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Yoshidaの個人的な体験

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#マネジメント

なぜ僕の残業は無くならなかったのか?2種類の「複雑さ」を考える。

これは僕が意識高い系のサラリーマンだったころのお話。 僕は毎日のように深夜残業に勤しんでいた。いや、僕だけではない。上司を含む、僕の所属するチームメンバーのほとんどが残業していた。 皆が「残業を減らしたい」と願っていた。当然ながら残業を減らすための取り組みが多く行われた。しかし、残念ながら残業が減ることはなく、むしろ増える一方だった。 なぜだろうか? 皆が無能だったのだろうか? それとも気合が足りなかった? もちろんどれも違う。そして今ならその答えがわかる。問題解

『わたし、定時で帰ります。』残業の真因は個人なのか?

久々にタイトルに釣られて読んだ小説だった。 『わたし、定時で帰ります。』 朱野帰子 著 残業問題に焦点を当てた小説、というのは意外と珍しいのではないかと思う。 本書は著者の会社員としての経験が元になっているらしい。そのためかオフィスの情景描写にはなかなかのリアル感がある。 そんな「あるある」の風景に共感しながら、日本社会の残業問題について考えてみるのも面白い。 余談さて、ここからは余談。 あくまで余談なので、流し読んでいただいて構わない。あと、ネタバレを含みます。

古代の英雄、蕭何に学ぶバックオフィスの働き方

司馬遼太郎による小説『項羽と劉邦』は、ビジネスの教材としてもよく使われる。古代中国を舞台とした物語ではあるが、現代日本のビジネスにも通じる部分があるからだ。 マネジメントやリーダーシップをはじめ、人望論や成績考課なども含めた組織運用について、項羽と劉邦という全くタイプが異なる英雄の対比を通して学ぶことができる。 今回は漢の初代皇帝となった劉邦に仕えた蕭何を題材に、バックオフィスの働き方について考えてみたいと思う。 蕭何とは 蕭 何(しょう か、? - 紀元前193年)は

企画部署と運用部署の対立は宿命かもしれない。有期プロジェクトを推進する企画と、工程遵守・無事故を重視する運用では大切にしたいものが異なるからだ。 優れたバランス感覚を持つ人でなければ両部署の連携を促すのは難しい。これまで僕が見てきたマネージャーが「超人」ばかりなのも納得である。