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私には一度でいいから、生きたところを観察してみたい生き物が何種類かいる。
その一つがアオイガイやタコブネなどの雌が殻を持つタコである。
これらの生き物は雌の触腕が肥大してて殻を作るのであるが、なぜこれを観察したいのか言えば、アンモナイトの体を想像する時に彼らのことが一番気になるからである。
そして、最近、そんな見てみたい生き物の映像を見ることができた↓
ドクンドクン💓 pic.twitter.com/FfB5dZiAsC
— Keeper (@Keeper90538583) January 11, 2024
アンモナイトは中生代に絶滅した生き物であるから、その生きた姿を知ることはできないので、想像するしかない。でも、今生きている生き物からこの生き物に近い姿を想像することはできるかもしれない。
そこで、以前アンモナイトの体を想像するという企画展を開催した。
その時にいろいろな文献を読んで、化石を切ったり、模型を作ったりして想像したが、気になったことがいくつもあった。
例えば、アンモナイトの軟体部がある住房の大きさを考慮した時の浮遊時の重心の位置、貝類などではほとんど見ない流体力学を無視した挿入肋を伴う肋の存在と竜骨の近くにあるコブの存在、殻の薄さ、殻が最大直径2mまで大きくなれる理由(餌)、鰓の位置と呼吸の仕方、殻口の下部分が伸びる点(水管を下に向けれない。オウムガイは水管が下に向けれるように殻口の下が凹んでいることが多い)、顎器(カラストンビ)がイカと違い下部分が大きく上が小さい、殻の中央が凹む(横からの水の流れを受け止めることになり姿勢を維持しにくい)ことなどなどであった。
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まずは、スーパーで買ってきたイカを解剖しまくってイカの体を理解した。さらに、イカのハンターとしての獲物の襲い方も調べた(獲物となる生き物も食べられないようにするわけで、それを上回るスピードや体の変化が必要になり、イカは大きなポンプの外套膜をボタンで留めて漏斗を後ろに向けて猛スピードで前進でき、その時に触腕が伸びるし体を扁平にして体色も変えるなど。。アンモナイトにはできないことばかりできる)。そして、以前オウムガイを飼育していたので、その時の映像を何度も見返して、呼吸の仕方や餌の食べ方、帽の意味、ロートからの水の出し方、泳ぎ方などを理解した。さらに、オウムガイの軟体部の標本を解剖して体の仕組みと鰓の位置、連室細管の仕組みなどを理解した。
アンモナイトとオウムガイは近い生き物と考えられているが、オウムガイを何年も飼育したことがあるけど、たぶん両者は結構違う生態をしていたと思う。
殻だけを見ても、オウムガイの殻は厚くて肋がないけど、アンモナイトの殻は薄くて肋がある。
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殻が薄いアンモナイトは殻口を守るために軟体部が殻の外に出ていたと思うけど、そうすると軟体部を殻の表面に固定する滑り止めと引っ掛けが必要になる。
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そんな想像をしている時に、同じように挿入肋を伴う肋と竜骨近くにコブを持ち、殻が薄い現在身近に生きている生き物こそが、アオイガイやタコブネなのであった。これらの生き物の生きているところを見ると、肥大した触腕を殻に広げて覆っている。そして、その時に殻のコブが引っ掛けとなり、肋が滑り止めとなっている。さらに、肋は上の映像のように体液をドクンドクンと送るときの道になっていることもわかる。
アンモナイトの肋も同じような役割があったのではないだろうかと、これらの生きた姿を見る度に想像するのである。
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いつか、アオイガイやタコブネが生きているところを観察してみたい。そして、アンモナイトの体と生態をもう一度、妄想してみたい。