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◾️ 大国(デーコク) ◾️

撮影の帰り道に寄り道をした時にたまたま見つけました。ここは以前紹介した「大国子」が300年前に住んでいたトコロです。大国子は夜中に井戸から光を放つのを不思議に思い、ウスクガーで美しい女性が長い髪を洗っているのを見つけました。容姿端麗でこの世の者とも思えない絶世の美人だったそうです。

見とれていると木の枝にかかっている羽衣に気づき、それを盗み持ちかえり高倉に隠しました。ウスクガーに戻ると女が泣いており、

「髪を洗っている間に着物がなくなってしまいました。着物がなくては家に帰れません。」

と泣きながら言いました。

大国子は自分の着物を着せ、家で休ませました。2人は仲良く暮らし、子供が生まれました。ある時、子供が歌っている子守唄を聞き、羽衣を隠している場所を知った女は、羽衣を着てどんどん空に舞い上がっていきました。子供や村人たちは、

「くまどぉー、くまどぉー(ここだよ、ここだよ)」

と叫びながら追いかけました。

女の姿は与那原の久場塘で消えたそうです。ちなみにウスクガーには今でも天女のかんざしが落ちていると伝えらています。さて、男の子は宮城の地頭となり、女の子はノロ(神女)になりました。


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