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企画展「アンモナイトの体を想像する」に関するツィート
2020年に開催した企画展「アンモナイトの体を想像する」を作る過程で気づいたことなどをツィートしたものです。この企画展では絶滅した生物であるアンモナイト(Cleviceras chrysanthemum (Yokoyama, 1904))の体を化石と現生生物から想像した企画展です。
《次回企画展のおしらせ》
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 22, 2021
春季企画展は『アンモナイトの体を想像する』です。
イカの体や海の生物の泳ぎや生態などの知識が無さ過ぎたので、それを徹底的に調べて、これまで得た様々な現生生物の体の工夫とともに、アンモナイトの体を想像してみようと思っています。
ちゃんと、できればいいけど。 pic.twitter.com/6E6VrdLTOM
アンモナイトの体 はじめに
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 17, 2021
アンモナイトは絶滅した生き物ですので、化石でしか見つかりません。それも殻だけ。
そこで、どのような姿をした生き物であったかを簡単な復元模型で紹介しようと模型を作ろうと思ってます。
色々な文献を読んで軟体部の推測を見てみるけど、よくわからないことばかり。
次の企画展のために様々なイカの体を調べてます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 24, 2021
イカはよく泳ぐ貝類くらいのイメージでしたが、実に多彩です。
貝類が種類によって体の形が違うようにアンモナイトも肋の細かく扁平なのや異常巻きと多様なので、体もまた多様ですから、この企画展では写真で示すただ1種の体を想像する予定です。 https://t.co/ckRTcSv7Md pic.twitter.com/LMtufWORaG
イカを解剖していると色々な発見がありますが、特に雄の精包はスゴイ
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 25, 2021
イカは雌に精包を渡しますが、これには発射装置が端にあって、これに刺激を与えると精子塊を発射するのですが、その時 粘着体が突き刺さる仕組みです。
だから、これを食べると口の中に突き刺さります。 pic.twitter.com/cEb6MGqpnS
ホタルイカを調べ始めました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 26, 2021
これは皮膚の拡大映像です。
たぶん、青色の丸いのがフィルター付き皮膚発光器で、緑色の丸いのがレンズ付きの皮膚発光器です。
ホタルイカは体に500以上の小さな皮膚発光器があります。他にも眼発光器と腕発光器などがあります。 pic.twitter.com/QYSUthJ4wH
このアンモナイト(右側の実物)の殻の復元模型を作りました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 27, 2021
早速、風洞の中で煙を流して、どのようにオウムガイの殻と違うかとか、オウムガイやイカの軟体部を入れてみたりしてみました。
いくつかの、発見がありました。 https://t.co/TuNxTESLw6 pic.twitter.com/SOLneEzgbR
今から15年くらい前にオウムガイを1年ほど飼育展示してました。その当時はペットショップに普通に売っていたのです。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 28, 2021
餌をよく食べ、餌を食べる時は90本くらいある触手という黄色いのを出して獲物を掴んでいました。
こんな ゆらゆらぎこちなく泳ぐ生き物がよく生きて来れたなと感心したものです。 https://t.co/e5jM9rl9jq pic.twitter.com/EtZdFKS0xM
飼育で死んだオウムガイの標本を見て、体のつくりを観察してます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 30, 2021
アンモナイトが大きな漏斗を持ってた場合、イカの頭巾のような大きなポンプが必要ですけど、殻の中にそんなものは入らないからオウムガイくらいの漏斗しか入らないのではないだろうかとか、オウムガイを見ながら想像してます。 https://t.co/WBLMNOXWgQ pic.twitter.com/dlMyFucsOw
クラビセラスの殻の復元模型とオウムガイの殻に煙を流してみますと、オウムガイの殻はつるんとしているので、反対側までスムーズに流れますが、アンモナイトの殻では中央が凹んいることや肋の並びの影響で手前で渦巻ます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 31, 2021
つまり、このアンモナイトでは横からの水の流れを受け流しにくいのです。 https://t.co/I7eSAMKDl3 pic.twitter.com/w9PfvA9zKZ
ふつう水生昆虫は、脚の関節の段差にまで水の流れを整流するために毛や爪が配置されています。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 31, 2021
例:マツモムシの中脚(写真①)、ゲンゴロウの後ろ脚(②)
また、カエデの翼果などは空気を整流するために、脈が効率のよい空気の流れに沿うように配置されているものです(③)。
続く→ pic.twitter.com/QxJqDRzbxq
アンモナイトは形態学的・発生学的な証拠から軟体動物の仲間と考えられていますので、貝類やイカ、タコの仲間です。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) March 31, 2021
ですから、殻の作り方などはこれら近縁な生き物から想像されます。
とはいえ、カタツムリ(①、②)だけでも殻の作り方は多様で、その体の内臓(③)もまたとても多様なはずです。 pic.twitter.com/Juxnzr5O43
アンモナイトは殻のつくりがトグロコウイカに似ていることや歯舌の化石がイカのに似ていること等からイカに近縁と考えられています。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) May 1, 2021
でも、歯舌というのは同じ個体でも歯の形は違うから(写真はチャコウラナメクジの歯)、どこの歯か化石からわかるのか、、
あと、トグロコウイカには、歯舌がない。 https://t.co/LlveGH1iEV pic.twitter.com/LrCFAW3Qas
近所のスーパーで買ったイカたちです。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 1, 2021
イカというのは頭に足があるから頭足類と呼ばれますが、本当に奇抜な設計図です。
節足動物の鋏角類(サソリやザトウムシなど)も同じ感じですけど、面白いものです。
イカは、カッコイイ。 pic.twitter.com/c5EcXGpd6Q
コノハミドリガイは海藻など食べて葉緑体を体に取り込んで光合成する羨ましい生き物です。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 1, 2021
姿形からウミウシの仲間と思われてましたけど、遺伝子などの研究により陸のカタツムリに近縁らしい。
アンモナイトは遺伝子解析できないから、姿形からイカに近縁と思われてるけど、それも本当かわからない。 https://t.co/FsB8YKMhmg pic.twitter.com/5tO0JGqpMD
有孔虫は原生動物で1個の細胞から成っていますが、アンモナイトみたいな一見複雑なような殻を作ります。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 2, 2021
殻には小さな孔があいてて、ここから仮足という細い糸のような足を出して移動したり、餌を捕まえたりします。
アンモナイトを調べないといけないけど、何故か有孔虫を調べてしまう。。 https://t.co/UJsrKSzX5J pic.twitter.com/72b2kRVZi4
アンモナイトとオウムガイは住房という体が入る部分が違いまして(写真①)、オウムガイは下だけですが、アンモナイトは1周近く(種類によってはほぼ1周くらい)あります。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 3, 2021
アンモナイトはこんなに住房が大きかったら、写真②みたいだと安定するのではないだろうか、、と思います。 pic.twitter.com/QEC3dfZQon
後ろに進む時は漏斗から水だしていけるでしょうけど、獲物を捕まえる時はイカのように前に進まないといけない。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 3, 2021
オウムガイの殻口の下は凹んでるので、漏斗が少しは下に向けれるけど、アンモナイトはそうなってないので長いのだろか、?
