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【エッセイ】オバケ?が怖くなり始めた娘の話

もったいないばあさん、という方をご存知だろうか。

私はよく知らないのだが、どうやら絵本に出てくるキャラクターらしい。
ここ数日、娘が急に口にしだしたので調べてみると、昔ながらのお団子頭にメガネの少し偏屈そうなおばあさんのイラストが出てきた。

保育園で、給食を残したりすると、先生が「もったいないばあさんが出るよ〜」と言っているらしい。

しめしめ、と思って、我が家でも事あるごとにもったいないばあさんの力を借りることになった。

夕飯中に集中力が切れて遊びだしたとき。
トイレに間に合わずおむつを汚してしまったとき。
必要のないティッシュを出しまくったとき。

あ!もったいないばあさん出るよ〜、というと、娘はケラケラ笑って、もったいないばあさん〜と繰り返す。
そして、少し深刻そうな顔をして暗くなり始めた窓の外を指先、「あっ…!」というと、そこに本当にもったいないばあさんがやってきたと思うのか途端に娘の顔がくしゃくしゃになって、泣きそうになって私にしがみついてくる。

この怖がりっぷりがおもしろくて、色々とやらかされたイライラもすっと引いてしまうので、もったいないばあさん様々である。

怖いもの知らずで無敵の赤ちゃんだった娘も、2歳を過ぎて足の多い虫や皺の多いひいおばあちゃんを怖がるようになり、ついに実在しない空想上のおばけ(もったいないばあさんは、おばけではないが)も怖くなったのかあと、その成長にしみじみ感動してしまった。

もったいないばあさんには色んな濡れ衣を着せてかなり怖いばあさんに仕立て上げてしまい申し訳ないので、今度彼女の絵本を買ってみようと思う。

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