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3~4歳児に役立つ育児哲学

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3~4歳児のお子さまの育児に役立つ、育児哲学の記事をまとめたマガジンです。
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2021年10月の記事一覧

イヤイヤ期にうける理不尽さは、ただ幸せになりたい子どものサイン【育児哲学#8】

・2~3歳ぐらいの子どもは精神的に未成熟 ・理不尽な行動もすべては子どもが幸せになりたいから ・怒りをおさえ、子どもにもわかりやすいように落ち着いて注意しましょう すべての人は、 幸福になることをさがし求めている。 それには例外がない。 ◆フランスの哲学者 パスカル『パンセ』引用 なぜそんな行動をとったのか。なぜそんなことを言うのか。他人の言動に関して「理解できない」と思う場面は、人づき合いをする中で多々ある。しかし、相手がどんな言動をとろうとも、その動機はひとつ。つま

子どもにはたくさんの「驚き」をあたえ「興味開発」をしてあげよう【育児哲学#7】

・驚きは「すでに知っているものとの差異」 ・驚きしかない幼少期には、たくさん驚きをあたえてください ・「驚きと感動」が「興味」になり「チャレンジ」するか考え出します 驚きが有益であるのは、 それまで知らなかったことを わたしたちに学ばせ「記憶」に とどめさせることだ。 ◆フランスの哲学者・数学者 デカルト『情念論』引用 人が何かに驚くときは、「異常さ」を感じたときである。たとえば、見たことのない深海魚の見た目に驚くのは、「自分が知っている魚」と比べて「異常さ」を感じるか

「子どもの可能性を信じる」という本当の意味【育児哲学#16】

・「信じる」ことは「証明する」こと ・子どもの可能性に期待するだけではなく、信じているならば実現するための行動をおこしましょう 信じるというのは、ただ「それが」 真実だと信じるということではありません。 それ以上、ずっとそれ以上なのです。 信じることを真実のことにするのです。 ◆オーストリアの精神医学者 V・E・フランクル 『でも人生にイエスと言う』引用 信じるというのは、可能性に期待を寄せることではなく、可能性を自ら実現させる、ということである。つまり、「意味がある」

子どもに「やる気」と「主体性」を身につけさせるには【育児哲学#15】

・「欲望」は具体的なアイデアを生みます ・思いつきだけで満たされる欲望はありません ・子どもがやりたいことがあればできる限りやらせてあげ、その中から「夢中になれること」を見つけ出し、「やる気」と「主体性」を育てていきましょう 欲望は盲目的なものになる一方で、 アイデアを刺激し、 それに推進力を与えることになる。 ◆アメリカの哲学者・教育学者 ジョン・デューイ 『経験と教育』引用 欲望は具体的なアイデアを生む。しかし、欲望がアイデアに転化されず、欲望のままで終わってしまう

はじめてのママ&パパに知ってほしい子育ての心得【育児哲学#14】

・スマホの情報や身近な人の意見を鵜呑みにしない ・自分で考えなければ、知識は上辺だけのものになる 他人から学んだだけにすぎない真理は、 整形でつくった鼻のようなものにすぎない。 ◆ドイツの思想家 ショウペンハウエル 『読書について他二篇』引用 読書や見聞によって得ただけの知識は、整形で取りつけた鼻のような「飾り」にすぎない。しかし、自分で考えて得た知識は、自分の手足のように機能させることができる。これは、テクニックのみで描かれた美しい絵と、画家がメッセージ性を込めて描か

ワンオペ育児でもストレスに負けない考え方【育児哲学#13】

コロナ禍が落ち着き始め、年末に向けて忙しくなり、ほとんど家にパパが仕事で帰ってこないワンオペ育児の家庭も多くなってきているようです。 日々の子育てのストレスをすべてかかえて暮らす皆様に、少しでもストレスに負けない考え方について、参考になる言葉をご紹介したいと思います。 陰気な人間は 十の計画のうち 九までが成功しても、 この九を喜ばずに、 一の失敗に腹を立てる。 ◆ドイツの思想家 ショーペンハウアー 『幸福についてーー人生論』引用 結果が幸・不幸、どちらにも転ぶ可能

たった1つの方法で、子どもの不機嫌を解消する【育児哲学#6】

・子どもの不機嫌の要因は3つ ・すべての不機嫌において対処方法は1つ「原因を早めに断ち切る」 ・他の方法として「ほかに楽しい提案をする」は最終手段 不機嫌というものは、 結果であると同じ程度に原因である。 ◆フランスの哲学者 アラン『幸福論』引用 嫌なことがあると、結果として不機嫌になる。しかし、不機嫌は単なる結果で終わらずに、新たな嫌なことを引き起こす原因へと変わる。たとえば、ネガティブなことばかり考えて常にイライラしていたら、他人とのあいだに無益な争いを生んでしまう

子どもの怖がりはあっという間に作られるが克服は大変です【育児哲学#5】

・子どもの恐怖心は体験によってどんどん簡単に増える ・その恐怖心をなくすのは大変ですが、親の「勇気づけ」と「成功体験」の声がけを積み重ねよう ・「怖がらせ育児」もほどほどに 想像は恐怖を調合し、 私たちに恐怖を味わわせる。 ◆フランスの哲学者 アラン『幸福論』引用 恐怖は想像力によってかき立てられる。「試験に失敗したらどうしよう」という不安を抱えているとしよう。試験に失敗するにしろ、成功するにしろ、合格発表の場面は、どれだけ心配しようと一度しか起こらない。けれども、想像

イライラするのがあたりまえな子育てを楽しむためには【育児哲学#4】

・予定通りにいかないのが子どもで、いちばんのストレス ・心の余裕をもつにためには人に頼って余裕をつくる ・心の余裕をもって偶然を楽しめる親になろう われわれは心を柔軟にし、 予定したことに過度に 執着し過ぎないようにしなければならない。 ◆古代ローマの哲学者 セネカ『生の短さについて他二篇』引用 「これこそが正解である!」「これ以外はあり得ない!」と、ひとつの答えに執着しすぎることは、心の平静を奪い去ってしまう。予定したことに執着しすぎると、偶然というものに対応できなく

何をするにも時間がかかる子供だが、時間をかける育児は親を裏切らない【育児哲学#3】

・私たちはつい即効性を期待しすぎる ・子どもが言うことを聞かず時間がかかるのは家への安心感から ・育児は「筋トレ」「貯金」にたとえてあせらずコツコツと 一羽のツバメが春をもたらすわけではないし、 一日で春になるのでもない。 ◆古代ギリシャの哲学者 アリストテレス 『ニコマコス倫理学(上)』引用 私たちはつい即効性を期待しすぎる。しかし、幸福は一瞬ではなく、継続的に追求していくことでこそ成し遂げられるものだ。アリストテレスは知恵・勇気・節制・正義を正しく追求し続けることの

育児は「善い」も「悪い」もない、つねに「最善」を想像するだけ【育児哲学#2】

・昔は「善い」とされていた育児方法でも現代では「悪い」とされることがある ・時代や環境によって「善悪」の基準は左右される ・つねに「想像力」を持って「最善」の育児をこころがけよう 何がよくて、何がわるいのか。 それは、まだ誰も知らないのだ。 ◆ドイツの詩人、哲学者 ニーチェ 『ツァラトゥストラ(下)』引用 何が「善い」ことで、何が「悪い」ことかはわからない。戦時中は「善い」とされていたことでも、現代では「悪い」とされる常識など、多々ある。「善悪」の基準は時代によって左右