2021年12月のポートフォリオレビュー。個別銘柄のコメント付き。
🌸 始めに
この記録は私自身の記録としてまとめています。まとめることは投資を考える上で非常に役立ちますし、それを公開することで個人投資家の方々に多少なりともヒントになればと思っています。
毎月ポートフォリオを残すという作業は、すでに10年近くになります。しばらくはローカルで残していただけでしたが、3年前ぐらいに別ブログで公開を始めて、今はこのnoteで記録を残しています。
10年の間にパフォーマンスが良いときもあれば悪いときもあり、時には30%程度下落した月もありました。当時の記録を読み返すと、相場はいつでも勝てるわけではないし、間違いなく今後も同じ事が起こるということを再認識させてくれます。
My PFは2021年10月に史上最高を記録した後に11月に下落しました。12月も中旬までは下落を続けていましたが、その後は盛り返して月次プラスで終えることができました。
YTDでもS&P500をアウトパフォームすることができ、結果的には良い1年でした。
2021年も市場のタイミングを計ろうとして頻繁に売買するのではなく、優れた企業を見つけて株を買って、ストーリーに変化があるまでホールドするという手法だけで十分に利益を得ることができることを証明できました。
私の投資戦略は一時的な株価の変動を気にするのではなく、最高の企業に固執しています。半年後、1年後に市場がどうなるかは分かりませんが、保有企業の業績は問題ないことは明かなので、安心して眠ることができます。
特にハイグロ中心に投資をするのであれば、この程度の乱高下は正常運転です。日々の株価に一喜一憂せず、狼狽売りをすることなく、自身が信じた銘柄を抱いてリラックスすることが大事です。
🌸 2021年12月末時点のポートフォリオ
🌸 12月の取引
・新規買い
S
・売り
CELH、LSPD、UPST、DMTK
・買い増し
MNDY、CELH
🌸 Upstart(UPST)
市場の期待値が非常に高い中での決算となり、その期待値に応えられずに株価は大きく売られました。
決算発表後にポジションを減らして、現在は7%程度のポジションに落ち着いています。
決して悪い決算ではありませんでしたが、以下の理由によりUPSTのポジションを多くすることはリスクがあると判断し、ポジションを減らしました。
・SaaS企業ではないこと
・消費者向けであること
・マクロ経済の影響を受けること
決算の主要数字は次の通りです。
・売上高は2億2800万ドル(前年同期比250%増)
・手数料収入は2億1,000万ドル(前年同期比235%増)
の2億1,000万ドルで、これも3倍以上になりました。
・ローンの取引量は244%増
・営業利益はの2,860万ドル(前年同期比134%増)
・純利益は5,700万ドル(前年同期比367%増)
これらの数字からUPSTは成長が減速しているのではなく、プロダクトライフサイクルでいうところの「成熟期」に来ていると判断しています。このまま次の成長ドライバーである自動車ローンや住宅ローンでの収益化が始まれば、再度大きな成長カーブを創っていくんじゃないかと思っています。
これがポジションを残した理由です。
🌸 Tesla(TSLA)
12月中旬に$1000割ったタイミングで買い増ししています。12月だけでみると下落となりましたが、結果的に買い増しも出来たし、10月の窓も埋めてくれたので文句なしというところ。
今後は$1000以下で買うことは出来ないんじゃないかと思っています。
引き続きガチホールドで。
Teslaは単なる電気自動車の会社ではなく、電力ビジネスに大きな変革を企業だと思っています。
電気自動車だけでなく、太陽光パネルや蓄電池ビジネスなど、ハードウェアを売るだけでなく、ソフトウェアで電力市場で新たなイノベーションを起こそうとしています。単なる電気自動車を作る会社と捉えてしまうと、Teslaという会社を見誤ってしまうと思います。
🌸 Monday(MNDY)
MNDYはノーコード/ローコードのソフトウェアサービスを提供する会社です。
MA50を割って下落しましたが、引き続きストーリーに変化はないため買い増ししています。
GUI上でモジュールをドラッグアンドドロップでフローを構築し、ユーザーが独自のソフトウェアアプリケーションやワークマネジメントツールを作成することができます。このプロセスは、Work OSと呼ばれるオペレーティング・システムを介して、すべての作業がクラウド上で行われるというのがポイント。
