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2度の挫折を乗り越えて、フクロウアバターをつくれた話

メタバースとかの話題になるたびに思う「自分のアバターを持ってみたい!」Youtubeで調べればアバターの作り方はたくさん出てくるし、案外簡単に作れることも知っています。でも、持ってみたいけどアバターを使うアテがあるわけではありません…。かくして、作りかけで途中で諦めてしまう。そんな挫折を2度ほど繰り返しながら3度目の正直、アバター制作に挑むのでした。


制作のきっかけ

「VRM化したアバター持ってる?」という友人からの突然の連絡が今回の制作のきっかけでした。聞くところによるとアバター販売イベントに参加してみない?とのこと。クオリティは不問、制作締切は4日後です。この条件ならば、逆にいいんじゃないの?と思いました。なぜならこれまでに2度アバター制作に挫折しているからです。

アバター制作2度の挫折

その友人とは以前、3Dアバターを使った企画をやった仲でした。そしてその時に隣でアバターを作る彼に感化されてBlenderに触ってみたのです。最初は「ワニでもできる!」のチュートリアルのカボチャを作り、意気揚々と自分のアイコンのサルのアバター作りに入ります。しかし、初のアバター作りは自分の作りたいものが作れたわけじゃありませんでした。一応、形にはなったものの、奥行きを意識していなかったせいで背骨が初代のミュウツーのように曲がってしまいました。これじゃあ微妙だなと思い、そのまま彼はお蔵入りします。

初代とザルアバター

それから1年。ふとアバター制作に再挑戦してみようと思い、サルのアバターを作り直します。今度はそれなりにいい感じ、以前よりも綺麗にモデリングできています!しかし、ボーンを入れることがないままこのアバターも放置されてしまいました。パッと見良さそうなそのアバターはスムースシェードをかけるとボロボロになってしまったのです。

2代目とザルアバター

 それに加え、何よりVRMにしても使い道がないのが問題でした。友人と違い、僕はVRの機器を持っているわけではありません。VRChatに行くわけでもV-Tuberになるわけでもない僕には3Dアバターは必要なかったのです。これが大きな理由となり、最後の完成まで気持ちを持たせられないのでした。

しかし、今回は違います。締切は極々近い4日後。実際に作業できる日数でいえば2日間。心変わりの暇はありませんし、無茶なことに挑戦する余裕もありません。細かいこだわりを諦めて、完成させることに注力できます。クオリティは不問で、そもそも質の高いものを期待されていません。販売というお題もついていて使い道もしっかり決まっています。それに加え、「イベントを盛り上げるために参加するのだから売れなくてもいいや」という免罪符までついてきます。正直この言い訳がなければ初心者の自分が作ったものに値段をつけるという行為はできなかったと思います。これは遂にアバターを完成させるチャンスです!時間のなさに悩みながらもえいやで参加を決めました。

なんでフクロウのアバターなの・・・?

 アバターを作るなら、自分のアイコンでもあるサル一択だ!とずっと思っていました。現に前2回の制作ではサルの制作を試みています。
 しかし、今回のお題は「販売」でした。売れるかもしれないと考えると、自分のアイコンと同じ見た目の人が大量発生するのはあまり快くありません。それに提出締め切りはすでに2日後。こだわってアバターを作る時間はありませんでした。ということで早々にサルを諦める決断をします。
 では、はて何を作ろうかと考えて出てきたのが「フクロウ」でした。小学生の頃、本が大好きだった僕が一番ハマった小説「ガフールの勇者たち」の主人公がフクロウだったのです。そうしてメンフクロウ好きになった僕はことあるごとにメンフクロウの落書きをしていました。多分100は書いたでしょう。図工の時間にも何度もモチーフにしたっけ…。挿絵のリアルなメンフクロウを真似しながら描いていた落書きは段々と手癖のついた自分のフクロウへと変化していきました。

小学生の頃のラクガキ。顔の下のギザギザとくちばしが自分の色。

 小学生のラクガキであれば、そんなに複雑なモデリングは必要なさそうです。それに何度も書いて手慣れている相手です。これならば短い時間で自分らしいアバターが作れるかもしれない。当時のラクガキを3D化してみたら小学生の頃の自分がワクワクしだす気がしました。

いざ、制作開始!

