さらり /07首
どうかしている思想を逸らす猛暑日も空には届かない水平線
みぎわまで話しつつゆく浜辺から僅かにさらわれる足のうら
白む夜の路端のレジ袋は子猫 お城とラブホで韻が踏める
しゃわわ、と歌ってみれば脱衣所にあなたが笑ってくれて落ちつく
くやしさを保てずにいる研修の暮れにしずかな皿を洗えば
底知れずあなたをさらいたいまひる視野を緑の河が流れて
みなとみらいは夏にふくらむ オフィスから影のみが見ゆとおい風車の
塔2018年10月号 十代・二十代 特集
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