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「盤とギア 第1回」

【はじめに】
かねてからやってみたいことの一つに、音楽や機材に関する書き物をすることがあった。

この記事は、そういうことをしたいと思いつつ、「はて、何を書こうか?」といつもなってしまったり、自分の浅薄さに悶絶して、長らく一歩を踏み出せなかった機材好きの一サンデーギタリストが「自分の好きな音源」「その音源でフィーチャーされている(されていると考えられている)機材」について私的に紹介・考察するものである。

〜盤とギア 第1回〜

slint「spiderland」とBOSS「HM-2」

1.slint「spiderland」について
<盤概要>
1991年3月27日リリース。アメリカはケンタッキー州ルイビルのバンドslintの2枚目のアルバム。ポストロックやマスロックの元祖とも言われるアルバムでmogwaiやgy!be等、後続に多大な影響を与えた。詳しい情報は既にドキュメンタリーがあったりして、考察も多いカルトなアルバムなので、ここでは割愛させていただく。

<出会いと影響>
時は2010年、高校時代バリバリにオルタナ〜ポストロック(ナンバーガール〜残響ムーブメント+それらのルーツ)の薫陶を受けた僕は都内某大学に入学し、軽音サークルに所属した。その軽音サークルの先輩から「君の好きな音楽の源流がコレには沢山あるから必ず聴きなさい」と勧められたのが出会いだったと思う。
初聴の感想は「地味だし歪みの質もなんかメタリックだな」と思ったが、後続に影響を与え続ける肥沃な沼にハマるのに、そう長い時間は必要なかった。
特に「一音、一フレーズの大切さ」「5,7,12フレット以外でハーモニクスを鳴らすフレーズ生成」は自分のギター演奏に非常に強い影響を与えたと思う。
M6のイントロで登場する押弦した左側(指板側)で弾く奏法も非常に衝撃だった。↓0:20〜あたり

2.BOSS 「HM-2」について
<ギア概要>
BOSSから1983年〜1991年の間、発売されていたディストーションペダル。もちろんターゲット層はその名の通りであったが、buzz-sawとも評されるキャラクターでシューゲ・オルタナ界隈にも愛用者が多いのは有名な話。

<「spiderland」における「HM-2」>
恐らく作中通して歪みパートの大部分がこのHM-2だと考えられる。特にM-2のハーモニクスのメインリフやM-1,6のディストーション部分にそのキャラクターを感じることが出来ると個人的には思っている。ギタリストのdavid pajo本人は他にDODのamerican metalも使っていたそうで、どのような使い分けがされていたのか、個人的には非常に気になるところ。
ちなみに音作りのコツはHIGH-LOWのEQが相互に影響するような感じになっているので、EQを同じ向きに揃えないと良い感じになります。

↓特にハーモニクスの出方にこのペダルのキャラを個人的には強く感じる。

3.まとめ
ということで第1回はマイフェイバリットの一枚、slint「spiderland」とBOSS HM-2について書きました。あと個人的に思うのは、現代における轟音の生成法として、「ファズ(とりわけビッグマフ)」を用いる方法が多く好まれる印象を受けるのですが、HM-2のような「ハイゲインディストーション」を用いるとファズ(マフ)のそれとは変わった趣になるので、もうちょい流行ってもいいのにな〜、なんて思っています。

それではまた次回。

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