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有楽町アートサイトプロジェクトがはじまりました。

東京フォトグラフィックリサーチはこのたび、有楽町を舞台に、都市とアートの関係性を問いかける「有楽町アートサイトプロジェクト」をローンチしました。

その第一弾として、写真家・顧剣亨とアーティスト・永田康祐による新作を新国際ビルの仮囲い壁で公開しています。2 人のアーティストがリサーチと制作を通じて描き出した有楽町の姿を、ぜひご覧下さい。

作品紹介

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顧剣亨『Yurakucho 202004』、2020

今回、顧は、有楽町電気ビルヂング、丸の内二重橋ビル、東京ビル トキア、有楽町駅前ビルの屋上から、有楽町エリアを俯瞰するように都市の景観を撮影し、彼が「デジタルウィービング」と呼ぶ、複数の写真から1枚のイメージを生み出す手法によって作品を制作しました。

顧は画像編集ソフト上で、1ピクセル毎に「削除」と「保留」を何万回も繰り返し、その素材を重ねることでテキスタイルのようなイメージを生み出していますが、本作では奇しくも、60年代に建てられた有楽町のビル群によって生まれた低層ラインが、来たるべき都市の可能性を秘めた「空間」として、幅約10メートルにおよぶ作品上に出現しています。

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永田康祐『Semantic Segmentation (Yurakucho)』、2020

有楽町の風景を捉えた一連の作品は、自動車の自動運転技術などで利用されているものと同種の、人工知能による物体検出アルゴリズムをもとに制作されています。

本作で永田は、アルゴリズムが実際の人間と印刷物に描かれた人間やガラスに映り込んだ人間などを「Person」として認識したり、仮囲いの映り込みの模様を「Train」として認識するといった齟齬に着目し、私達の認識が単に視覚的なものであるだけでなく、様々な文脈的な知識によって成り立っているということ、そしてまた、都市の認識が本質的に多様であり、機械的かつ画一的に行うことはできないということを示しています。

深夜の設置作業を経て、いよいよ公開。

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突如として街路に出現する両作家の作品を、是非ご覧下さい。

【開催概要】

会場:新国際ビル 南西側仮囲い
住所:東京都千代田区丸の内3-4-1

主催:三菱地所株式会社
協力:一般社団法人 大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会
後援:一般財団法人 カルチャー・ヴィジョン・ジャパン
企画:TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT

【関連イベント開催】

オンライントーク『有楽町で、ビジネス街とアートのこれからを考える夜』

先日オープンした最新アートスペース「CADAN有楽町」と、「有楽町アートサイトプロジェクト」を展開する東京フォトグラフィックリサーチ、そしてカルチャー・ヴィジョン・ジャパンと三菱地所による「ビジネス街×アート」オンライントークを、8月5日に開催いたします。ぜひご視聴下さい。

【登壇者】
・小山登美夫(日本現代美術商協会代表理事/小山登美夫ギャラリー)
・小山泰介(東京フォトグラフィックリサーチ代表/写真家)
・山峰潤也(一般財団法人アートアクセラレーション共同代表/キュレーター)
・深井厚志(一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン)
・井上成(三菱地所㈱プロジェクト開発部有楽町街づくり推進室)

【イベント詳細】
・日時:2020年8月5日(水)19:30-21:00 <無料・予約不要>
・Peatixイベントページ:https://yurakuchoart.peatix.com
*上記リンク内の配信URLからご覧下さい。


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