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CDコピーの作業紹介

こんにちは
トランスミックスの🍤です。

冬コミ開催まもなくですね。
トランスミックスも少しづつプレス案件が来ています。

さて、コミケに限らずM3やコミティアでもCDプレスではなくコピーを選択している方を最近周りでよく見ます。
そこで今回は弊社での「コピー案件の作業紹介」をできればと思います。


そもそも「プレス」と「コピー」の違い

コピーの紹介の前に、
「じゃあそもそもプレスって何?」
「プレスとコピーの違いは?」
という話からしますね。

<プレス>
・いわゆるお店でよく見るCD,DVD,Blu-ray
・国内外のプレス工場にて製作される。
・マスターデータ形式は「DDP」「CDDA」「ISO」など。
・盤面の印刷は「オフセット印刷」「シルク印刷」が可能。
・「白ベタ」と呼ばれる下地のありなし、部分的に抜くなどができる。
・製造に平均1週間かかる。
・1000枚単位など大量に作るのに向いている。
・「デジパック」など特殊な形態も対応可能。(納期はその分伸びます)

<コピー>
・いわゆる家電量販店で見かけるCD-Rのような見た目。
・自宅など個人で製作できる。
・マスターデータ形式は「CDDA」「WAV」「MP3」など。
・盤面の印刷は基本「インクジェット」。
・「白ベタ」がすべてある。ウォータープルーフという光沢の盤面もある。
・枚数やセット内容によるが、当日など最短で製作可能。
・1枚~500枚など少数作るのに向いている。

簡単に両者の違いをまとめるとこんな感じです。
「白ベタ」とは盤面に塗布できる色ベタで、
これを敷くことでオフセット印刷の発色を目立たせることができます。
逆を言えば白ベタを敷かないと下の「銀盤」が透け、印刷も銀盤の光沢が見えます。

また、コピーのメリットとして
・1枚から小ロットで必要数だけ都度作れる
・最短、当日受け渡しの短納期で作れる
・プレスより低コスト

あとよく問い合わせでもあるのが
「コピーのマスターはどうやって作ればいいのか?」
「マスターがこれでちゃんとできているのかがわからない」
というものです。
それについても後ほど説明しますね。

①コピー案件の依頼、準備するもの

弊社では「お問い合わせフォーム」「電話対応」にて依頼をすることができます。その際にオーダーシートを記入いただきます。
基本的に依頼する際は
・マスターデータ(CDDA、WAV、MP3)
・盤面データ
・あれば印刷物データ
を準備いただきます。

下記からオーダーシートダウンロードできます。

②盤面印刷をする

CD盤面専用の印刷機

さて、我々が最初にするのは盤面のコピーです。
弊社ではCD盤面専用の印刷機を使用します。
これはパソコンで盤面のデータを読み込み、CDをセットすれば一度に最大で
100枚を一気に盤面印刷できます。

やれることも様々で
・CDの印刷範囲の調整
・簡単な文字程度なら入力可能
・速度調整(早いと精度は落ちますが、文字程度なら問題は少ないです。)
などできます!

といっても100枚を1枚づつコピーするのと、100枚以上になるとその都度入れ替えが発生します。(もっと高い機材だと入れ替えも自動でしてくれるらしいです。)
大体平均100枚で1時間程度なので時間はかかります。
盤面を機械に任せている間にマスターの準備をします。


③マスターの準備・製作

お客様から「CDDA・ディスクアットワンス形式」でいただければそのままマスターとして焼く準備ができます。
「CDDA」はマスターデータの種類の一つです。
「ディスクアットワンス形式」とは簡単に言うとデータをこれ以上上書きできないようにする処理のことです。

…ほとんどの方は「なんだそれ?」ですよね。
なので弊社では別料金で「マスター制作」も代行可能です。
その場合はWAVデータを頂きます。
とはいっても「別料金なら自分で…」という方もいると思いますので、
一般的に流通してるソフト「iTunes」「メディアプレイヤー」でマスターCDの制作のやり方の大枠を教えます。

<iTunesの場合>
①「新規プレイリスト」を作成し、CDにする曲を入れる
②プレイリストを右クリックし「プレイリストからディスクを作成」を選択
③「ディスク作成設定」のウィンドウが出るので
 ・推奨速度:4倍
 ・ディスクフォーマット:オーディオCD、曲の間隔にチェック
④「ディスクを作成」をクリック
 (自動でディスクアットワンスになります。)

<メディアプレイヤーの場合>
①整理タブからオプション→書き込み
②書き込み速度を「低速」にして適応、OKを押す
③右側の「書き込み」タブにCDにする曲を入れる
④右上のチャックマークアイコンから「CDオーディオ」を選択
⑤「書き込み開始」をクリック
 (自動でディスクアットワンスになります。)

マスターができたら、いよいよ焼く作業です。

④ディプリケーターで焼きこみ作業

ディプリケーター

盤面印刷が終了したCD、こちらを次はディプリケーターで焼きこみ作業をしていきます。
こちらはマスターを入れれば最大10枚を一度にコピーできるデータ焼きこみの機械です。
マスターデータの保存・焼きこみが正常に行われたかのチェックも機械で可能です。


⑤ケースなどに入れる作業

今弊社でできるコピーの基本セットは

・窓付き紙ケース
・不織布
・裏面のり付き不織布
・5mmスリムケース(オールクリア)
・5mmスリムケース(シボ)
・7mmマキシ(オールクリア)
・10mmジュエルケース
・2枚組10mmジュエルケース
・メールケース(オールクリア)
・メールケース(シボ)
・トールケース
・トールケーススリム
・印刷物のセット
・OPP包装
・キャラメル包装

が対応可能です。(書いてて思いましたが多いですね。。。)
ここにない仕様でセットをしたいというご相談も承ります。
ジャケット等の印刷物の入れ込みも別途受け付けます。

⑥納品

セットが完了したら納品準備をします。
枚数にもよりますが、発注数にプラスで予備を数枚つけます。
ヤマト運輸のほかに福山通運での発送も可能です。
準備ができたら追跡番号を連絡します。

⑦トランスミックスで対応できるもの

・中身の種類を変えて複数作る
・盤面にQRやシリアルによるナンバリング印刷(※別途費用がかかります)
・盤面印刷だけも対応可

以下は担当したコピー案件の例です。

仕様①:メールケース(オールクリア)+ジャケット印刷+ディスク逆装填
開けた画像
裏面


まとめ

いかがだったでしょうか?
私もM3に出展する際はコピーが主になってます。
コピーと聞くと「品質が落ちるのでは?」と自分も思ってました。
確かにプレスと比べてオフセット・シルク印刷ができないという点では見た目の差が出るとは思います。
ですが、それ以外の音質やセット内容に関してはそれほど変わりを感じにくいと実感してます。
むしろ、少数製作なので資材さえ自分でそろえれば「オリジナリティ」は出しやすいと思います。

例えば
・紙ケースにサインやシルクスクリーン印刷をする。
・Fabスペースでケースに彫刻やUV印刷をする。
・デザインにあえて手書き部分を作り、一枚づつ手書きする。
など。

社内でもセット内容や仕様の試作を作ってます。

なのでそういったアイデアはお客様や我々の発想次第になると思います。
弊社も皆様のアイデアをお待ちしてます。
そしてそのお手伝いができればと思います。
冬コミ、M3受付も近づいてますので、一緒に良いものを作っていきましょう!


🍤

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