⽂学座こどもげき「こんにちは おにさん」が豊岡演劇祭 2023 へやってくる!
はじめまして。
文学座という劇団に所属して演劇をつくっています、添田園子と申します。この秋に開催される豊岡演劇祭2023でフリンジ作品として上演する文学座こどもげき『こんにちは おにさん』の脚本/演出をしています。そんな私が…
今、初めてnoteへ文章を書いています。どうぞよろしくお願いします。
豊岡演劇祭実行委員会事務局の方から、演劇祭の公式noteで「豊岡演劇祭2023フリンジマガジン」を作成します、つきましては、参加団体の皆様から寄稿をいただけないでしょうか…との連絡をいただきました。
noteなるものに文章を書くことが初めての私は、さてどういったことを書いたら良いのか、公演情報なら公式webサイトにもあるし、noteならではの何かをお届けできたらいいのだけど、どんなことを書いたら楽しく読んでもらえるだろうか等々…迷いに迷ったのですが、
今回、私たち文学座こどもげき「こんにちは おにさん」を公演する会場、デモクラティックスクールTOIROを起点にお話しをお届けしたいと思います。
◎こどもたちの場所で
今回、私たちの公演会場となるのはデモクラティックスクールTOIRO(江原駅より徒歩3分)。こどもたちへ届けたい演劇を、こどもたちの場所で上演できる機会をいただき、つくり手としてどれだけワクワクしているかしれません!
実は、会場を決めるにあたり事務局の方から2つの場所をご提示いただいていました。ひとつはこれまで幾度となく舞台公演を開催してきた場所、もうひとつは、デモクラティックスクールTOIROというこどもたちの場所。
直感はもちろんTOIROです。でも、これまで劇場、つまり演劇などライブパフォーマンスを上演するための場所でしか公演したことのない私は、どうしよう、どうしよう…頭の中にゴワゴワと不安の雲が立ちこめました。いったん持ち帰らせてもらい、デモクラティックスクールTOIROのwebサイト(https://www.kns.hyogo.jp/toiro)を見てみると、
とありました。
決めました。ここでやりたい。
こどもたちが自らの可能性を探しながら育っていく場所で“文学座こどもげき”を上演したい。ここにたくさんのこどもたちがやってきて、そのドアを開け、中へと入っていき、演劇を観る。目の前で繰り広げられる物語を通して、同じ時間、同じ場所を共有し、何かを受けとって、そしてそれぞれのもとへ帰っていく。
そんな光景を想像したら、ゴワゴワした不安の雲は晴れ渡り、空にはほら、虹が弧を描いているではないか!…といった気持ちになっていました。
さっそく演劇祭事務局の方へ連絡し、是非ともTOIROで公演したい旨を伝え、公演開催へ向けドンドンと進みます。
今回の会場はいわゆる劇場ではないということ、つまり、ステージがあり、客席があり、照明・音響機材を吊るすバトンがあるわけではないことを、舞台美術家・照明家と共有し、話し合う。すると「あえてプランを固めず」「腹をくくって」との言葉が戻ってきた。なるほど。うん、なるほど。
手を伸ばせば欲しいものはそこにある温室育ちの私でしたが、ないものはないわけなのだから、それとして考えていく。そういう時こそ想像力を働かせ工夫を見つけていく。作品は研ぎ澄まされていく、よりシンプルに。あんなこともこんなことだってできる。
さすが演劇、うん、楽しくなってきた。
◎TOIRO ART KISSA
そんな折り、TOIROを運営していらっしゃる前田さんとオンラインで打ち合わせできる機会をいただきました。今回TOIROという場所をどのように使わせてもらいたいか等を確認し、公演へ向けて更に具体的に進んでいきます。そんな打ち合わせの中、ものすごく嬉しいサプライズがありました!
なんと…
TOIROに通うこどもたちが、『こんにちは おにさん』の公演時期に合わせて、素敵な特別企画を練ってくれていたのです!
「TOIRO ART KISSA」(TOIROアート喫茶)が9月17日にオープンします!!!