TAMも巨大で、2020年には$56.1B、2024年には$87.6Bに成長し、4年間の年平均成長率(CAGR)は12%となっています。
11月に発表された決算も文句なしでした。この市場は競合も多いですが、その中で売上高95%増の成長を遂げている企業はありません。
その他の指標も素晴らしかったです。
・5万ドル以上の企業顧客数は613社で、前年同期比の185社から231%増
・NRRは130%で、前四半期の125%、前々四半期3月の121%から上昇
・売上総利益率は90%超
・営業利益率はマイナス11%(前年同期のマイナス72%から大幅改善)
🌸 Cloudflare(NET)
成長率50%程度でこれ以上の成長余地はないと判断して9月にトリミングしているのですが、その後も株価は順調に上昇している不思議な銘柄。
なぜここまで市場が評価しているのでしょうか?複数の知り合いのエンジニアや投資家と会話した結果、次の3つ
・インターネットの世界を変える可能性がある
・サービスのローンチスピードが半端ない
・エンジニアにとって、NETのサービスはめちゃ使いやすい
☘️ インターネットの世界を変える可能性がある
NETがAMZN、GOOGL、MSFTに次ぐクラウド事業者になる?かどうかは分かりませんが、Cloudflare R2の発表が少なくとも市場の投資家にはそう見えている可能性があります。
☘️ サービスのローンチスピードが半端ない
NETのビジネスモデルは、まずCDNを活用してNET自身がデジタルバリューチェーンを提供するプラットフォーマーとなり、そのバリューチェーンを流れるデータを活用し、市場にニーズがあるサービスを次々と発表しています。
データを活用して新たなニーズを生み出すことを実践しているのは、FSLYやAKAMに比べても非常に優れている。
☘️ エンジニアにとって、NETのサービスはめちゃ使いやすい
NETはFSLYやAKAMに比べてもAPIが豊富で、APIを使ってやりたいことが全て可能であり、この点がエンジニアにとって非常に好まれている。
12月に株価は大きく下落し、ようやくお祭り終了でしょうか。すでにポートフォリオに占める割合も大きくなく、ストーリーに変化もないため引き続きホールド予定です。
🌸 Celsius Holdings(CELH)
11月に株価が大きく下落したあとに、12月はダブルボトムを形成してMA200を超えてきました。1月もこのまま上昇して、MA50を超えてほしいところです。
🌸 ZoomInfo(ZI)
購入理由はなんと言っても業績の良さですべての指標が右上へと加速していること。過去の前年同期比成長率は40%台前半を推移していたのですが、直近は48%→57%→60%と加速しています。
・顧客数は2万5,000社を超え、10万ドル以上の顧客数は1,250人超。
・グローバルも成長しており、売上高は前年同期比80%以上と伸長。
12月も買い増ししています。長期的に見ればまだまだ過小評価されていると感じています。
🌸 SoFi Technologies(SOFI)
SOFIはフィンテック企業で、当初は借り手に個人ローンや学生ローンを提供することに特化していましたが、今ではビジネスを拡大し幅広い金融サービスを提供しています。
11月に続いて12月も下落しています。国立銀行の承認待ちという状況ではあるものの、コロナの影響で学生ローンの支払いを長期的に停止するという話も出てきており、SOFIにとっては我慢が続きそう。
🌸 Amplitude(AMPL)
AMPLの詳細については上記スレッド参照のこと。
まだまだ小さな会社で、四半期の売上高は4,550万ドル程度とはいえ、前年同期比で72%と成長が加速しています。
小さな会社への投資はボラティリティ含めてリスクも大きいわけですが、AMPLは元IBM社長兼RedHat CEOのJim Whitehurst氏を取締役に任命するなど、市場からは堅実な会社と見られているようです。
最近、Snowflakeとの統合を発表し、「Snowflakeを利用しているユーザーであれば、数クリックでAMPLの利用が可能になる」ことを発表しています。この統合により、インサイトを得るまでの時間を数日から数分に短縮することができ、投資に対するリターンを最大化することができるとのこと。
🌸 CrowdStrike(CRWD)
