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沖縄の史跡

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沖縄には「御嶽(うたき)」や拝所と呼ばれるウガンをする場所がいたるところにあります。観光地ではないので紹介されることはありません。場所によっては不思議な雰囲気をかもしだす御嶽や史…
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2019年12月の記事一覧

◼︎ 前島御願所 ◼︎

那覇を撮影しながらウロウロしていた時に那覇小学校の裏、前島町民会館の横で見つけました。前島には琉球王国時代から復帰前まで塩田がありました。何度か書いていますが、昔の那覇は今よりも海または海に近い場所が多く、塩神が祀られていることからここもかなり海に近い場所だったと思われます。 このあたりはかつて「ぐぼうの御嶽」・「久場の山」と言われた岩山の小島で、子供たちの遊び場だったそうです。ちなみに古老の話によると、大昔はこの岩や樹々に唐船の綱を結びつけていたそうです。 旧暦の9

◼︎ 仲順流り ◼︎

別の撮影を終えて原付でプラプラしている時に見つけました。北中城村にある仲順公園の中に歌碑があり、仲順大主にまつわる話を題材に祖霊供養の歌として作られ、各地のエイサーに取り入れられ歌いつがれているそうです。 仲順大主は13世紀中頃の人物とされ、仲順村の創建者といわれ、1259年に英祖に王位を譲り、放浪していた義本王をかくまったとの伝承があります。ちなみに、歌劇「仲順流り」では三人の息子が登場するのですが、実際には子供はいなかったそうです。

◼︎ ヌン殿内 ◼︎

ずっと前ですが、浜比嘉島の「ヌン殿内」に行ってきました。ここはノロの住居跡です。琉球王府から大内家のノロに献上された扇がカンヤーに祀られていたそうです。現在の扇は新しいで、旧正月の年頭拝みなどで祈願されているそうです。

◼︎ 西の御嶽 ◼︎

浜集落にある「西の御嶽」に行ってきました。ビーチの向かいにある駐車場の端から西の御嶽に行くことができます。 琉球国由来記によると… 西の御嶽は勝連間切の拝所「マサゴロヨリアゲ嶽」と記されています。民話では「メーベーヌウタキ」と呼ばれ、金武王子のウナイがノロとして来たことから「チンヌウタキ」とも呼ばれているそうです。このノロの子供がチンダカ屋の先祖と伝えられているそうです。 沖縄県立博物館の資料によると「神名 イシヅカサノ御イベ」が祀られていて、地元の人々は「シリギチャー御