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母の言葉

「親の言葉と茄子の花に、万に一つの嘘もなし」という諺を枕言葉にして、私の母は私に生きるうえでの考え方(今流に言えば、フィロソフィでした!)を伝えてくれました。小中高校生の時分は、まあ、それが鬱陶しくて、大概に聞き流したものでしたが。

しかしその諺の通り、それが社会に出てから実感するんですね。とても有難いんです。言われた事は、実に真理だと思うことが多く、その時の母の姿が一緒に蘇ります。
「気持ちの大きな男になりなさい」
「細かいこと、小さなことこそ疎かにせず、キチンと仕上げなさい」
「後で後悔せんように、その時その時を大切にして時間を過ごしなさい」

85歳になった母に、感謝しながらこうしたことを手紙などで伝えると本当に嬉しそうです。親が子供から感謝されるのは、こんな感じで、ずーーっと後なんだとしみじみ思います。
なので私の年齢で子に感謝されるなんて、夢の夢と思わないといけません。「そりゃ、あんたずーっと先のことよ。そんなことは無いと思った方がいいよ」という元気な母の声が聞こえてきそうです。

今のうちに、母に度々電話して話をちゃんと聞いて、産んでくれた感謝を伝え、親孝行に勤しみます。これも大切な利他だと気がつきました。

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