ウィークエンドけそ(第22回/2021 .1.15号)
くずざんぽー。けそです!
皆さんは、どちらで、いかがお過ごしでしょうか?
最近私胃腸が荒れてまして…もうほんとどんだけ不健康ロード大爆走なんだって感じなんですけれども…。
結局めちゃくちゃ食べてるんですけど、せめて消化のよさそうなものを!と思い、うどんをもりもりいただいております。
前にSPURでこの記事(↓)を読んでから、お気に入りのうどんです…。
冷凍だけどほっとする優しい味で、いいんですよ~(ほんとにお疲れモードの時は、鍋でゆでるのがちょっとしんどいですけどね…そういうときは素うどんをレンチンしてたらこパスタソースを和えるのじゃ!)。
(↑このソースが好き)
この番組では、今週けそがビビビと来た、SNSの話題・ラジオで聴いたもの・YouTubeで観たもの等の中から、特に皆さんにお伝えしたいものを紹介していきます。久しぶりに、ゴリゴリ書いた号ですぞ~!
それでは、今週の最初の部門!
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ボディポジティブも行き過ぎると苦しい。ほしいのは、ボディリベラルなんじゃ?
実は今週読んだ話ではなくて、ずっと温めてた話なんですが…。
前々から何度か紹介している、こちらの本(雑誌)↓。
ここに収められていた、藤嶋陽子さんの「身体を受け入れること、身体を手放すこと。―ボディポジティブは誰のために、そして誰を突き放すか。」がとっても良かったので、今日はその内容を紹介させてください!
前提として…「ボディ・ポジティブ」とは?
⇒「自分のありのままの体を愛そう」とする運動。
ふくよかな体型の女性が、痩せてなくても自分は自分、ファッションも楽しむし!発信していることが多い印象です。
(うーん、なんかうまい説明が見当たりませんでした…!)
イラストレーターのharaさんの投稿されてる内容とか(↓)
プラス・サイズモデル(けそ注:ふくよかな女性を「プラス・サイズ」と表現する動きがあります)のアシュリー・グラハムさんの動画を観ていただくと、イメージしやすいかもしれません。
以下、立てられている章に沿って(勝手ながら)本文の内容を要約させていただきます(※以下、■で囲んでるところは章のタイトル、灰色で囲んでいるところは本文からの引用です)。
--内容紹介ここから--
■スキニービッチは、敵なのか?■
アメリカの人気歌手、メーガン・トレイナーのデビューシングルとして、2014年に発表された "All About ThatBase"。キャッチーな曲調に乗せられた歌詞は、内面の美しさに目を向け、自分の身体像を肯定するポジティブな姿勢を促すメッセージで、全世界で1100万枚という爆発的ヒット曲となった。日本発売時のタイトルには、副題に「わたしのぽちゃティブ宣言!」という露骨すぎはしないかとも思えるフレーズが添えられていた。
・この副題が付けられた日本の背景として、2013年頃から渡辺直美人気が高まり、日本初のプラスサイズ女性向けファッション誌『ラ・ファーファ』が創刊されたことがあった(『ラ・ファーファ』のキャッチフレーズは、「ぽちゃティブ」。自分の体型を否定的に捉えず、ファッションも楽しむ姿勢を示した言葉)。
・しかし同曲の中には、スリムな体型の女性は不自然に作りこまれたもの、と考える侮蔑的な表現(「スキニービッチ」「棒のよう」等)があったり、「男の子は大きなお尻が好き」等、どちらの体型に性的魅力があるか優劣の構造を持ち込んでいたりして、議論を呼ぶ。
←たぶんこういうことって、この曲に限った話ではなく、ボディ・ポジティブというアイデアそのものが内包する問題では?
ボディポジティブのポジティブさとは、美を放棄すること、自己の身体を美しさという概念から切り離すことではなく、自分自身に美を見出すこと。美という基準を維持しつづけた結果、美という基準に縛られつづける。それゆえに、従来の画一化された美の基準と戦おうとしていながらも別の美の基準を持ち込み、より上位に置き換えるだけかのようになってしまっているのではなかろうか。
(太字はけそによるもの)
■「太っていてもかわいい」■
・プラスサイズモデルとして活躍する女性の多くは元アイドルや元モデル。表に出てくるのは、「体型をキャラクターにし昇華した芸人か、『太っていてもかわいい』女性ばかり」。
体型という呪縛からは解放されるかもしれないが、身体の問題は付き纏い、むしろ容姿という基準でより鮮明になる。
・なんでこういう矛盾が生じてるのか?その理由は?
