イアイドーの装備ペナルティ削除が無効化され)側転難易度+1
『部分アクマヘンゲ強化』中、連続攻撃+1(上限3)、連続側転ダイスさらに+1
(伝統的ニンジャ装束消失により)回避ダイス-1
◇装備や特記事項
カタナ、伝統的ニンジャ装束
『●連射2』、
『◉◉タツジン(イアイドー)』、
『◉ニンジャソウルの闇』×3、『☆◉ダークカラテ・エンハンスメント』、
『☆◉悪徳炉心』
『☆部分アクマヘンゲ:脚LV3』、『★ジゴクの炎』、『★部分アクマヘンゲ強化』
『部分アクマヘンゲ』等各種ジツ効果はこちらを参照。
また、ルールブックのデータのみを使用して『アルコン・ニンジャクラン』を用いない場合のデータはこちら。
◆モアザン (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 8/10/4/4
回避/精密/側転/発動 8/10/7/12
◆アクマ・ヘンゲ時のステータス:
カラテ 8 体力 8
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 9 脚力 6/-
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 11/12/4/4
回避/精密/側転/発動 10/12/-/12
『素手近接攻撃ダメージ2』、『連続側転不可』
◇装備や特記事項
カタナ、伝統的ニンジャ装束
『●連射2』、
『◉◉タツジン(イアイドー)』、
『◉ニンジャソウルの闇』×3、『☆◉ダークカラテ・エンハンスメント』、
『★◉アクマヘンゲ時武器銃器習熟』
『☆ヘンゲヨーカイ・ジツ』、『★ジゴクの炎』、『★アクマ・ヘンゲ・ジツ』
多少差異はあるものの、ジゴクの炎→強化精密攻撃2連で攻撃がより苛烈になる。
(俺もこの程度の男だったか。センセイ……)
「……サヨナラ!」
モアザンを爆発四散させる/PCが離脱する等で戦闘困難になることでエンディングへ。
『モアザンを爆発四散させる』『女子高生がエリア外に脱出するまで持ちこたえる』(シナリオ終了時に生存していればOK、1人につき+1点)の加点法。全て満たしてAクリア。『モアザンを爆発四散させる』だけを満たしていた場合、CクリアではなくBクリア。
A:【万札】PC人数×15、『余暇』4
B:【万札】PC人数×10、『余暇』4
C:【万札】PC人数×5、『余暇』4
D:『余暇』4
「此度はありがとうございました」
「研鑽を続けてこの程度にしかなれない者もいれば、突然にそれを追い越してしまう者もいる。ままならないことだ……」
隠し報酬
事前情報収集で出目【6,6】を満たしてAクリア
→PLがこれを望むなら、ペトロフとのユウジョウ!を追加できる。
「私にそのような噂が……ええ、それは事実です。私もニンジャですから。もっとも、あなたたち程の実力も得られぬままに、師匠に見捨てられたなりそこないですが」
「この身に伝授されたイアイドーに、せめて何かしらの意味を与えてやりたかった。意味はあるのだと信じたかった……ならば、弟子の変心に怯えるべきではなかった。向き合ってさえやれれば……悔やみ恥じ入るばかりです」
最重視するパラメータ:【ワザマエ】-DKK
親密度1:「ドーモ、あなたでしたか。チャを用意しますから、そこにおかけください」
報酬:『◉知識:伝統的アート』
親密度2:「セプクすることも考えましたが、ドージョーを続けることにしました。
弟子の重ねた罪はこの命一つでは償えぬもの。償ってはいけないものです」
報酬:『◉不屈の精神』
親密度3:「……彼のような者がまた現れても、今度は寄り添い力になろうと決めたのです。
あなたがそうであるように、私もまたニンジャなのですから」
報酬:『◉交渉:共感』/『◉ニューロンブースト/チルアウト』
爆発四散:「悔やみはしません。末路にしては上々です」
報酬:『**コテ・オブ・ペトロフ**』
【万札:UR】:『**コテ・オブ・ペトロフ**』
木剣から手元をガードする装身具。『基本を大切に』という刺繍は使い手自身の施したもの。
・『緊急回避ダイス』+1。
・『カタナ』装備中、「戦闘スタイル」を用いない攻撃時のみ、攻撃ダイス+2。
高難易度オプション例
・モアザンを下記の『強化版サンプル』で登場させる
・ツジギリ事件の報復に出たヤクザを乱入させるなどエネミーの数を増やす
・『ハイプレイン』を乱入させる
など、PCの強さに応じてシナリオ中の敵を適宜強化してもいいだろう。
◆モアザン(強化版サンプル) (種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 13
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 5 万札 20
