マガジンのカバー画像

プロセスマネジメントを学ぶ

42
定型業務の業務改善、工程可視化などです。
運営しているクリエイター

#読書感想文

『プロセス思考でビジネスが変わる』日常業務にプロセスの概念を持ち込もう!

ずっと読みたいと思っていて読めていなかった本を読むことができた。 『プロセス思考でビジネスが変わる』 土方 雅之 「プロセスマネジメント」を極めたいと思って日々業務をこなしている僕ではあるが、実はこの分野、意外とお手本となる教科書が少なかったりする。 IT向けの書籍はたくさんあるのだけれど、僕が求めているのはどちらかというとユーザー部門、オペレーション部署への指南書だった。 そんな中で出会った本が2冊。一冊目は、以前このnoteでも紹介したことがある『ビジネスプロセス

『ニュータイプの時代』

著者の山口周 氏について、耳にする機会が増えたので読んでみた。 『ニュータイプの時代』 山口周 著 著者の主張「問題の数に対して解決策が過剰になってきているので、問題発見できる人に価値が出る」という視点は面白いと思った。 問題数と解決策も需要と供給の関係にあり、解決策が過剰になってくると「~できる」「~の能力がある」ということに価値が薄くなってくる。なので、「これからどのようにしていくべきか」「何をやりたいか」を提言できる人に価値がでる、らしい。理屈としてはわかりやすい

ビジネスプロセスを『天才を殺す凡人』から考える

遅ればせながら、北野唯我 氏の『天才を殺す凡人』を読了した。 『天才を殺す凡人』北野唯我 本書の内容については、既に多くのビジネスYoutuberやビジネスBloggerに紹介されているので、とりわけ詳細に説明するつもりはない。 僕は僕自身の観点から本書を語るために、 ビジネスプロセス × 天才・秀才・凡人のフレームワーク でnote記事を書いてみようと思う。 「天才・秀才・凡人」のフレームワーク本書を詳しく紹介しない、といってもこのフレームワークの説明は避けては通れ

『カイゼン・ジャーニー』②孤独の改善 実践編

改善の始まりはいつも孤独。実現に至るまでは辛く長い道のりだ。 どうやって個人で改善活動を始め、チームに伝播させていくのがよいのか?本書ではそのためのヒントを教えてくれている。 『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) 前回の記事 『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動 個人で改善するための3つの活動新しいアイデアを思いついたとして、それを実現まで結びつけるために何をすればよいのか?本書の第一部では、そのための具体的なヒントを提示してくれ

『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動

業務改善を題材にしたビジネス小説はたくさんあるが、ストーリーの導入は実に様々。 経営危機からはじまるものもあれば、謎のコンサル登場から始まるものもある。起承転結の「起」の部分は、読者の興味を引きつけなければならず、役割も期待も大きい。 その点、本書『カイゼン・ジャーニー』はこれまで出会ったなかで最高の導入といえるかもしれない。 『カイゼン・ジャーニー』について『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する

『チェンジ・ザ・ルール!』既存ルールによる制約を打ち破れ!

『チェンジ・ザ・ルール!』エリヤフ・ゴールドラット 著 長らく続いた『チェンジ・ザ・ルール』の記事もこれで最後となる。今回はようやく、本書のタイトルである「ルールを変えること」の重要性についてまとめる。 既存ルールこそが限界を決める本書で語られる内容を要約すると、以下のようになるだろう。 新しいテクノロジーを導入したとしても、既存ルールが制約になっている限り、テクノロジーの恩恵をフルに享受することはできない。既存ルールを設定した当初は妥当なルールであったとしても、現在に

『チェンジ・ザ・ルール!』ザ・ゴールのその先へ

『ザ・ゴール』という有名な小説をご存じだろうか? イスラエルの物理学者、ゴールドラット氏による理論を物語でわかりやすくまとめたビジネス書で、「TOC(制約条件の理論)」を一躍有名にさせた。 『ザ・ゴール』は、マンガ版も出版されているのでぜひ読んでみてほしい。 『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 なお、今回取り上げたいのは『ザ・ゴール』ではない。その続編シリーズのうちの一冊である『チェンジ・ザ・ルール!』(原作名:Necessary But Not

『ザ・ゴール』③ボトルネックを探せ!

『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事:『ザ・ゴール』②ビジネスをカネの流れで考える思考 業務改善のバイブル(と僕が勝手に思っている)である本書。これまでの記事では「企業の目的は利益を得ること」「自社のビジネスをカネの流れとして把握すること」の重要性について解説した。今回はそれらを踏まえたうえで具体的な改善方法について考えていく。 交通渋滞を改善するには?本書から少しそれた視点にはなるが、交通渋滞を改善する方法を考えてみたい。これが業務改善の

『ザ・ゴール』②ビジネスをカネの流れで考える思考

『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事:『ザ・ゴール』①生産性の正体 業務改善についてシンプルかつ実用的な手法を教えてくれる本書。経営者目線ではなく、現場からの解決策が示されていることが本書の良いところ。 前回の記事では「企業の目的は利益を得ること」であり、「生産性を高めるとはより多くの利益を上げること」であると確認した。今回は業務改善に必要な思考法について。 ビジネスをシンプルにとらえなおす業務改善を行う時、どこから手をつけるべきかという

『ザ・ゴール』①生産性の正体

『ザ・ゴール コミック版』エリヤフ・ゴールドラット 著 「日本企業の生産性が低い」「生産性をあげろ!」という議論はニュース等でよくに耳にするが、「生産性とは何か」「生産性を上げるためには何が必要なのか」について議論がされることは少ないように思う。 本書では「企業の目的は利益を得ることである」とし、「生産性を高める」とはより多くの利益を上げることであるという。 これを聞いて「いやいや、何をいまさらそんな当たり前のことを」と思った方もいるだろう。だが、よくよく考えてみてほし