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カフェ勉難民の憂鬱

私はカフェで勉強するのが大好きです。

カフェと言っても「S」のような単価の高い所では無く、大手バーガーチェーン「М」や「B」のような庶民派の店が好きなのです。

カフェで勉強する時に発動する、あの恐ろしい集中力・・・

家では何かと気が散ってしまい、少し机に向っては片づけをしたくなってしまったり、おやつを食べたくなってしまったり、ごろ寝をしたくなったりするのですが、カフェでは他人から見られているという緊張感があるせいか、家勉の何十倍もの集中力が発揮されるのです。

カフェのカウンター席に座り、コーヒーを飲みながら白い壁に面していると、なぜか「やる気スイッチ」が連打され、集中力が湧きあがってくるのです。
夫が11,351,393円の借金をした時などは、任意破産、自己破産などの借金返済方法や、現在の資金を少しでも増やすための株式投資の方法などを猛烈に勉強しました。
カフェ勉の環境が功を奏したのか、私の脳は乾いたスポンジのごとく知識を次々と吸収し、脳内の引き出しに整理されていきました。
このまま行ったら、「司法書士の試験に合格してしまうのでは」と思ったほどです。

私が学生の頃は、まだカフェで勉強する人は少数派で非常識とされる風潮がありました。
大手バーガーチェーン店は、食事を済ませたらさっさと出る、という場所だったのです。
学生の頃にカフェ勉が許されていたならば、「この勢いで勉強していればもしかして私は、東大に入れていたかも。もっと違う人生を送っていたかも」などと妄想してしまいます。


私は主にカフェラテ一杯190円の「М」で過ごすことが多かったのですが、年齢とともにあの、居眠りすることを絶対に許さない、角度のあるカウンターと丸椅子が辛くなってきたのです。
腹筋と背筋の衰えでしょうか。
若い時は何時間でもあの椅子に座っていられたものですが、やはり年には勝てません。

私の家の近所にある「М」は4階建ての構造になっており、2~4階がイートインスペースになっています。
2階は主に子連れのママさんたち、3階はカウンター席が多く私のようなガチカフェ勉勢、4階はゆったりとしたファミレス風の座席で、サラリーマンなどが打ち合わせをしている事が多いのです。

私は物思いにふけると変な顔をする癖があるので、他人と向かい合うことになるテーブル席では無く、主にカウンター席を利用しています。
私は3階のカウンター席の丸椅子に座ることが辛くなっ来た事と、同じフロアで大声で電話をしたりするマナーの悪い客が増えてきたため、4階で過ごすことにしました。

でも、4階はスタッフの控室なども併設されているため、始終仕事終わりのスタッフの往来があり落ち着かず、また、顔を覚えられるのも嫌だと思い仕方なくまた3階に移りました。
ですが、やはり腰が痛くなってしまい、長時間集中できないのです。

以前は近所に安価なカフェ「V」もあり、席もゆったりとしていて、何時間過ごしても特に注意されることも無く、私にとっては天国のような場所でした。
私は意図的に同じカフェに連日行くことを避け、「М」と「V」を交互に通っていました。
スタッフに「毎日来るなんて、この人ヒマなんだな~」「あ、あの人また来た」などと思われるのが怖かったのです。

ところが「V」が突然、マンション建設のため閉店してしまったのです。
愛する「V」を失った私は途方にくれました。

そんなある日、大手バーガーチェーン店「B」が近所に開店することになったのです。

「B」にはおひとり様用のカウンター席もあり、椅子も木製で座り心地はさほどでもありませんが、ゆったりと落ち着くことができるのです。
ただ夏場など冷房が暴力的に効いており、そこに行くときは必ず厚手のカーディガンを持っていきます。
また、行く度に割引クーポンをくれるので、「М」+20円くらいで利用することができます。

かくして現在私は、「М」と「B」を交互に利用することになったのです。

近所にはカフェチェーン「D」もありますが、単価が高く、少ない費用で最大限のパフォーマンスを出したい私には合っていないのです。


コロナが5類へと移行し、カウンターのテーブルにあった衝立が徐々に撤去されつつあります。
それは私には少し寂しく、衝立があるがゆえ、「ここからここまでは私のスペース」と決められており、安心感を得る事ができたのです。

コロナ禍で町中のカフェや飲食店が閉鎖されてしまった時は、身体の一部を失ったかのような絶望感を感じたものです。
コロナ規制が一部解除され、カフェのイートインスペースが使えるようになった時の感動は忘れる事ができません。
人は失った時に初めてそのありがたみを知ると言いますが、私にとってカフェ勉できるスペースがどれほど大事な物か、再確認することができました。

200円ほどで快適な環境を庶民に提供してくれるカフェは、町における重要なインフラ、社会福祉と言えますね。

借金残高 令和5年6月現在 7,243,757円











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