中学受験での不合格について(塾講師ママ)


教え子さんの中にも不合格という結果を経験した子たちがいます。

私自身も高校受験のときに、本命校の受験の前に希望していたコースではなく、回し合格でしたがショックでベッドにもぐりこんでいたのを思い出します。

入試が近づいてきたときに、どの子にも不合格の確率は全員0ではないということは伝えてきました。

また、現実に不合格という結果を見て落ち込んでいる生徒に声をかけてきましたが、そのときには「気休め」にもなりませんよね。
我々講師のせいにしたり、あなたの力を見抜く試験問題を作れなかった学校も悪いよね、なんて話をして少しでも心が軽くなったらいいとも思います。

来年の今ごろ、周りの人達がどこに入学したかは覚えていても、
だれがどこに落ちたかなんて全部覚えている人なんていない。
だから、だれかを想像して、「かっこ悪い」とか「はずかしい」とか思う必要などない。
ここまでがんばってきた人だけが入試という舞台に立てる。それだけでも本当はすごいこと。
オリンピックに出た。
でも残念ながらメダルは取れなかった。誰も責めないよね。
挑戦したことが素晴らしいし、同じ悔しさを知っている友達もできて、きっと君はもっと伸びるよ。

いつに自分の精一杯にふさわしい結果がとどくかはわからない。
今じゃなくて、別のときにつながってくるのかも知れない。

合格してもだめだったとしても、常に、「自分を磨き続ける」ということが
できたら、それはその人自身が輝いていること。
自分に反省するところがあれば、して、また次の目標に向かってがんばれるようにこれからも応援していきます。力になります。

君らの価値が下がったわけじゃないから。

実際に落ち込んでいる生徒や保護者の方と話をすると、やっぱり納得いかない自分もいて、悔しい気持ちでいっぱいになり、泣かずに話をするのはなかなか難しいことでした。
ですが、「不合格」も、中学受験をすると決めてここまでがんばってきた子にしか得られない経験です。
豊かな生活をしている中で、心底くやしさを感じる経験って、なかなか得られないし、それを思春期の前に体験できるというのは、私は「合格」よりも意味かあるのではないかと思っています。
そのぐらい、不合格の経験をした生徒さんのその後、中学高校での成長を目の当たりにしてきました。
必ず、心の成長にはなにかしら作用するように昇華できるはずです。

思い通りにいかないこと、壁というもの、不運や不幸、
それらを乗り越えた人がとても魅力的であることを私達は知っています。
大学生や大人になって、人と話をするとき、過去の失敗ってそれほど悪くうつりませんよね。むしろ、自慢話よりずっと人との距離を縮めます。
失敗や壁とぶつかった経験が人を成長させると大人ならわかりますから。
波乱万丈な人生を望むかというと難しいですが、そういうことを
乗り越えた人にしか見えない価値であったり、幸せであったり、視野があると思います。
それらを得るチャンスは、うまくいきっぱなしの人生では手にできないのではないかと。

「かわいい子には旅をさせよ」の「旅」となってくれるかもしれません。
何年必要かはわかりませんが、必ず、苦い経験を昇華して
笑い話になり、自分の人生の幅を広げたと思えるようになると信じたいと思います。

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