見出し画像

ようこそ! ちょっと風変わりで、とても短い掌編小説はいかがでしょう。

第8話 お化け屋敷(その一)

お化け1

「君が、山本君かね? 僕はこの〝館〟を取り仕切っているチーフスタッフの向井という者だ。初めてだそうだが、今日からよろしく頼むよ」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
 山本君のアルバイトが始まった。彼にはうってつけの、お化け屋敷で魔物に変装して客を驚かせるという仕事だった。――彼は人をびっくりさせることが大好きだったので、まさしくどんぴしゃのアルバイトだったのだ――
「じゃ、舞台裏を案内するよ」
「はい、分かりました」
 そうして、挨拶も済んだところで、早々と仕事の準備に取り掛かった。
 彼らは、控室から仕掛け部屋へと入っていった。そこは、入り組んだ――当然、窓がない――薄暗い場所だったが、裸電球のおかげで迷うことはなかった。

お化け2

 そして入るなり、先ず目にしたのはマスクだ。身の毛もよだつような仮面が、壁に整然と並べられていた。やはり一流ともなれば、それなりのクオリティーが求められるのであろう。ここは、近辺でも名の知れた〝異次元から蘇った死者たちの館〟という名の、最恐のお化け屋敷だった。
 すると次に、机を前にしてチーフスタッフが言った。
「君には、最も怖いマスクを用意しておいたから」
 どうやら、取って置きのマスクを選んでくれたみたいだ。机の上にそれらしき物が布をかけられた状態で置かれていた。
 山本君は胸を躍らせた。なんせ最恐のお化け屋敷で一番怖いマスクなんだから、さっき見た、壁に掛けられていた物よりすごいはずだ。きっと一見しただけで卒倒しそうになるだろう。これで多くの人を驚かせることができるのだ。彼は、すこぶる期待した。
 そして、そんな山本君のワクワクした気持ちを察しているかのように、チーフは布を取り払いながら言った。
「さあ、これが最高のマスクだ! 心してご覧あれー!?」と。

お化け3-1

お化け3-7

お化け3-8

お化け3-10

ベロ~~ン!

お化け3

…………


画像4

宜しければ〝小説家になろう〟にもTOZOの小説を掲載しておりますので、お暇の時にご覧いただけると幸いです。

タイトル: ミッション 捜査一課第九の男 危機そして死闘へhttps://ncode.syosetu.com/n6534ch/
あらすじ: 潜入捜査官、その名も東九吾は、悪を憎み正義を貫く男だ。人並外れた戦闘能力で、治安を揺るがす者たちを容赦なく裁く。そして、遂に現れた好敵手。惨劇をもたらそうとする謎の仮面男と死闘の限りを尽くすのであった。

タイトル: 第三部署特戦課機捜隊レディM 人類最強の戦士 https://ncode.syosetu.com/n3816fc/
あらすじ: 警察内部には、秘密裏に組織された部署が存在した。そしてその一翼を担う、黒のライダースーツを身に纏い、クールな大型バイクを自在に操る、十代後半の小柄な女戦士は、その強さ故に裏社会の悪党どもから恐れられていたという。決して怯まず、冷酷無比に強面たちを跪かせた。そうした中、新たな任務が彼女に課せられる。ヒトゲノム改造兵器によって超人と化した悪鬼との壮絶なバトルが始まったのだ。彼女の武器、超合金の飛び道具が、敵の野望を打ち砕く。

タイトル: 戦聖人セント・マイケル
https://ncode.syosetu.com/n2241gj/
あらすじ: まだ、古代から続く、善と悪の戦いは終わっていなかった。三大天使と魔物たちの、生死をかけた合戦が、現在のニューヨークでまたも火蓋が切られようとしていた。不完全な覚醒であっても、ミカエルの魂を持つマイケルは、神剣を振り翳して〔時にはマグナム44をぶっ放し〕世界を護るため堕天使サマエルと戦うのであった。

画像5









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?