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東海村つながるトーク ー自分の地域をちょっと面白くするー開催レポート(後編)

東海村つながるトークvol.7を12月23日に開催しました。今回は、T-projectから「つどえるサロン-クリエイティブ公務員編-」に参加中の村役場職員3名と「東海村スマホクリエイターズLab.」参加者1名が登壇。ゲストプレゼンは「水戸ホーリーホック」のクラブ運営にまつわるトークが展開されました。

※当記事は後編です。
①トウカイムラデ サウナ ヤリタイ | 菅原大樹さん(東海村役場)
②東海村もホームタウン | 水戸ホーリーホック(ゲスト)
のレポートは前編をあわせてご覧ください。


③チラシデザインのリノベーション | 山西沙貴さん(東海村役場)

東海村役場・地域戦略課の山西さんから発表があったのは、特定保健指導の対象者へ送付するチラシのリノベーション事例。

村の集団検診後、生活習慣の改善が必要と判断された人向けて実施されるのが「特定指導」ですが、その受診率が低いことが、役場の保健課と健康増進課の課題だったそう。担当部署からの相談を受けて、業務改善に取り組むことになったのが、山西さんが所属する地域戦略課でした。

そこで、山西さんらが着目したのが、HELPOと呼ばれるオンラインヘルスケアサービスの活用。スマートフォン上で手軽に指導を受けることが可能なHELPOへ登録を促すことで、受診率向上を図ることにしたのだとか。

以前のチラシを分析しながら、山西さんが行った改善は以下の通りです。

①色分け
→→→白ベースの書類は紛れて見逃されがちなため、目につく色に変更。

②数字や利用者の声を掲載
→→→具体的に体重が何キロ減ったか、指導を受けた後どうなったかという利用者の意見や声を掲載。

③イラストや図を使う
→→→文字よりも視覚的な情報の方が分かりやすい。


また、思い切って担当部署の電話番号記載は省略しHELPOの案内をメインに掲載するなどのデザイン変更も行ったのだといいます。

その結果、今まで申し込みゼロだったHELPの登録が、チラシ変更後に2件登録されるという実績が得られたのだそう。

「チラシが必要な人の目に留まったようでとてもうれしい。もともとデザインは好きな分野なので、興味があることを勉強した知識やスキルを業務で活かすことが出来たのは、仕事のモチベーションにつながりました」
と山西さん振り返ります。

最近は、移住補助金の案内チラシの作成にも取り組んでいるとのことで、発表の最後には「今後は現在勉強中の写真を使ったデザインにも挑戦していきたい」と今後の目標を語りました。


④建築学生からみる東海村 | 安田唯菜さん(宇都宮大学)

「将来は出身地の東海村で、農業やカフェやりながら設計を仕事にしたい」と話す安田さんは、現在、宇都宮大学で建築学を学ぶ大学院生。「集まって住む」をテーマに、東海村の県営住宅と発電会社の社宅を対象に設計した卒業設計について発表しました。

設計の対象にした石神地区は、商業施設や農地と住宅街が混在する行政サービスの拠点エリア。一方で、高齢率が高い地域でもあるため、地域コミュニティの維持や子供が遊べる公園の整備などが課題と仮定し安田さんは現地調査を行ったそう。

「県営住宅や社宅には敷地内に遊具があり、建物を通り抜けるような通路があることが多い。この場所を「開く」設計にすることで、建物の内外を曖昧にする面白いことができるのではないかと思いました」
と話す安田さん。

調査を踏まえて安田さんが設計したのは、既存集合住宅改修と新築の交流施設をつくるプランです。

安田さん
「閉鎖的な印象があった集合住宅は、敷地内を道路が貫通するつくりに。一棟は解体して畑とし、農業に興味がある人に向けて水平に空間が連続する設計にします。また新たに建設するのは『交流施設』で、こちらは野菜の出荷や集荷をする施設をメインに、朝は市場、昼はリモートワークや学習スペース・集会場として利用。保育や介護施設としての機能も持たせ、地域の中の交流を促す設計です」

昨今の社会の流れを鑑みると「まちづくりのために、大きな建物を新たに作ることは難しい」時代となっていると感じているとして「今後は、やりたいことがある人が集まることが出来るコミュニティづくりにこそまちづくりの活路があるのではないか」とコメントした安田さん。これからも、長期的に東海村に関わり村を盛り上げていきたいと語りました。


⑤本を「聴く」こと | 藤田岳志さん(東海村役場)

東海村役場地域戦略課の藤田さんが紹介する取り組みは、役場職員による自主研究グループ「オフサイトブックミーティング」(以下 OBM)の活動について。

活動の内容は、毎回メンバーのうち1名がオーナーとなり、読んできた本を参加者の前でプレゼン。それを聞いた参加者が感想をフリートークするというもの。現在12名の職員が参加しており、月1〜2回の活動を継続中です。

「本は『村の職員として成長できる内容』をテーマに選書され、2021年度には合計16冊が紹介されました。OBMに参加することで、普段自分では選ばない本を知
ることができ、世界が広まるのを感じています」

と藤田さん。

また、自分がオーナーとして本を紹介することで、知識の定着や自分が気づかない意見をもらうことによる学びを得ることが出来ていると体感しているのだそう。「ひとりで読むより良いことがいっぱいある」と続けます。

藤田さん
「16冊の本を読むのはなかなか大変なこと。みんなで取り組むことで、『聴く』だけで16冊の本の内容を知ることができるのは、メリットでしかありません」

そんな藤田さんが、自主研究グループに参加するようになったきっかけは、以前、小美玉市職員による自主勉強会に参加したこと。自分より年下の職員が、堂々と意見を発表しオーナーとして場を回すのを見て「悔しさを感じた」という藤田さんは「自分や若手が変わるための活動を、もっとしなければ」と痛感。行動に移した結果のひとつがOBMだったのだそう。

こうして始めた自主研究会での活動。それらを通して、藤田さんは改めて自分の変化に気づいたのだといいます。

「まずは、書店や図書館に行くなど、今まで興味がなかったことにも興味が広がるのを感じた点、そして普段から相手に『伝えるポイント』を意識するようになったこと。そんな変化を経て、最近では、たとえ自信がない時でも怖がらずに発言することができるようになったとも感じています」

気になるOBMおすすめの本は、現在、村内の私設図書館「Amis文庫」にも展示中とのこと。



最後に

zoomチャット欄での積極的なコミュニケーションもみられ、プレイヤー同士の横の交流が生まれるのを感じた今回のつながるトーク。同じ志のもと活動を行う他のプレイヤーのコメントや感想は、今後の活動にも新たな気づきを与えてくれそうです。

T-projectの活動はまだまだ続きます。2023年も「つどえるサロン」は継続中!まちづくりや活動内容に興味がある方、サロンの様子を見学希望の方も是非お気軽にお問合せください。

もちろん東海村つながるトークで発表希望の方のご連絡やご相談も大歓迎です!一緒にT-projectを育てて行きましょう!


T-project 東海村つながるプロジェクト
https://www.facebook.com/tokaimuraproject
主催 東海村
企画 カゼグミ

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