About TouchDesigner / 成り立ちと料金体系
TouchDesignerとは
TouchDesignerはカナダはトロントにあるderivative社によって開発・提供されているVisual Prototyping Toolkitです。
derivative社の公式サイトはこちら。
TouchDesignerの成り立ち
derivative社の代表であり、TouchDesignerの開発者でもあるGregは元々omnibus社にてPRISMの開発者でした。現在、PRISMはHoudiniと名を変え、また、開発元もOmnibusからSideFX社に変わっています。
HoudiniはハリウッドのVFX / CG業界ではメインツールとして採用されています(そのあたりは以下のサイトに詳しく書かれています)。PRISMは初期ではDisney社のTRONなどで採用されるなど、CG会社のトップでした。
余談となりますが、Houdiniのシステムの根幹を為すプロシージャル(Procedural)という概念はCG業界においてパラダイムシフトを起こしつつあり、MayaやCinema4Dなどの手作り的なCGソフト一辺倒だった日本でも急速にシェアを拡大しつつあります。
Procedualについてはここでは細かく説明しませんが、ざっくり言ってしまうと成果物としての3DCGだけでなく、『その作業の手順や内容(=手続き=Procedual)』を保存、再利用するための概念です。少ない作業でProcessを再利用することでバリエーション豊かな制作物を作ることができることがメリットです。
Photoshopのアクションバッチ、ヒストリーの上位概念の自由度の高いものを想像していただくと良いかと思います。
またまたさらに余談となりますが、SideFX社の前進はオムニバス社と言い、日本の大手CG制作会社オムニバスジャパンは元々はこのオムニバス社の日本支社というポジションでした。
長く脱線しましたが、リアルタイムレンダリング(プリレンダリングの反対語、文字通り変更が即座にレンダリング=描画され、表示される)に興味を持ったGregが2000年にHoudiniの初期バージョンを改造して作ったのがTouchDesignerになります。
以来、顧客を増やしながらderivative社によって保守・開発が続けられています。
TouchDesignerの料金体系
TouchDesignerの料金体系は以下のようになっています。大きく4つの料金プランがあります。これをderivative社のサイトで登録したアカウントに紐づけて購入していくスタイルになります。
Non-Commercial版
無料で使えるNon-Commercial(非商用)版ライセンスです。2020年現在、derivative社のアカウントを登録すると10個の無料ライセンスが提供されます。TouchDesignerの学習用に用いて、商用で利用しない限りはこのライセンスが利用可能です。
基本的な機能は殆ど使えますが、いくつかの機能が利用できません。また、出力解像度の最大が1280 x 1280となっています。
Educational版
学生および教育機関のみが購入できるライセンスです。Commercialと同等の機能がありますが、金額はCommercialの半額の300ドルとなっています。300ドルを払うと1年間、最新のTouchDesignerが利用可能になります。1年後からは年間150ドルを払うことによって最新のTouchDesignerを利用し続けることが可能です。年間150ドルを払わない場合でも、300ドルを払った当時のTouchDesignerのバージョンは起動可能です。
解像度の制限はなく、殆どの機能は使えますが一部の機能は使えません。
Commercial版
一般的な会社が利用しているのはCommercialライセンスです。600ドルで購入可能で1年間のアップグレード保障が付き、その後は1年ごとに300ドルを支払うことでアップデート保障が受けられます。Education版と同様、支払いを更新しない場合でも購入日から1年間の間のTouchDesignerのバージョンは利用可能です。
PRO版
TouchDesignerの全ての機能が利用できるPRO版です。メディアサーバ(ライブやプロジェクションマッピングなどのエンタテイメント用途で使われる高性能PC)などに搭載されているプロ向けツールとの連携機能はPRO版でのみ利用可能です。
2200ドルと非常に高価ですが、アップグレード保障は年間300ドルでCommercial版と変わりません。また、PRO版にはderivative社が無料でサポートしてくれるサポートチケットが付属しています。1つのPROライセンスに付き、6時間のサポートが付属しています。
クリティカルなTouchDesignerのバグに遭遇した際などにこのチケットを使って対応を依頼することができます。
TouchPlayerとUSBドングルについて
Commercial版とPRO版にはTouchPlayerと言うライセンスタイプがあります。これはTouchDesignerで作ったプロジェクトを編集・作成するのではなく、再生だけしたい場合のためのライセンスです。
ライセンス料金がCommercial版で300ドル、PRO版で800ドルとTouchDesignerのライセンスよりも割安になっているため、TouchDesignerで作ったアプリケーションを複数のPCで一斉に動かしたい場合、このTouchPlayerライセンスを購入するとライセンスのコストを削減できます。
USBドングルはEducation版、Commercial版’、PRO版で利用できるメニューで、購入した各種ライセンスをUSBドングルに焼きこんでもらうことでオフライン環境でもTouchDesignerのライセンスをアクティベートすることができます。USBドングルは180ドルかかります。
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