EXOSSーLOST TIGERーエグゾス―失われた秘宝―
序章「再び立ち上がるその時まで」
たとえ世界が滅びる運命にあろうとも、私は人類を平和と調和の時代へと導く覚悟がある。
その信念を片時も絶やすことなく燃やし続けることは果たして本当に不毛なのか。
数秒にも満たないほんの一瞬の疑問が心の揺らぎとなって、今まで維持し続けてきた集中力にわずかながらの隙を与えた。
それを見逃さなかった敵は誰も追い付けない瞬間的な予備動作に加えて自身の「気」を左手の掌でルヴ王の脇腹に触れることすらなく打撃を繰り出した。
体内で凄まじい重量の圧迫