ということで、まずは3面図を作ります。ここで困ったのが羽の扱い。鳥であるからには可愛く羽を広げられるようにしたいわけですが、今まで鳥を作ったことはありません。ということでポケモンのルチャブルやジュナイパーのポケリフレ、どうぶつの森の鳥系住人などを観察してみます。ポケモン系はモーションを作り込むことで閉じた翼を違和感無くする方法、どうぶつの森は腕を平べったくして翼と言い張る方法でした。初心者に難しい方法は無理なのでどうぶつの森を参考にすることにします。下半身は小学校の頃の絵は結構逞しく、大きな鉤爪も書いていたのですが、今回は簡略化することにしました。羽にこだわりたかったため、他の制作コストを下げたかったのです。ちょうど目の前にあった友達の書いたサルの絵の体型が可愛かったのでそれを参考にします。これはこれでプニっとして可愛い。その分、尾羽をつけることにしました。これもどうぶつの森の住人についていてシンプルな構造の割に可愛かったからだったりします。そんなこんなで色々参考にしながら3面図の完成!

いろいろなものを参考にしながら作った三面図。

モデリング

いよいよモデリングです!といってもこの工程からはひたすらにZenさんの「ワニでもできる!」の動画を参考にしまくるばかりでした。
体の基本のピーナッツみたいな部分はかぼちゃの顔と胴体の作り方を参考にし、翼の部分は耳の作り方を参考にしています。


基本的には2日しかない作業時間…。その中でやるには今までやったことのあることを組み合わせるしかありません。アバター制作に挫折したとはいえ、モデリングの段階は2回やっています。1回目は30時間、2回目は20時間くらい悪戦苦闘したわけです。その経験値を使えばどうにかなるはず!
結果、大半はなんとかなりました。一つだけ諦めたのが顔の面の立体化。顔の白い部分を球に沿わせながら僅かに浮き出させたかったのですが、力量不足で完成には至らず…。全力でテクスチャで誤魔化す方向に切り替えました。

制作したモデル。赤い面は、面を作ろうとしていた名残。

テクスチャ&スキニング

モデリングの中で大好きな作業の一つテクスチャ。乗った瞬間に我が子が可愛いという感情が芽生えるので好きです。のっぺらぼうは愛しにくい。
UV展開を雑にやったせいで少し顔の描きにくさはありましたが、地道に当たりをつけてなんとかクリア。テクスチャはAdobe Frescoを使って書いたのですが、黄色の塗りがこだわりですね。水彩ブラシを使って色ムラをつけることでちょっと可愛くなったと思います。

UV展開図とテクスチャの変遷

続いてのスキニングも「ワニでもわかる!」に言われるがままという感じでした。羽周りとかは非常におバグりあそばせたけど、根気よく直していくしかないので、根気よく。頭近辺はテクスチャにしたことで少し悩むことになりました。首に近いギザギザのあたりが残ることでハート型の面が斜めに伸びてしまうんですね。かといって頭のボーンと首のボーンを別々にすると段差が生まれちゃうし…。結局、ハート型の面に属する部分だけ頭にしか紐づけないことで解決しました。我慢できるくらいにはなったから大丈夫。

スキニングとハートが伸びちゃってる図

ということであとはVRM化して完成!ここら辺は初めての作業でしたが、スムーズにできました。「ワニでもわかる!」ありがとうございます!!

アバターで遊ぶぞ!

ということでアバターで遊びます。制作は2日だったけど、アバターを作ってみはじめてからは3年を経てやっと、Clusterの地に足をつけます…!

Clusterでるんるんの図

いや、我が子って可愛いっ!それに尽きます。自分の作ったものを360°見回すことまではやっても、モーションがつくことまでは体験をしていませんでした。もう、エモートがどれもとても可愛いのです。特にバイバイは羽ばたくように見えて可愛い!激しく動き回ってモデルが崩れちゃうエモートが少ないのも初心者的には大感謝でした。動作確認に行っただけだったけどフレンド申請来て喜んじゃった。

締切と言い訳よ、ありがとう

というわけで、締切と言い訳のおかげでアバターを完成させることができました、やったね。なんだかんだと最後まで完成させると、愛着が止まらなくなるわけで完成させて良かったなと思います。あくまで参加賞だからという心持ち、目的のすり替えがあったからこそ創作のきっかけになったし、販売までやってみちゃおうかという気持ちにさせてくれました。

そして、せっかくアバターできたのだから…アバターを使った色々に挑戦してみたいなと思ってます。何ができるのかわからないけど…。結局現状ではアバターを使うことでこんないいことがあるよね〜を「かわいい!」以外に知らないわけで、それだともう一度サルを作り直そうかというほどまでのモチベにはなってないんですよね。Clusterのイベントに参加してみるとか、スタンプ作ってみるとか、昔作ってた絵本作る企画で遊んでみるとか、なんかそういう自分のアバターの2次利用をしたいなと思ってます。よかったら、またアバター作る気になれそうだし。

アバターマーケットに出展するよ

ということで、ここまで作ってきたフクロウのアバターをCluster内で販売します。

Tyto

名前はティトくん。メンフクロウの学名がTyto Albaなのでそのままです。初心者が試行錯誤しながら作ったものですが、もし可愛いなと思ったらぜひ買いに来てください!

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