TOIROの壁にこどもたちの作ったアート作品が展示されます。その横では、こどもたちが運営する喫茶が開かれ、美味しい飲み物やお菓子が食べられるんです♪
そしてその奥では、文学座こどもげき『こんにちは おにさん』を観ることができる…
何よりも、TOIROのこどもたちがこんなことをしてみたらおもしろいのではと企画を立て、内容を考え、チラシをつくり…と自ら動いてくれていることに胸が熱くなりした。
みなさま、TOIRO ART KISSAへぜひお運びください♪
◎そしてもうひとつ
前田さんとのオンライン打ち合わせの中で、私がずっと願っていたことを勇気を出して話してみました、「TOIROに通うこどもたちと、何か一緒にできないでしょうか」。
こどもたちと顔を合わせ、おしゃべりをしたりお茶を飲んだり、共に過ごした時間が全くない私からいきなり「何か一緒に」…と言われても難しいだろうとは思いつつ、それでも、いくつか考えていた案をお話ししていると「それだったらこどもたちも興味を持つかも」と前田さん。だとしたら、あーしてこーして…と、そこからは波乗りするように話は進み、なんと公演開催の前日に、こんなことをすることになりました。
『演劇好きの私が演劇愛について語る時間』
TOIROに通うこどもたちへ向けて、
〈劇が一本できるまでには、どんな役割があって、どんなことをしていくのか〉
そんなことをお話ししながら、こどもたちと行ったり来たりのお喋りができたらと願っています。
更には、演劇祭事務局の方から「一般の方々へ向けたオープンなものもやってみるのは…!?」とご提案いただき、
9月15日17:30〜18:30に誰でも無料でご参加いただける回
を開催することになりました。みなさま、お時間ありましたらぜひTOIROへいらしてください!
以下は公演の詳細情報となりますが、webなどに出されていないここだけの内容がたくさん載っています。ぜひ読んでみてください!
おとなとこどもの“文学座こどもげき” みなさんぜひ遊びにきてください♪
文学座こどもげき「こんにちは おにさん」
◎いつのまにか参加している体験型の演劇
受付を済ませたこどもたちは、このあと出演する俳優からペンダントを首にかけてもらうことで劇空間の中へと入ってゆき、開演前の時間には客席や演技エリアでお絵描きをしたりリラックスした時間を過ごしてもらいます。
「工作の時間」では、こどもと俳優が演技エリアで一緒に工作をし(この後、劇中でこどもたちが使うことになります)、一方的に観るだけではなく俳優たちと一緒にいつのまにか参加している体験型の演劇をお届けします。
◎今、⽬の前で
舞台芸術の醍醐味は「生/ライブ」であること。観客と俳優とが時間と空間を共有し、さらに、お互いに影響されあいながらひとつの物語を共有し作り上げていくことです。お芝居の中で流れる音は録音を使わず、生/ライブで音を出しています。舞台上に“音のエリア”をあえて設け、今そこで音を作りだしている姿を見ることができます。
今回は、物語の骨格となる部分を琵琶の演奏と語り(荒井靖水氏)を用いることで、台詞とは異なる方向からのアプローチを重ねていきます。また琵琶は、小鳥のさえずりなど舞台効果音としても活躍しています。
◎⾝体の表現
日本の昔遊びを取り入れたり、祭りの踊りをおどったり…舞台上でのムーヴメント(上村なおか氏)をより身近なこととして楽しんでもらえるよう工夫しています。
◎⽬で楽しむ
四季折々の植物や文化行事を切絵にし(有江樹里氏)、影絵として投影することで視覚的にもわかりやすくそして美しく時の流れを現わします。
◎たったひとつの舞台美術
鬼という存在の内側《本来の自分》と外側《まわりが作り上げた自分》の境界を一枚の和紙(伊部京子氏)で表現しています。また、光と影を操ることで鬼のこころの動きをダイナミックに浮き上がらせていきます。
⽂学座こどもげき「こんにちは おにさん」
◎公演日時
9/17(日) 11:00 / 15:30
9/18(月祝) 10:00 / 13:30
※開場は開演の30分前
◎上演時間
工作+お芝居 あわせて1時間くらい
◎推奨年齢
0歳からおとなまで♪
◎会場
デモクラティックスクールTOIRO(JR山陰本線「江原駅」から徒歩3分)
◎チケット料金(全席自由)
こども:100円 (小学生以下、前売/当日)※未就学児は無料
おとな:前売/2,000円 当日/2,500円
おこサポチケット*:4,000円
*おこサポチケット…こどもが100円玉一枚にぎって演劇を観に来られるよう、公演をサポートしてくださる方のためのチケットです
♪うずまくパス 無料観劇対象演目♪
※詳しくは豊岡演劇祭HPをご覧ください https://toyooka-theaterfestival.jp/
◎チケット取扱
teketにて好評発売中
※公演、ワークショップ等のご依頼やお問い合わせは下記までご連絡ください。
〒160-0016 東京都新宿区信濃町10
文学座こどもげき委員会
Tel:03-3351-7265 文学座
Mail:mi-suzuki@bungakuza.com (担当:鈴木)
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