攻撃/射撃/機先/電脳 11/13/5/5
回避/精密/側転/発動 11/13/10/12
『部分アクマヘンゲ:脚』成功時、【脚力】+1、連続側転ダイス+3
(タツジン:イアイドーの装備ペナルティ削除が無効化され)側転難易度+1
『部分アクマヘンゲ強化』中、連続攻撃+1(上限3)、連続側転ダイスさらに+1
(伝統的ニンジャ装束消失により)回避ダイス-1
◇装備や特記事項
カタナ、伝統的ニンジャ装束
『●連続攻撃2』、『●連射2』、
『◉頑強なる肉体』、『◉◉タツジン(イアイドー)』、
『◉ニンジャソウルの闇』×3、『☆◉ダークカラテ・エンハンスメント』、
『☆◉悪徳炉心』
『☆部分アクマヘンゲ:脚LV3』、『★ジゴクの炎』、『★部分アクマヘンゲ強化』
備考:【体力】が10未満で部分アクマヘンゲ系ジツ、スキル解禁
◆モアザン(強化版サンプル) (種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 13
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 5 万札 20
攻撃/射撃/機先/電脳 11/13/5/5
回避/精密/側転/発動 11/13/10/12
◆アクマ・ヘンゲ時のステータス:
カラテ 11 体力 13
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 12 脚力 7/-
ジツ 5 万札 20
攻撃/射撃/機先/電脳 14/15/5/5
回避/精密/側転/発動 10/15/-/12
『素手近接攻撃ダメージ2』、『連続側転不可』
◇装備や特記事項
カタナ、伝統的ニンジャ装束
『●連続攻撃2』、『●連射2』、
『◉頑強なる肉体』、『◉◉タツジン(イアイドー)』、
『◉ニンジャソウルの闇』×3、『☆◉ダークカラテ・エンハンスメント』、
『★◉アクマヘンゲ時武器銃器習熟』
『☆ヘンゲヨーカイ・ジツLV3』、『★ジゴクの炎』、『★アクマ・ヘンゲ・ジツ』
備考:【体力】10未満でヘンゲ系ジツ、スキル解禁。
「手こずってるようだな、モアザン=サン!ハジメマシテ、ハイプレインです。ま……俺のことは気にしないでよ」
「こりゃ俺の手に余るかな、アバヨッ!」
◆ハイプレイン (種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 8 精神力 8
ワザマエ 9 脚力 6/E
ジツ - 万札 15
攻撃/射撃/機先/電脳 7/11/9/10
回避/精密/側転/発動 9/9/8/-
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子、サイバーサングラス、タクティカルスーツ
『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉スリケン痛打』、『◉タクティカル移動射撃』、『◉頭上からの死』、
『◉常人の三倍の脚力』、『◉ニンジャソウルの闇』、『◉知識:重工系メガコーポ』
備考:【体力】3以下で撤退。撤退させた場合も【万札】はPCが獲得する。
撤退させたPCはシナリオ終了後『ユウジョウ判定』の対象にハイプレインを追加できる。
「アレ、アンタはこないだの。俺だよ俺、どうにも縁があるね」
ハイプレインとのユウジョウ判定表はこちらを参照。
NMはこの記事に含まれるデータを、セッション中に利用したり、自作のシナリオへ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、この記事を引用元として明記すること。
◆忍◆
ニンジャずかんEX【モアザン】
アクマ・ニンジャクランの傍流の憑依者。憑依ソウルこそ弱小だったが本人との結びつきが強く、元々習熟していたイアイドーのワザマエを飛躍的に向上させた。しかしその精神は急激に蝕まれていき、人格の変貌に伴い血を求めて凶行を重ねた。
◆殺◆
◆忍◆
ニンジャずかんEX【ペトロフ】
ドン川流域出身の古き人物。ブル・ヘイケの末裔を自称する胡乱なリアルニンジャにイアイドーを伝授されるが、やがて師はいずこかへと去り、彼も放浪の末にネオサイタマへ流れ着く。「フォーセイクン」と呼ばれることもある、力なきリアルニンジャの一人。
◆殺◆
更新履歴
2021/09/02:小イベントを修正
2021/10/02:公式ルールブックのヘンゲヨーカイ系スキル刷新に伴い『ルールブックのみを用いる場合のステータス』を更新。また高難易度オプション例を追記
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