今までMy PFで最大の割合を占めてましたが、9月にトリミングを実施しました。理由は、会社が大きくなりすぎたことと、競争激化による成長の鈍化です。
前回決算も悪くはなかったんですが、サプライズというほどでも無く普通に良い決算という印象。
70%もの成長に失望したのかと思う方もいるかもしれませんが、私は失望しました。少なくともMy PFのトップの銘柄では無くなったので大きく削減しました。
🌸 DataDog($DDOG)
Datadogは、インフラ監視、アプリケーションパフォーマンス監視、ログ管理を統合・自動化し、可視化するプラットフォームを提供しています。
12月に軒並みMA50を割る銘柄が多い中で、しぶとい動きをしてくれました。
DDOGは数年前に保有していましたが、2020年に減速の兆しを見せたタイミングで売却、2021年に成長を再加速させたことを確認し再INしています。
🌸 Snowflake($SNOW)
グロース銘柄が軒並み下落する中、SNOWも下落はしたものの11月のATHからわずか-16%しか下がってません。
Snowflakeは、AWS、Azure、GCPの3大クラウドサービス上でデータウェアハウスプラットフォームを提供しています。一度セットアップすれば、マルチクラウド環境でシームレスにシステム拡張することが可能となります。
クラウド上でデータを管理するために必要な運用オーバーヘッドを最小にできるという点だけでも、SNOWのサービスを利用する価値は大きいです。
直近の決算も文句なしでした。
売上は3億3400万ドルで前年同期比110%、前四半期比23%増
製品売上は3億1250万ドルで110%増
総顧客数は5,416社
売上高維持率173%
売上100万ドル以上の顧客は148社で前四半期比128%増、前四半期比では116社から28%増。
来期の製品売上のガイダンスは96%増と発表していますが、おそらく100%を超えることになると思います。
🌸 SentinelOne($S)
SentinelOneはまだ上場企業としてはまだ2四半期しか経っていない若い企業で、前四半期比の売上高成長率は他のSaaS銘柄と比べても圧倒的な成長率を誇っています。
売上は5600万ドル、前年同期の2460万ドルから128%増
過去6四半期の収益成長率は、前年同期比96%、103%、97%、108%、121%、127%とリニアに成長。
ARRは、前年同期の1億300万ドルから131%増の2億3,700万ドル
総顧客数は、前年同期の3350社から75%以上増加し、6000社超
ARR10万ドル以上の顧客は、前年同期の173社から416社へと140%増加
ドルベースの純収益維持率は、前年同期の115%から130%となり、過去最高を更新
My PFのどの企業よりも非常に不採算だという点は注意が必要です。今後、収益性に向けて前進を続けることが特に重要です。
ただし、非GAAP営業損失マージンが、2021年第2四半期の-98%から直近四半期には-69%へ。非GAAPベース営業費用の対売上高比率は、2021年第2四半期の161%から直近四半期には136%と、正しい方向に進んでいると判断し購入しました。
🌸 Zscaler($ZS)
Zscalerは直近決算が非常に良かったのですが、株価は下げたので購入しました。
🌸最後に
私は楽観主義者なので、パンデミックは2021年後半には落ち着くだろうと思ってましたが大間違いでした。
世界でオミクロン株が猛威を振るい、感染者の増加が深刻化しています。
そんな中、世界は目に見えて変化していきています。デジタル化が進み、メタバースがNext Techとして大きな注目を集めています。
働き方も大きく変化し、仕事や職場に縛られなくなり、さらに「仕事のために生きること」の意味も変化しました。
このような大きな変化が起きる中で、何が正しくて何が間違っているのかが分からない、そんな2021年だったように感じます。
2021年の金融市場は、米国株式も仮想通貨も悪くない年でした。
年末に大きな売りがありましたが、YTDで見ればハイテク株や仮想通貨資産を保有していた投資家は大きな利益を得たのではないでしょうか。
私のポートフォリオが今後どうなるかは全くわかりませんし、株価の予測も苦手です。
ただ一つ言えるのは、力強く成長していて自身が信念を持って保有できる企業に投資することは、私にとって安心して眠ることができる投資法だということだけです。
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