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米国留学する際の準備事項①(ビザ、NY Bar受験資格、銀行)

2021年に米国New Yorkのロースクールに留学した際に日本でやった必要事項を備忘録的にまとめました。全ての項目が網羅されている保証はなく、2023年時点で変わっている項目もあるかと思いますが、準備の際の参考になれば。

弁護士事務所所属の弁護士がロースクールに留学した前提でのToDoリストになるので、(特に税金周り等は)企業派遣で留学される方とは違うかもしれません。

①ビザ関連

何はともあれビザの取得が必要です。F-1ビザを取得することになりますが、証明写真のサイズが他で使うものと違うのと、戸籍謄本が必要になるので、本籍地が居住地から遠い場合には(郵送等での申請に時間がかかるので)早めに手続を進めた方がよいです。

②NY Bar受験資格証明関連

NY Barを受ける場合には、日本国内で様々な書類を準備しておく必要があるので、こちらも進める必要があります。なお、合格後登録の際にはまた同じような書類を集める必要があります。。

  1. NCBE Numberの取得(https://portal.nybarexam.org/

  2. BOLE IDの作成

  3. 各種証明書類の送付

    1. 大学・大学院の成績証明書

    2. 司法研修所の成績証明書(申請フォームはFaxで取寄せ)

    3. 日弁連の登録証明書

    4. 登録弁護士会の登録証明書

③銀行等関連

早めに米国側で銀行口座を開設し、生活資金を日本から送金する必要があるので、関連の手続をしておく必要があります。かつてはFX口座+Prestia銀行口座を使った送金がベストプラクティスだったようですが、現時点ではRevolutを使った送金(本項目の最後に説明あり)が最も簡便でコストもかからないようです。

  • SMBC信託銀行(Prestia)の口座開設

    • (日本の銀行口座から送金する場合)送金手数料の安い銀行口座を開設しておく必要があります。Perstia Goldの要件を満たすのであれば、海外電信送金手数料はかからないのでPrestiaがおすすめです(https://www.smbctb.co.jp/executive/gold/services/fees.html)。

  • FX口座の開設/ドル転

    • (日本の銀行口座から送金する場合)銀行口座で円→ドルに替えるとレートが悪い(かつ取扱手数料を取られる場合もある)ので、FX口座を別に開設し、そちらでドルに替えて国内銀行口座へ出金→国内銀行口座から海外銀行口座に送金するのがおすすめです。

    • 当時はMoney Partners(https://www.moneypartners.co.jp/)で口座開設しましたが、出金手数料がかからず、スプレッドが小さいFX業者であればどこでもよいと思います。

    • いずれにしても為替レートを見て円高気味のタイミングでドルに替えるのがお得ですが、タイミングが難しいと思うのであれば、半年前くらいから定期的に少しずつ替えていくのもいいかもしれません。SBI FXトレード(https://www.sbifxt.co.jp/)等、積立設定ができるFX業者もあります。

  • 証券口座

    • 日本で証券口座を持っていると、現在の保有有価証券を売却した上で、出国届出書を提出し、常任代理人を選任しておく必要があります(SBI証券による案内はこちら)。

  • Union Bankの口座開設(2023/4/4以降不可)

    • 以前は、三菱UFJ銀行がUnion Bankの口座を日本国内にいながら開設できるサービスを提供していたのですが、Union Bankの売却に伴い、サービスを終了してしまったようです(https://www.bk.mufg.jp/tsukau/kaigai/kouza/us/index.html)。

    • そのため、現時点では米国銀行口座を日本国内にいる間に開設してから出国することはできなくなっています。

  • 銀行口座からの送金以外の送金手段(Revolut)【おすすめ】

    • Revolutという資金移動サービスがあり、非常に簡便に円からのドル転や海外送金が可能ですので、現時点ではこちらのサービスを使うのがおすすめです。

要注意なのは、Revolutへのチャージは①クレジット/プリペイドカードによるチャージと②口座振替/VISAデビットカードによるチャージがあるのですが、銀行口座への送金が可能なのは②口座振替/VISAデビットカードによるチャージ分のみです。また、1回の取引限度額が100万円までになっているため、それ以上の金額を送金する際には、複数回に送金を分ける必要があります(VISAデビットカードによるチャージの場合には50万円/月程度の金額が限度額になっている場合があるようです。)。