→原因の一つ…「ファッションという産業の軽薄な欲深さ」
・ファッションは「消費活動を途絶えさせないよう、新しい欲望を生み出すために価値観のアップデートを繰り返す」。
ファッションはときに、いや頻繁に、身体像や主義主張のような大真面目なものを、実に軽やかにマーケット戦略に転化する。どのようなスタイルでも、どのような思想でも、カウンターカルチャーを「ファッション」にし、かりそめのトレンドにしてしまう。
たとえ実践者たちがいかに大真面目でも、ファッションの欲望を生み出しつづけるポリティクスに巻き取られていく。
例えば…「ファニーフェイス」(「特別整っているわけではないが個性的な顔立ちを意味し、一応は誉め言葉として使われている表現)
←でもこれも自分勝手な褒め言葉では?
正統派美人とされる人々には見飽きた、物足りないと突きつけ、ファニーフェイスと言われる人々は美人というわけではないけど魅力的だともて囃すのだ。
・このような面のあるファッションだが、誰もが無縁ではいられない。
井上雅人は『ファッションの哲学』のなかで、「ファッションが、誰にとっても重要な問題なのは、それが人間の姿に関わることだからだ」、「ファッションは、自分の身体への関わり方と、自分の身体を使った他者への関わり方の産物である」と述べている。
・ファッションはマーケットを動かしつづけるために、「美という基準は放棄できない」
←「憧れを誘発する容姿的に/社会的に、優れた人々」がロールモデルにならないといけない。
ボディポジティブについても…
何だかんだで体型はふくよかだが顔立ちが整っている人々や、体型を含めて自己のキャラクターを確立した人々だけが全面に押し出され、自分を大切にするためにおしゃれを楽しむべきとされる状況であるので、プラスサイズという新しいマーケットを創出するための演出にしか見えなくなるわけだ。
■救済としての変身譚■
・ボディポジティブの「ありのままの自分を受け入れる『強さ』」の対極にあるのが、「容姿を磨くことの努力と、その先の華やかな成功に基づく『強さ』」。
それが美しさのためでも、健康のためでも、自分を磨くことは常にポジティブなものとして位置づけられる
・例えばNetflixの『クィア・アイ』でも、「自分を愛して肯定する」ことを具現化する行為として「肌や髪の手入れ」「ファッションへの気配り」が行われている。「痩せて見返してやれ!」「もっと綺麗になって、惜しいことをしたと思わせればいい」という言葉も、失恋した人にかける定番の励まし。
・美容整形のクリニックのコマーシャルの文言でも、容姿次第で環境が変わるとも受け取れるようなメッセージが放たれている。
・容姿が変わって本当に世界が変わるかどうかはわからないが、容姿を磨くことによって救済される可能性・より良い自分になる可能性を放棄することは難しい。だからますます身体を磨く事への規範が強化され、身体像に苦しむジレンマが生じる。
容姿を磨く努力を積み重ねて、「成功」をもぎ取ることもできていない。一方でボディポジティブの体現者たちのように、ありのままの自分を受け入れる、そして自分の容姿を肯定する強さもない。そんな人々はどちらにも受け入れてもらえない、どちらの指標からも弱者でいなければならないのだろうか。
■脱ぎ捨てられない自身の身体■
私は三桁近い体重から標準と呼ばれる体重まで減量し、目は二重になったとき、よりいっそう自分の身体像がつらいものになった。
〔中略〕
その後、私は美容整形外科のカウンセリングを受けに行った。苦しくて、それでも身体を「より良い」ものにする変身譚的な救済しか選択肢を持てず、医師に尋ねた。
わたしの目は、あとどれくらい大きくすることができますか?
医師は淡々と答える。目頭を切ると2ミリ、目尻を切ると3ミリかな、と。悩みに悩んで、手術は見送った。たった5ミリの目の幅に、自分の人生の苦しさとか上手くいかない鬱屈を託すのは止めようと、そう思ったのだ。
ボディポジティブは多様な身体像を受け止めるものならば、身体に無頓着になるという選択肢も赦すべきだろう。
〔中略〕
もう少しだけ美を、身体への執着を手放してもいいのではないだろうか。それは自分の身体だけでなく、他者の身体も含めて。身体を脱ぎ去ることはできない。それでも一度、身体を放ったらかすことを許容すること、ボディリベラルとでも言おうか、そんな可能性を夢見たいなと思ってしまう。
(太字はけそによるもの)
--内容紹介ここまで--
感想①
身体へのまなざしも、「明るい」一辺倒じゃなくていいよって思わせてくれてありがとう。
ボディ・ポジティブ、画一的な美へのカウンター・カルチャーで、基本的にはとても良い流れ!と思っていたんですが、「前向きでないといけない」ような圧も感じていたので、この文章が読めてよかったです。
(暗い気持ちでいたいときもあるのに、「明るくふるまっていればいいことあるよ!」「ネガティブだめだめ!」って言われる息苦しさに近い気がする)
感想②
(いわゆる)美男美女が好きなことも、ボディリベラルと共存できるんじゃないかなあ、「なんにでもその物差しを適用しない」ってことが大事なのであって。
最近、漫画家の渡辺ペコさんがこうつぶやかれてました。
あと、恋人とも、近いテーマについて最近話してました。
恋人は、「『渡辺直美を美しいと思わないとダメ』って圧力がかけられてる気がして嫌だ」と言っていて。
