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夫の借金29,035,436円と私⑨

第九話 貸付自粛制度

「貸付自粛制度」というものをご存じでしょうか。

浪費癖やギャンブル依存症などにより、過剰なカードキャッシングすることを防ぐため、日本貸金業界に借り入れの自粛を要請することにより、カードローンなどの金融機関からの借り入れを5年間制限できる制度のことです。

カードローンやキャッシングなどと無縁の人生を送ってきた私にとっては、夫と出会わなければ一生知ることの無かった制度かもしれません。

ローンやキャッシングに関する信用情報というのは、日本信用情報機構とCIC、全国銀行個人信用情報センターの3つで共有されており、この制度に申し込むことにより、本人の無分別な借り入れを防げるというものだそうです。

原則申し込めるのは本人のみです。
家族が申し込める場合は、本人が行方不明になっていて借金などによって家族に迷惑をかける可能性がある場合のみだそうです。

それにしても、ギャンブル依存症や浪費癖のある人間が、自分からこんな制度に申し込みをするでしょうか。

しかも、申し込んでから3か月経てば、簡単に本人から申し込みを撤回できるそうです。

嫌がる本人を説き伏せて家族が申し込んでも、3か月経てば簡単に解除できるのため、家族は3か月ごとに本人が契約解除していないか、確認する必要があるわけです。

しかもすでに契約しているカードには効力が無く、あくまでこれから新しくカードを作る時に弊害になる、というものだそうです。
家族は、この制度に申し込んだからこれで安心!というわけでは全然無く、
現在契約中のカードでキャッシングできる場合もあり、あくまで借すか借さないかはカード会社自体の裁量に任されるという事です。

結局、なんとも頼りない制度といえますね。

借金をさせないという点で、この制度よりも強力なのが債務整理なのです。

債務整理を依頼した時点で信用情報に傷が付き、一度債務整理をしたカード会社からは、ブラック期間が終了した場合でも再びキャッシングするのは難しいそうです。

ブラック期間は債務を完済後、5年は続くそうです。

夫の借金は今回が初めてではありません。
前回の時は、私が肩代わりしてしまいました。

私が後悔しているのは、最初の借金の時に債務整理していればという事です。
でも当時の私は債務に関する知識など皆無で、それを調べる余裕もなかったのです。

妻が肩代わりするという方法は、一番やってはいけない方法なのだそうですね。

本人は自分の財布も、信用情報にも傷が付かないのですから、同じことを繰り返すのは目に見えています。

でも、私は二度とこんなことをしないだろうと、夫を信用してしまったのです。

私がこのブログを始めようと思ったきっかけは、私と同じように夫の借金に苦しむ妻のブログをネットで読んだから、です。

でも、皆借金の額は200万、300万と可愛らしいものですね。

2000万以上の債務を負った夫を持つ私は、語るべきものがあるのでは、と思ったのです。

ネットの記事を読むと夫の借金に悩む妻からの投稿で
「夫の借金癖に疲れ果てました」とあり
「私は家族で小さな食卓を囲み、ちいさな幸せを大事にしてささやかに生きたいだけなのに、なぜ夫はギャンブルを繰り返すのでしょうか・・」とあり
読んでいると共感と共に、暗い闇に引きずり込まれそうで暗澹たる気持ちになります。

私の夫も、「仕事のストレスでつい、飲みに走ってしまった」と言っていましたが、酒では何も解決しないのではないでしょうか。
単に、自制心が乏しいのでしょうね。

私はレッドラインを決めており、それは夫がいわゆる闇金に走ってしまった時です。
そうなったら、もう夫婦関係自体も強制終了させざるを得ません。

その日が来ないように、祈るばかりです。


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