クレジット・プリペイドカードからチャージした場合のお金は、送金やATMでの現金引き出しにはご利用いただけません。カード支払い(お買い物)でのみご利用可能です。

100万円を超える金額をRevolutアカウントに銀行送金を行なったとしても、その資金は受け取れません。ご自身で送金元の銀行にて組戻し(資金返却)手続を行なっていただく必要があります。

https://blog.revolut.com/ja-jp/how-to-add-money/

デビットカードの場合、Revolutへの入金の際にポイントがつく銀行(ソニー銀行や楽天銀行等)が(現時点では)存在するため、可能な範囲でこちらのルートを使う方がお得かもしれません(が、上記のように送金限度額がある点には注意が必要です。)。

海外送金時にかかるコストとしては、①送金手数料と②為替手数料ですが、Revolutは①送金手数料は(原則)無料、②為替手数料はニューヨーク時間の日曜日18:00からニューヨーク時間の金曜日17:00までであれば無料(それ以外の時間帯は1%)ですが、月75万円を超える金額については送金額の0.5%(プレミアム会員(月額980円)の場合は月75万円を超える金額についても無料)です。また、外貨両替時の為替レートもミッドマーケットレートとされています。Revolutのウェブサイトで海外送金時の手数料等をシミュレーション可能です。

送金金額・頻度次第ですが、個人的にはスタンダード会員のままで定期的に海外送金するのでもよいかと思っています(最初は相当程度大きな金額を送金する必要があるので送金手数料がかかってしまいますが。)。
なお、プレミアム会員やメタル会員から、スタンダード会員にダウングレードする場合、解約手数料(2,000円または3,960円)が発生するのでこの点も要注意です。

月額プランをご利用の場合、最初の10か月間はいつでも解約が可能です。その場合は、プラスプランでは£6、 プレミアムプランでは2000 JPY、メタルプランでは3960 JPYの違約金が発生します。また、11か月目に解約した場合には、翌年の自動更新は行われません。

https://help.revolut.com/ja-JP/help/profile-and-plan/profile-plan/upgrading-my-plan/downgrading-my-plan/

④クレジットカード関連

  • (日本の)クレジットカード解約

    • 日本発行のクレジットカードを海外で利用する場合には、Foreign Transaction Feeがかかります(イシュアーにもよりますが、2%程度。SMBCカードによる案内はこちら)し、為替レートもよくないです。なので、米国入国直後に利用する/日本国内での引き落とし等のために必要なクレジットカードを除き、日本発行のクレジットカードで年会費がかかるものは解約しておくのが良いです。

    • PrestiaのデビッドカードやRevolutはドル預金があればそちらから引き落とし+Foreign Transaction Feeもかからないので、米国入国直後はPrestiaのデビッドカードやRevolutを使うのも良いかもしれません。Prestia GoldであればATMでの出金も手数料なしで可能です(https://www.smbctb.co.jp/executive/gold/services/fees.html)。

  • 米国クレジットカード作成

    • 多くの留学生がANA USA又はJAL USAのドル建てクレジットカードを事前に申し込んでいくかと思いますが、(少なくとも留学後米国で研修予定であり、Prestiaデビッドカード等の別の決済手段が確保できるのであれば、)個人的にはおすすめしません。

    • 米国はクレジットカード大国なので、上記カードよりもお得なカードは数多くありますし、一定期間内に申し込めるクレジットカードの枚数にも制限があることがあるので、上記カードでその枚数を消費してしまうのは勿体ないように思います。

    • 但し、米国でのクレジットカードの申請には(原則として)Social Security Numberが必要なので、実際に申請できるのは卒業して研修が始まった後になります

    • 例外的に日本でAMEXのクレジットカードを保有している場合には、AMEX がSocial Security Numberなしでの米国クレジットカードの申請を認めています。このサービスを使えば、在学中にも1枚は米国クレジットカードを発行可能です。AMEXの当該サービスについては以下のNoteで紹介しています。


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