30 Day Song Challenge Day 28

Day 28 A song by an artist whose voice I love(声が大好きなアーティストの曲)

〇THE OVER/UVERworld

もちろん他にもいろいろいますよ。音楽なんて歌ってる人の声が好きだから聴いてるようなもんです。大半のアーティストの声が好きです。でもあえてその中から一人だけ選ばなくてはいけないのだとしたら、栄えあるこの人の声が大好き選手権第一位は、やっぱりこの人になるのかな。TAKUYA∞さんです。
UVERworldから2曲目になりますけど、普段からそんなに熱心にUVERを聴くというわけでもなくて、ぽつぽつと気に入った曲をたまに発掘しては気まぐれに聴いているという調子です。この曲はたまたま好きでよく観ていたテレビドラマの主題歌になっていたので知りました。これもまた詞がいいんだな。尾崎と似てるかもしれないですけど、ちょっと大げさな歌詞でものってる声がいいと説得力があるんですよね。恥ずかしくならずに聴けるというか。

ド頭の「最後まで」のというフレーズの発音からしてもうすでに違うんだな。長く伸ばす母音の発音が、どうしていつもこんなに切実に聞こえるのか。次の「何もかも」ではその切実さがより強くなり、そのあとの「何もないのに」で爆発するという、音楽理論とかあんまわからないけどこのベタな進行にやられてしまう。あと、UVERの曲ってわりと音に対して言葉が多いイメージがあるんですけど、ちゃんと音の中に入りきるように発音していながら、変に早口になったり走ったりしていないのが毎回すごいなと思っています。カラオケで自分で歌おうとすると、言葉を入れることに精一杯になってしまって余裕がなくなるんですよね。こんなにもさらっと歌っているの、プロだなと思います。さすが。
あと長母音以外でいくと、「できるだけひとりで生きてきた」の「と」とかやばくないですか。この「と」に「ひとり」という言葉の持つニュアンス込めたいニュアンス全部込められている気がする。ひとりでいることのヒリヒリするような痛みとか、でもそうやって傷つかないで済んでいることへの安心とか、たまにこみ上げてくる理由のわからない涙とか、そういうの。関係ないけど「君の好きなうた」の「好きだよと」の「と」も同じ匂いがしますね。

詞について触れていこうと思います。これも孤独を歌った名曲。前も書きましたけどUVERは孤独のプロ、本物の孤独歌詞製造機だなと思っています。「こんな時代でありのままで生きていけるわけなんてなかったし」とか。「テレビの中の俳優や大富豪やビッグスターなら君を満足させるだろう」とか、ちょっといくら何でも悲しすぎるという気がする。一回絶望してる人の意見。でもUVERはこれで終わらないところがすごくて、ちゃんと盛り返すんですよね。「君だけが離せな」くて、「ひとりじゃないと理解してしまった」時に涙が出てしまったこともちゃんと書き込んでいる。人間の心の複雑であることも、空模様に映して書きとっている。
ボートに乗ってて、君が漕いでて、僕は漕いでないわけですよね。目的地は見えてなくて、でもそれでもいいって、さっきまで孤独で絶望してた人間が急に言うわけです。「どこにたどり着いたって/たどり着かなかったとして」ってめっちゃ愛ですよね。孤独なのに愛することを忘れてないのがUVERのすごいところ。もらえてなくても与えていくというキリスト教のような精神性。右の頬を打たれたら左の頬も差し出しそう。

UVERworldのUVERはたぶんoverから来てると思うんですけど、この「誰もが自分を超えられる」というメッセージがこのバンド名に込められた思いなのだとしたらエモすぎて泣けてきてしまう。孤独も超えられるし、時の流れにしたがってすべては姿かたちを変えるし、自分もいつか自分じゃないものになっていく、それは救いであるという圧倒的生の肯定メッセージ。
さあ、すべてを超えよう。UVERworldと一緒に。