でも、獲物だって賢いから、殻が目立つこんなの来たら逃げそう pic.twitter.com/ql9nOGKtYE
概ね軟体部の想像ができたので、模型を作りはじめようと思ってます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 4, 2021
そのために、釣具屋を巡って色々なルアーなどの材料を探してきました。
これらをどうにかして既に作った殻の中に透明粘土などと組み合わせて想像するアンモナイトの体になるように作ろうと思いますけど、うまくできればいいけど。 pic.twitter.com/uMXnTVLcXo
昆虫は形態から多足類に近縁と言われてました。内臓も神経も両者はよく似てるし、ヤスデはふ化時は脚が6本なのも似てる。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 4, 2021
でも、最近の遺伝子による系統では昆虫は甲殻類の一部になってます。
仕方ないけど、アンモナイトは化石の形態から「〇〇に近縁」と言われても、どうしても疑ってしまう。 pic.twitter.com/h1xRqXZseE
アンモナイトの殻はオウムガイに比べると薄いので、隔壁を段ボールみたいにくねくねさせることで水圧に耐えれる強度を得たと書かれてます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 5, 2021
では、そもそもなんで殻が薄いのか、、
考えられるのは、浮力を得るための軽量化、光を出すまたは入れる、栄養の省エネなどでしょうか。。 pic.twitter.com/6R40I0axbI
アンモナイトの漏斗が、もし勢いよく水を出す器官だったら(考えにくけど)、住房がとても広いので間違えて上に噴出したらくるくる回転するのではないだろうかな~(写真①)。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 5, 2021
だったら、イトカケガイみたいに肋がヒダになってならいいけど(②)、そうなってないので回転せずにすんだのでしょう。 https://t.co/ezRH85eKZN pic.twitter.com/zEA3w8OqFd
もし、アンモナイトがあまり泳がず、底にじっとする生き物だったとしたら、流れを避けるために殻を横に倒すと思うけど、そうなったら水棲のヒラマキガイ(写真)みたいに殻の口が曲がり、底が平らになると思うけど、そのようなアンモナイトはほとんど見つからないから、やっぱり泳いでいたのでしょう。 pic.twitter.com/ozbSLexsdH
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 5, 2021
アンモナイトは殻と一緒に顎も見つかります。顎は写真①みたいなものです。この顎はイカの顎に似ているらしく、イカと同じように食べてたと考えられてます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 6, 2021
もし、二枚貝みたいにプランクトンを食べてたり(②)、魚みたいに水ごと餌を吸い込んでたら、排水するスリットが殻にあったのでしょう。 pic.twitter.com/bBkg6Jltrc
イカを足を上にして図にすることを変に思われる方がいることがわかったので、簡単に書いておきます。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 6, 2021
イカは貝類やナメクジの仲間です。
ですから、イカとナメクジを頭を上にして並べると写真のようになります。
ナメクジの触角などの突起が足に変わったくらいで、体の配置にさほど違いはないのです https://t.co/FQVUhaIeUl pic.twitter.com/xVc83xQ5l6
コウイカのビート板のような甲は、細かくて中が石灰質で埋まっているけど、一応隔壁のような仕切りがあります。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 6, 2021
この甲の中を液体が移動して浮力などを制御するらしい。
べレムナイトの化石は突起みたいなものですが、コウイカの甲の尾端の突起と発生的に似ていたりして、、と妄想します。 pic.twitter.com/a9Sk4m1ReR
イカのグリセリン置換標本が無事できました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 7, 2021
シリコンゴムみたいな感触を残した自在に動く、乾燥標本です。
これまで、ナメクジやカタツムリ、イボトビムシ、魚類の体をこの手法で標本にして調べてきましたが、やっと、この誰の役にも立たない技術が完成してきたように思います。 pic.twitter.com/8TdeqOYOWU
春季企画展「アンモナイトの体を想像する」が無事完成しました。CGは期間内に出来たら展示します。自然ガイドシリーズ「No. 115アンモナイトの体を想像する」も完成しました。
— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) April 13, 2021
この企画展は、4/15(木)~5/23(日)開催予定です。
→続く https://t.co/ckRTcSv7Md pic.twitter.com/ZArOwEm2BY