最終浅草行区間快速の中で
2017年3月福島県会津田島駅から最終浅草行区間快速に乗った。
会津鉄道会津田島駅と東武鉄道浅草駅を結んだ区間快速もこの列車で終わり。
会津田島駅には誇らしく"歓迎特急リバティ会津"の横断幕が掲げられていた。地元の期待の大きさが分かる。
明日からは特急が走り始める。
快適にはなるがオタクには物足りない。
この小さな2両編成。
途中で連結を2回して浅草につくときには6両編成。
私鉄なのに国鉄の雰囲気が少しある車内。
独特のコンプレッサーの音。
誤乗車防止のために車内にもある方向幕。
会津線の激しく揺れる短尺レール区間を抜けて。
会津高原尾瀬口につく。
野岩鉄道線内に入り,トンネル区間が多くなる。
ゴーという音を立てて
加速と減速を繰り返して
駅に止まる,駅を発車する。
この先の南栗橋まではまだ明日からも同じ形式の車両に乗れる。
しかし,区間快速という文字,快速という文字はもう見れない。
浅草駅まで直通して,乗車券のみで乗れるのはこれが最後。
沢山のトンネルを80km/h近くの速度で駆け抜けて。
桜が咲くにはまだ早く,山に残雪が残る3月。
山を抜けて平地へと向かう。
新藤原につく。
ここで前2両を増結して4両編成となる。
乗務員も野岩鉄道から東武鉄道へと交代する。
新藤原を発車して30km/hぐらいのゆっくりした速度で鬼怒川温泉へ向かう。
さっきまでの80km/hとは違って,ゆっくりカーブを抜けていく。
キィーという甲高い声を出しながらゆっくり鬼怒川温泉へと向かう。
鬼怒川公園を出て鬼怒川温泉につく。
鬼怒川温泉と下今市の間には7月にはSLが走り始める
レトロな雰囲気な駅舎へと変貌する
鬼怒川温泉を出て,下今市に向かう。
各駅に止まって。乗客を乗せて
車内が混んできた。
さっきよりは少し早いぐらいの速度で。
大谷川を跨いで。
下今市につく。
前に東武日光からの区間快速を2両連結する。
ようやく6両編成になった。
ここから新大平下まで各駅に止まっていく。
速度を上げて。
沢山の乗客を乗せて。思いも乗せて
夕日が沈んでいく。
新鹿沼で下り最終の浅草発区間快速会津田島行・東武日光行と離合。
東武鉄道線内の区間快速の文字を掲げた,車両同士の離合もこれで最後。
下り最終区間快速列車には東武・野岩・会津鉄道の車両が有終の美を飾るように充当された。
新大平下につく
ここからは快速として,モーター音を響かせて駅を飛ばしていく。
速度を出して。
駅を通過していく。
板倉東洋大前に止まり。発車する。
明日から毎日止まる南栗橋を駆け抜けて。
東武動物公園につくこ。
こから東武スカイツリーラインに入る。
もう外は真っ暗だ。
ライトを輝かせて,
長い10両編成に交じり,
銀色の車両たちに交じり,
最後の力走をする。
もう,停車することはないかもしれない。
春日部,北千住,東京スカイツリーに止まり。
浅草を目指す。
春日部駅で8000系を横目に,
北千住で地下鉄の車両たちを横目に,
甲高いモータ音を響かせて駆け抜ける。
もう,見ることのできない東京スカイツリーを見て,
最後はゆっくりとした速度で
浅草駅に着いてしまう。
もう,終わり区間快速11年,快速52年の長い歴史が終わる。
明日からは新しい歴史が始まる。
沢山の人をおろして,
回送として浅草駅を後にする。
快速・区間快速専用の5番ホームはもう使われない。
沢山の人に見送られて。浅草を後にする。
涙の代わりに警笛を鳴らして。