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2024年7月度 日経平均中期的展望

金融政策、マクロ経済観点で日経平均株価の中期的な方向性を考察しています。
※太文字が更新箇所


8月2日執筆
※あくまでの更新時時点でのシナリオであり、環境が変わればシナリオを更新していく必要があることをご留意ください。

【7月~8月 日経平均中長期的展望】

もみ合い~やや弱気
メインシナリオ:
最高値から20%下落し、中期的にも一旦はリバウンドしやすい。しかしその後はまた売られる可能性が高い。

サブシナリオ:
日足レベルでのリバウンドが弱く34000を割り込む下落に発展する。

【S&P500の直近の季節性、歴史的傾向】
7月(+1.21%)~8月(-0.02%)年間を通すとパフォーマンスのよくない期間

【日経平均の直近の季節性、歴史的傾向】
7月(+0.19%)~8月(+0.61%)年間を通すとパフォーマンスのよくない期間

【NYと世界市場】

米国株価指数の注目ポイントは2024年に何回の利下げが行われるかが注目点なわけだが、現在のところ2~3回がコンセンサスになっている。各経済指標からは米国経済は堅調でありソフトランディングをほぼ確定したというのがコンセンサスであったが6~7月分の指標からは急速に減速しており、季節性も相まってリセッション入りが意識され始めた。
特に失業率の上昇がリセッション入りを意識させており、1月の3.7%から0.6%上昇している。歴史的に失業率は上昇が始まると急騰する傾向があり、同時に急騰するとリセッション入りすることが知られており、4.3%からさらに上昇するとなると警戒が必要な水準である。
上記のような理由から長期金利は急落しており逆イールドの解消も意識され始めている。これもリセッションが意識される要因になっている。
その他、経済全体でみるとまだ堅調なため業績相場への転換が試されていたわけだが、7月後半から始まった企業決算ではAI関連企業決算の次期ガイダンスの見込みが弱くAIブーム継続は瀬戸際に立たされていると言っても過言ではない。

米国失業率

明確なポジティブ材料としていた大統領選だが、大統領選後に株価が上昇しやすい傾向はたしかであり、11月~2025年1月は株高が期待できる。ただし、7月につけた最高値を更新できるかどうかは不透明である。

まとめると、サマーラリーは終了し夏から秋の調整期間に突入した。日柄的に大統領選後はリバウンドが期待できるが上昇の値幅は限定的になることも念頭におくことにする。

【日本市場】

ドル円:
トランプ候補暗殺未遂後から円高が開始しレートは急落。30日の日銀決定会合からさらに下落幅を拡大させている。5~7月前半ではドル円と日経平均の相関率は弱まっていたが、双方ともピークアウト後は急落している。

マクロ経済:
7月30日の日銀政策決定会合で実質15bpの利上げと国債買い入れの減額(6兆円→3兆円)が実施された。また、会見では今後も利上げに対して前向きと取れる発言があり、会見後日経先物とドル円は急落している。このことから、大規模金融緩和による日本株価指数の長期上昇トレンドが終了した可能性も念頭に入れる必要がある。

まとめ:
日本の株価指数は米国や欧州各国の株価指数の値動きを明確にアンダーパフォームしており、夏から秋にかけては底値を探りにいく可能性が高い。
季節性を考慮に入れたリバウンド局面での短期的な買い方針はありだが、利上げフェーズに入ったことを考慮すると指数や値嵩株の長期保有には慎重にならざるを得ない。
目先は34000が一旦の底値になるのかどうかを追っていくことになる。

日経平均現物株価3カ月チャート:
カップの把手部分生成フェーズに入ったことがほぼ確定的になった。
カップの底値となり得る価格帯(テクニカル)
34000
30000
25000

#日本株 #日経平均 #米国株

免責事項:
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