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48歳の時、会社を辞めました

今から12年前、私は48歳の時に会社を辞めました。大学卒業後からお世話になった大手化粧品会社でした。

会社を退職する前の一年間、転身準備という制度を勧められました。転身のために資格などを取得するための制度で、会社を離れる際の「最初の一歩を応援しよう」という趣旨でした。有難いお話でし。この一年間、私は70%ほどの給料をいただきながら大変有意義な時間を過ごしました。

この1年間に、私は2つのことを達成しようと決めました。その一つは、中小企業診断士資格取得でした。長い間、取得したかった資格でした。そして、この後に経営コンサルタントの仕事をするにあたって、知っている知識の再整理、不足する知識の補完に最適な資格だと思ったのです。

(1)一次試験突破に向けて

合格はもちろん、それを一年間で必ず成し遂げることを目標にしました。そのための情報収集を行い、合格ルートを研究したうえで勉強をスタートしました。

中小企業診断士資格の学校TACに毎日通い、まずは一次試験突破を目指します。中小企業診断士の1時試験と言うと、その科目がカバーする範囲は大変広く広範な知識が試されます。全部で7科目。経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理(オペレーションマネジメント)、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策です。

これだけの幅広い知識を学ぶ訳です。中には詳しく知っていることもありましたが、知らないことも多くあり、これから新しい人生をスタートするに際して大変有意義な挑戦でした。弁当持参で受験予備校通い、毎日10時間は勉強しました。おかげで一次試験は一発合格でした。

(2)中小企業大学校に通う日々

難関二次試験は、合格する可能性は低いと思ってました。その後に数年かけて二次試験に合格する時間的余裕は私にはありませんでした。二次試験に落ちると同時に、経済産業省中小企業基盤整備機構が主催する中小企業大学校「中小企業診断士養成課程」の受講申し込みをしました。

ここは、診断士一次試験を合格した信金さんなど金融機関の中堅社員が多く利用します。東京都大和市にある中小企業大学校東京校に住み込みながら、二次試験に変わる厳しいカリキュラムを、6ヶ月程度、受講し修了すると中小企業診断士資格が無事に下ります。カリキュラムは、演習を含む診断士講師からの講義が中心です。課題図書として経営やマーケティングに関する名著を数多く読まされます。期間中、数回は実際の企業を訪問して企業診断実務をさせていただく実務演習機会もあります。さらに各種ゼミナールに必ず参加しなければなりません。各分野の厳しい実践指導を受けることになります。

(3)ついに中小企業診断士になれた!

私は48歳の時に、今の基礎基盤をこうして築きました。在職期間を含めて約一年間の一次試験への挑戦そして合格。それに続いて二次試験に代わる中小企業大学校での約半年の中小企業診断士養成課程へ毎日通学、修了。ついに私は、会社を正式に早期退職する際に、晴れて中小企業診断士の資格を手にしたのです。転身準備の一年間をフル活用できました。

(4)しかし資格に価値があるのか?

懸命な努力を続けて取得した中小企業診断士という資格に何の価値があるのか?と問われれば、「何もありません」というしかありません。しかし、当時48歳にして一年を通して、日に10時間も毎日勉強したことは、とても意義のあることでした。その先の50代60代の人生を創るために、再度学び直す。今で言うリカレント教育でした。

そして、この一年間の転身準備期間中に達成したことが、もうひとつありました。それは、四国八十八箇所をめぐる自転車お遍路だったのです!


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