とら~ぬの考える「プロ」

今日は10/26。プロ野球ではドラフト会議が行われた。今年も各球団が個性豊かな選手を指名し、百名近いプロ野球選手が誕生した。最初から大衆の耳目を集めて活躍していくスター性たっぷりの選手もいれば、地道に力を蓄えて大きな花を咲かせる選手もいる。逆に鳴り物入りで入った割に鳴かず飛ばずになる選手も、結局注目されないままひっそりと消えていく選手も。

よく「プロにはなってからがスタートライン」という意見を耳にするが、これはその通りだと思う。これについては「なってからの結果がすべて」という意味もあるだろうが、「なったことに対する責任」という意味も含まれていると思う。

今回はそれを踏まえながらとら~ぬの考えるプロについて少し書いてみたいと思っている。


1.プロへの道~野球・プロレス・剣道・麻雀~

なぜこの4つを並べたかというと単純に自分が書きやすいからなのでさほど気にしないでほしい。

まず一般的にプロ野球の道は高く険しい。「地元で一番」が「県内で一番」に淘汰され、さらに「地方で一番」が淘汰され、さらに各地方で言われる「全国No.1」たちが切磋琢磨し野球のみに没頭して・・・。それでもなれたりなれなかったりなれなかったりするのがプロ野球の世界だ。

そこからもまた競争だ。競争に次ぐ競争で一定程度の記録を遺せる選手というのはごくごく一部。それが現実である。これは「グラゼニ」辺りに詳しいので是非通読してほしい。

次に私の数ある趣味のプロレスを例にとってみる。各団体の道場に入門し、練習生として厳しい練習に耐え、ようやくデビューできる。ここまではプロ野球に近いが、プロ野球と対比して書いたのはバックグラウンドの多様性にある。例えばWWEで活躍する中邑真輔や私が最も尊敬するレスラー三沢光晴のようにゴリゴリのレスリング出身の選手もいれば、小川真也のような柔道や天龍源一郎のように相撲等の武道系統から、大日本プロレスの関本大介(明徳義塾野球部出身)のように全く関係のないスポーツ出身の選手もいる。そこから各技を生み出したり、高いレスリング技術、あるいは個性のあるキャラクターで売れていくのがプロレスの主な進み方だろう。

今度は私が長年続けてきた剣道を見てみよう。剣道の世界で「プロ」と呼ばれる人はいないが、剣道界でいえば警察官の中でも「特錬」と呼ばれる部隊がほぼ同義で良いと思っている。その特錬の中でも警視庁、神奈川県警、大阪府警辺りが特にハイパーエリートと呼ばれる世界といえよう。毎年11月3日に行われる各都道府県の代表で競う「全日本選手権」の優勝者を見ても少なくとも6割はこの3つのどこかが出身だと思う(例外もいるが)

警察に入らない剣道勢は教員となって部活動の指導をしながら研鑽したり、剣道部のある実業団(強豪で良く知られるのはパナソニックや東レ、三井住友海上、ALSOK辺りだろうか)に入部するのが一般的な道だろう。最近は収入というか未来生活の安定感からこちらを選択する強豪選手も多い。昨今では20歳で全日本ベスト4にもなった中央大の梅ケ谷選手がゼロックスに入社したのはちょっとした話題にもなった。

ここまで来て麻雀の世界だ。一般的に言えばプロテスト(筆記・面接・実技)に受かればプロとして名乗ることができるが、剣道との共通点でいえば「それだけで給料は発生しないどころかマイナス」という点にあるだろう。会費とリーグ戦に対する対局料でそれなりの経費になるため、人にとっては悩みの種でもあるだろう。この「テストに受かれば」という点からもわかる通り、雀荘のメンバーや教室の講師だけではなく、枚挙にいとまがないほど多種多様な業界からその道を目指したり、兼業しながらプロ生活を送っている人が大半だと思う。ここについてはある種プロレスにも共通しているかもしれない。


2.「プロ」であることの責務

一般的にプロの世界というのは最低限その業界では注目の的になることが多い。もう少し広くなれば世間の注目を集めることになる。

分かりやすく言えば業界雑誌はもちろんのこと、他の活動が注目されたり、最近でいえばYouTubeが当たった人も少なくない。

本日私がTwitterに書いた持論がこれだ。

簡単に言えば「プロ」がプレー面でほかのアマチュアより長けているのは当然なのだから、よりほかの面でも意識されることも必要であると考えている。まあ、これが悪い方向に転ぶことも少なくないのだが・・・

プロである以上はどんな形でもいいから業界に貢献しようとするのが最低限だと思っている。「自分だけが」という時代がもう終わったのだ。プレーで引っ張る、というタイプがいてもいいとは思うが、今度はそのタイプを表に出していく「プロモーター」タイプを加えていく必要があると思う。わかりやすく言えばデビュー当初のオカダを伸ばすための外道辺りだろうか。

これにスキルが伴ってくると「インフルエンサー」になる。インフルエンサーになるには本人のカリスマ性もそうだが、実績やキャラクター等、それを支えられるだけの土台が必要なケースが多い。

私はプロである以上はこのどちらかを目指してほしいと思う。単なるプレーヤーで終わるのはもったいないというか、なる意味がないと思う。極端なことを言えば、アマチュアでも技術を突き詰めることは少なからず可能であるからだ。もちろん難易度の差はある。とはいえ、昨今情報を集めることは可能であるし、創意工夫を重ねれば現実問題難しいことではないと思う。


3.おわりに

おわりに、なぜこのような記事を書こうかと思ったかだけ簡潔にまとめておこうと思う。

1番大きいのはプロ以上にプロ意識の高い人たちを沢山見てきたからだろう。これは言うまでもなく麻雀業界の話だ。

正直キャリアの問題といえばそれまでのケースも散見されるが、そうでないケースもいくつかある。なる以上は相応の責任があるということをどうか知っていてほしい。それだけが一アマチュアの願いである。

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