ボディポジティブの話、方向性を間違えちゃうと「正統派美男美女の見た目に惹かれる人を断罪する」ことに繋がっちゃう気がするんですが、それだといかんと思うんですよね。
問題なのは、「見目麗しい」っていうのはあくまで魅力の要素の一つのはずなのに、誰かを「いいな」って思う要素って他にもたくさんあるはずなのに、なぜか見た目ばっかりがフォーカスされてることだと思うんですよ(外見は、全然話をしたことない人間にだってわかるものだから、そこに注目が集まっちゃうのは仕方ないとも思いつつ)。
それは、「外見じゃなくて、内面にももっと目を向けて!」ってことでもなくて(20代前半の私はそう思ってましたが ←って、どんだけ中身に自信があるんだ、と今ならつっこみたいですが)。
「ただそこにいていい」と思える環境がほしい、ってことですかね。
あと、揺らぐ態度を咎めないでほしい、ってことかも。
痩せたいときも・贅肉見ないでいたいときも、自分の顔嫌い~!って思う日も・悪くないかもって思う日も、古びたパーカー一日着てたい日も・がっつりメイクしておしゃれしたい日もあるから。
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今日の話に関連しそうな作品なので、こちらも紹介↓
ブスの自信の持ち方
大好きな山崎ナオコーラさんのエッセイ。こんなに「ブス」が多用される本はあるだろうか(KIndle Unlimitedで調べたところ、555回「ブス」という言葉が出てきてることが判明)。
顔の美醜の話になると、「外見VS内面」で語られることが多いけど、それぞれの人間の「よさ」とか「得意分野」を考える軸ってそんなに単純じゃないよなーと(ほんとは当たり前のことなんだけど!)気づかせてくれる本。
女子をこじらせて
こちらも大好きな、雨宮まみさんの本。
未読の方は、こちら(↓)の小倉ヒラクさんの書評を読んでから読んでいただくとなおいいかもしれないです。
「見た目のよさ」と「恋愛市場で強い(いろんな人に選ばれる・評価される)」ことの結びつきって強固ですよね。私だって、「見た目が(少なくともある程度は)好みか?」って、相手が恋愛対象になるかどうかを分ける大きな項目ですもの…(偉そうですが。そして「見た目がいい」と「見た目が好み」は似てるようで違いますが)。
しかしそれは、自己肯定感とも無縁ではいられなくて、だから「見た目がよくない」ことは「だから自分はここにいられない」ような気分にもつながってしまいそうで…。
市場で価値のある女にならなくては!評価される女でなくては!っていう雨宮さんの葛藤や苦しみが、とても他人のものだとは思えなくて…。
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続いては
ウィークエンドミュージック
のコーナー。
この季節と言えば…ということで。
打首獄門同好会で『布団の中から出たくない』
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続いての部門!
バケツプリンほどじゃないけど、たっぷりのプリンが食べたい!…という夢、業務用スーパーで叶ったよ
500gくらい入ってるヨーグルトみたいな感覚で…。
掬ってたっぷり食べられるプリンがほしい…!
男性用を謡ってるデザートみたいな…とりあえず量入れといたんで!みたいな、大味なやつじゃなくってさ…!
という寝言を、毎日恋人に訴えていた私。
そしたらですね。業務用スーパーでみつけちまったんですよ…!
1kg売りされている、プリンを…!
具体的には、1Lの紙パックに、たっぷりプリンが詰まっている、という商品です。やばいですね。
同じ形態で売られているデザートには水ようかんとかチョコレートムースとか数種類があって、今回はプリンとパンナコッタの2種を試してみました。プリン目当てでしたが、けそ的ハイパーヒットはパンナコッタ!濃厚でねっとりしてておいしい~~!そしてどんぶりにいっぱい食べられて嬉しい~(繊細さ、かけらもなし)。
こちら(↓)のレポートが詳しくてわかりやすいので、気になる方はぜひ読んで、試してみてください!
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最後の部門!
今はこれを貼るっきゃないでしょう…!
(たぶん期間限定公開だと思うので、何日かしたら観られなくなっちゃいそうですが)
話題のパペットアニメ・PUI PUIモルカーです!
フェルトでできてるモルモットの車(モルカー)たちがかわいいんですよ…。特に食べてるところが好きだ。
(そして監督が人間が嫌いそうなところにも共感している…笑)
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今週の『ウィークエンドけそ』、いかがでしたでしょうか?
この番組では、皆様からけそへの、褒め言葉・人生相談・質問をお受けしております。
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まだまだ、自由に外を歩ける日は遠そうですが、頭を指圧でぐりぐりしたりしながら、のんびり行きましょうねー。
それでは、また来週!
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