理不尽はなぜおこる?考え方の違いに悩んでいるあなたへ
タイトルから内容がわかりづらくてすみません。職場での人間関係に悩んでいる方に読んでもらいたくて記事を書きました。
いきなりですが、職場での人間関係って難しいですよね。
自分より立場の上の方々との関係構築はなおさらです。
リクナビによる調査では、退職理由の一位は「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」だったそうです。いかに多くの人が上司との人間関係や方針の違いに悩んでいるかがわかります。
特に「上司のせいで」うまくいかなかったことがある方は多いと思います。
いきなり理不尽なことを言われたり、良いアイデアだと思って提出した資料を全否定されたり。
「あのクソ上司さえいなければ!」
そう思うこともあるでしょう。気持ちはわかります。
けれど、少し立ち止まって見て考えてほしいのです。
なぜ上司は理不尽なのでしょうか?
感情的になればなるほど、上司が「ヒト」ではなく「障害物」として見えてしまうようになります。自己正当化をしてしまう前に、もういちど上司とあなた自身を冷静に見つめなおしてほしい。そう願っています。
「理不尽」を感じるときに起きているすれ違い
考えてみてほしいのは、「なぜ上司はあなたの上司になれたのか」ということです。
上司も社内で一定のポジションを得ている以上、一定の業績があり評価されていた可能性が高い。
次に考えてほしいのは、「上司の考え方や理屈はどこから来たものなのか」ということ。
当たり前ですが、上司には上司なりの理屈があるのです。
理屈は過去の自分自身の成功や失敗の経験から生まれます。上司もそれに基づいて行動していることが多いでしょう。
「理不尽」とは物事の理屈が通らないように見えること。理不尽を感じるのは、あなたが上司にとっての理屈を理解してあげられていないからかもしれません。
上司との関係がこじれている場合、上司だけが悪いということはほとんどありません。ひょっとしたら、あなたが上司という人間を理解していないことにも要因があるかもしれません。
極端な例を挙げてみましょう。
例①:
上司「君は残業をしてでも成果をだすべきだ。」
(自分は過去に長時間残業を繰り返していた。しかし苦しみながら試行錯誤したことで、顧客に満足できるサービスを開発できたと思っている。)
例②:
上司「君の考えるITツール導入計画はうまくいかないと思う。」
(過去に自分もITツールを導入して業務効率化をしようと試みた経験がある。しかし、結局ツールを使うより人力のほうが精度も高いし変更しやすいことに気づいた。)
まあどっちも偏った事例ではありますが、よくあるすれ違いかなと思っています。
あなたが理不尽に感じるのは上司の発言(文中の「」)のみを受け止め、上司の過去の経験や価値観(文中の())を見ることができないから。
確率的に上司はあなたよりも年配であることが多いと思います。あなたが上司と働き始める前に、上司が何をやっていたかをあなたは直接見てはいない。ここにすれ違いがおきる罠があると思っています。
もっとも()の部分が見えたとしても、意見のすれ違いはなくならないでしょう。しかし、「理不尽」を解決するためにはその背景にある上司の理屈を理解することが第一歩になるということはわかっていただけると思います。
危険なのは、「理不尽」を解消するためによりテクニカルな方法を模索することです。
自分の意見に対して学術的な論拠を付け加えたり、相手の過ちを指摘する資料を用意する。これらは一見正しいのですが、上司の理屈を変えることには至らないでしょう。もちろん、上司を動かすことはできません。
こうしたことが繰り返されると、あなた自身が上司との間に勝手に壁をつくり、箱の中に閉じこもるようになります。「あの人には何を言ってもムダだ」と思うようになります。互いが感情的になり、すべてを否定しあう関係になってしまう。これが最悪のケースです。
あなたは上司をどれくらい知っている?
上司の過去の成功体験を知ること。そして、上司の中にある理屈を知ること。これらが上司とのすれ違いを回避するための有効手段であると僕は考えます。
そもそもですが、あなたは今の上司のことをどれくらい知っていますか?
現時点での役職や目標についてくらいは目を通しているかもしれません。しかし、以下のようなことを知っている人は意外と少ないと思います。
・過去の所属部署や関わってきたサービス
・過去の成功体験
・過去の失敗体験
・長期的なビジョン
・仕事以外で大切にしたいこと
上司の履歴書や職務経歴書を代筆できるか?と言い換えることもできます。それができない場合、直面している問題の水面下で上司とすれ違っている可能性が高い。
あなたが上司に自分のことをわかってもらいたいと思っているのと同様に、上司もあなたに自分のことを理解してもらいたいと思っています。
「そのためのコミュニケーションをとるのが上司の仕事じゃないか!」と言ってしまえば元も子もありませんが。
それでも、あなたから上司に歩み寄ることは重要ですし、その姿勢がなければ上司もあなたに語りかけることはできません。
目の前の問題だけに固執するのではなく、それぞれの価値観について徹底的に議論してほしいと思います。
意見のすれ違いを表面的なものだと安易に考えず、もっと深いところに問題があると考える。そして、問題解決の第一歩としてまずは上司がどのような人間であるかを知ること。やってみる価値はあると思います。
参考書
自分の小さな「箱」から脱出する方法
アービンジャー インスティチュート 著
この本を読んで、僕は過去の自分がいかに自己中心だったかを理解しました。多くは語りません。実際に読んでみてください。
アービンジャー インスティチュートの教えは、腑に落ちるものであり、実践的なものが多いです。以前に別の書籍についてnoteで取り上げています。こちらもおすすめです。
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