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塔 月詠/2024.05


月と日の区別のうすい崩し字の付箋から迎える十九月

思い出と心残りが同じだけ積もる数年ぶりの雪夜に

降る雪に見えた雷これからのあなたを信じる私を信じたい

日陰には昨夜の名残 雪踏めば梨のひかりを還してくれる

死にかけの蛍光灯が思い出す清流に飛び交った前世を

ゆうかげを受けて耀う大川のようやくことばから遠ざかる




 気づけばもう2024年も折り返しが見え始めていて慄く。
 この塔月詠のnote投稿も1月以来、あいだに3か月も空けてしまった。いや、ほんとうに3か月連続で欠詠したとは思えないので誌面を確認できていないまま月日が過ぎている……(先月は本当に欠詠しました)。
 あと今月もつくるだけつくりましたが投函が間に合わず落としました。つらい。
 今月は6首。ありがとうございました。永田和宏欄の鍵外、筆頭に掲載いただいた。目次にも見つけやすくて助かる。その月の連作会で同席した浅野大輝も別欄の鍵外目次に名前があり、うれしい。もう長い付き合いですね。はやく歌集出しなね。

 昨年の年末年始には2つの新人賞に応募するために2つの30首連作をえんやこらとつくっていて、そこからこぼれた歌たちが月詠に回ったりしていた。先日その2つとも受賞作と次席作が発表されて、大変悔しい話なのだけどまだ名前は見つけられていない。困ったな~。塔新人賞はtoron*さん、短歌研究新人賞は工藤吹さん。おめでとうございます。受賞作を早く読みたいですね。

 短歌をやり始めてもう10年とかになるのだけど、過去の新人賞応募は2回あり、塔新人賞と歌壇賞なのでぼくは未だに30首を超える長さの連作はつくったことがないことになる。(正確には、歌人の石井僚一が主催していた石井僚一短歌賞という私設賞にも応募している。ただしこちらも21首だったか22首なので、やはり30首超の経験はない) 50首と言えば角川短歌賞だけだったが、2019年からは笹井宏之賞が始まっている。笹井賞、出してみようかなあ。生活に余裕があればですね……。
 まあ10年のうち5年くらいはやれ就活だ卒論だ仕事だと殆どつくれもよめもしない日々があったのだけど、それにしたって、長くやってる割に結実するものが無さそうで驚いてしまう。まあ結実させることを目指していたわけでもないが、人生の短さを意識し始めると急に、これまで毎年応募してこなかったことを勿体なく感じている。でも別にその間になにもしていなかったわけでもなくそれはそれで忙しくしていたわけだが、いやまあ大学生のあいだはなにもしていなかったような日々もあったのだが、無為に過ごしてしまったなと後悔しているわけでは決してない。これはこれでやっていくしかない。
 やりたいことやらなくちゃいけないことが無限にある。

 短歌をいまいちやっていない期間にもやっていた活動のひとつに、コンセプト同人誌の企画・制作発行がある。
 同人全員の作品を、本人の手書きによる掲載とし、作者名と作品の対応関係を明示はしない。

 まあ色々と狙いもあるコンセプトだったので、元気と時間が余ったらどこかに備忘がてら書こうと思う。ちなみに、第二版ではQRコードを追加して、Googleドライブから手書きではない活字版pdfをダウンロードできるようにもしてあります。そっちも見ると、作者名も明示されている(ようにしたはず)。
 『手稿録』第二号は発行しないけれど、他にもいろいろとやりたいことはあるのでまずはそっちに元気と時間を充てたい。たまたま今日2024/05/19は第38回東京文フリで、『手稿録』発行から5年半になっている。月日の流れ、おそろしいことです。その間に石井僚一は短歌をやめ、また始めてくれている。

 いい作品が集まっているので、「うたとポルスカ」さんや「葉ね文庫」さんで手に取っていただけると嬉しいです。(たぶん、まだ在庫あると思います)(自家通販もやろうやろうと申込フォームなど用意したのですが、メンテに手が回っておらず形骸化しています、すみません)(BOOTHとか、EC代行に登録したほうがいいかなあ)(私の家にもちょっと在庫があるので、個人的にご連絡いただければ喜んで対応します)


 宣伝で終わってしまうのもなんなので、思いついてから5年、始動から3年くらい寝かしている次のコンセプト同人誌を、年末に向けてようやくしっかりつくろうとしていると宣言だけして、背水の陣を敷いておきます。乞うご期待、と叱咤激励。よろしくお願いします。

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