【図解のコツ教えます】広告マンガ編集のプロによる“直感的に伝える”工夫とは?
突然ですが、まずはこちらをご覧ください。
〈ア〉
〈イ〉
アとイ、どちらの方が「主な月経トラブル」についてすぐに理解することができましたか?
アは以下のA〜Dのそれぞれの関係性がわかりにくくなってしまっており、ぱっと見で理解することは難しいのではないでしょうか。
一方でイは情報を精査し、伝えたい情報を絞ってシンプルにイラストで表現しています。これによって、「主な月経トラブル」という題に合った情報が直感的に、かつ正しく伝わってきますよね。
このように、文字だけだとわかりにくいことも、イラストや図になっているだけで一気に理解しやすくなります。
また、図解は単にイラストを添えるだけでなく、様々な“わかりやすくするための工夫”が施されている場合も。
本記事では、35年以上に渡り広告マンガ制作を手掛けてきたトレンド・プロが持つ、わかりやすい図解のノウハウを特別にお伝えします。
この記事を読み終わる頃には、普段何気なく目にする図解に一体どんな工夫がされているのか、興味が湧いてくること間違いなしです!
図解の役割とわかりやすさの段階
少し難しい話や専門的な内容でも、視覚的にわかりやすく伝えられるのがマンガの強みの一つ。ですがそこに複雑なグラフや表が入ってしまっていると、読者の理解度は下がってしまいますよね。
情報を整理し、絵で翻訳する=「つまり、こういうこと」を図解にする技術は、広告マンガ制作において欠かせないものなのです。
特に図解にすべき情報としては、主に下記の2つが挙げられます。
・重要な情報
・読者が知らない情報
これらの情報を図で表すことで、マンガにメリハリがつき、さらに読者の目も向きやすくなります。
また、図解には次の4段階があり、①のレベルを目指すことでよりわかりやすい図解が生まれます。
では①②について、実際の例を交えながらわかりやすい図解を生み出すコツを見ていきましょう。
コツを活かした実際の例をご紹介!
■別の言い方で例える
一つ目は、構造が似ているもので言い換える方法です。
女の子の年齢と身長の関係性を表すデータを、図解にした例をご紹介します。
こちらは、お客様から支給いただいた元の数値データ。
これをグラフにするとこのようになります。
↓
そのままでも理解できなくはありませんが、より直感的に縦横それぞれの表す意味がわかるようにしたい…。
その思いからたどり着いた図解がこちらです!
↓
女の子が幼稚園から現在に至るまでどのような身長の変化を遂げてきたのか、パッと見ただけでわかるようになりました。
単に点と線だけのグラフではなく、イラストに置き換えることで、見た目にも楽しく情報を理解することができるようになったのではないでしょうか。
■徹底的に絵にする
二つ目は、お客様支給の数値データやグラフを「ここまでやればわかるだろう!」というところまで徹底的に絵で表現する方法です。
これは、統計学の層別抽出法(=母集団をあらかじめいくつかのグループに分けておき、各層の中から必要な数の調査対象を無作為に抽出する方法)を図解にしたもの。
要素を抽出していく手順を段階ごとに徹底的に絵にすることで、視覚的にイメージしやすくしています。
このような複雑な事柄でも、絵に書き起こしてあると理解がスムーズになりますよね。
■そのまま絵にする
下図は教師の能力によって生徒の習得にどれくらいの差が生まれるのかを比較した絵です。
このままでも伝えたいことはわかります。
ですが、ぱっと見ではどちらが能力の高い教師を表しているのかわかりにくいですよね。
↓
そこで調整を加えたのが、こちらの図です。
いかがでしょうか。このようにイラストに少し変化をつけるだけで、理解のための負担が軽くなったのではないでしょうか。
わかりやすい図解を生み出すために、編集者が日々心がけていることとは?
では、難しい情報をわかりやすい図解に置き換える力を身につけるにはどうしたらよいのでしょうか。
ポイントとなるのは「抽象化」「単純化」です。
これは言ってしまえば、「ダジャレのセンスを磨く」ということでもあります。
「どんな言い換えができるかな?」「これって日常のあれとよく似てない?」という風に、頭を柔らかくして物事を捉え直してみると、複雑なものをわかりやすく置き換えるヒントが得られるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、図解の役割とわかりやすい図解を作るコツを紹介しました。
図解があるだけで視覚的に、直感的に難しい情報を理解することができます。
さらに意外にも、そのわかりやすい図解をつくるヒントは日常の物事に隠されているのです。
この「わかりづらいをわかりやすく」する力は、職業を問わず応用できる能力です。
例えば、プレゼンに使用するパワーポイントに差し込む図や、部下に新しい業務を教える際の資料など、シチュエーションはさまざま考えられます。
本記事で紹介したコツが、少しでもみなさんのお役に立てると嬉しいです。
また、この記事を作成するにあたり、弊社で長年編集を担当する“図解のプロ”スタッフにインタビューを行い、「最後に読者に伝えたいことはありますか?」と尋ねたところ、「難しい図解ほど燃えるので、ぜひご依頼ください!」との力強いコメントが!
数々の案件に携わり、難しい情報をわかりやすいマンガに変換してきた実力派のスタッフばかりですので、マンガ制作をご検討されている方はぜひトレンド・プロにご相談ください!