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VultrとAnyDeskによるリモートデスクトップ環境でMT4/MT5を動かす

1年半くらい前に書いた以下の記事の続編です。

今回、同じ方法でVPSのOSを新しくしたのですが、いくつか問題があったので、その解決方法をメモしておきます。

VPSのOSの更新

タイトルにあるようにVultrというVPSサービスを使うところと、AnyDeskというリモートデスクトップソフトを利用するところは同じです。詳しくは上の記事をご覧ください。

今回、変更したのはVPSのOSです。これまでUbuntu18.04を使ってきたのですが、最近調子が悪い(スナップショットから新規サーバーを作ったときに正常に起動しないことが増えてきた)ので、Ubuntu20.04に変えることにしました。

上の記事と同じようにAnyDeskのインストールまでは問題なくできました。ところが、実際にWindowsPCからリモート接続したところ、下のように画面が乱れてしまいました。

スクリーンショット 2021-07-09 225310

色々調べたのですが、同じ報告が見つからなかったので、これは未解決のままです。前にLubuntu20.04を入れようとしたときにも同じ現象が起きたので、Ubuntu20.04絡みの問題なのかなと思います。

別にAnyDeskが使えなくてもVultrからデスクトップは表示できるので問題はないのですが、AnyDeskの方が手軽だし、ファイルの送受信もできるので捨てがたいところです。

そこで、別のOSで試そうということで、Debian10をインストールすることにしました。どうしてDebianにしたかというと、単にLinuxのシェアがUbuntuに次いで2位だったからです。何かあったときに利用者が多い方が助かりますからね。

ちなみにVultrだと以下のOSが標準で選べます。色々なOSをすぐに試せるので便利です。

スクリーンショット 2021-07-11 101641

デスクトップの変更

デスクトップを色々と変えられるというのもLinuxの魅力のひとつです。

UbuntuやDebianのデフォルトのデスクトップはGNOMEですが、今回、デスクトップで色々作業するわけではなく、単にMT4やMT5を動かすだけなので、軽量なデスクトップを入れてみます。

Linuxのデスクトップを比較しているサイトはいくつもあります。例えば、以下のサイトなどです。

Debianでtaskselを実行すると、インストールできるデスクトップが表示されます。

# sudo tasksel

スクリーンショット 2021-07-11 102540

今回、最軽量とされているLXDEをインストールしてみました。ただ、訳あってXfceも入れてみました。(LXDEだけだとVultrでスナップショットからサーバーを作成したときにネットにつながらないという問題があったのですが、Xfceを入れておくと、なぜかうまくいったからですが。)

デスクトップの日本語化は、Ubuntuだと設定メニューからできたのですが、Debianの場合、

#日本語関連パッケージのインストール
$ sudo apt install task-japanese
$ sudo dpkg-reconfigure locales

で、ja_JP.UTF-8を選択します。あとは好みに応じて日本語フォントをインストールします。

#日本語フォント(Google Noto フォント)のインストール
$ sudo apt install fonts-noto-cjk

タイムゾーンは、LXDEの設定メニューから変更できます。

以下が日本語化したLXDEの画面です。

スクリーンショット 2021-07-11 105518

Wineのインストール

Debian10のLXDEからAnyDeskをインストールしたところ、こんどは無事にWindowsPCからリモート接続できました。

あとは、Wine入れてMT4/MT5をインストールして完成と思っていたら、Wineのインストールでつまづいてしまいました。

によると、Debianでは、以下の手順でWineのインストールがサクッとできるはずでした。

$ sudo dpkg --add-architecture i386
$ wget -qO - https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key | sudo apt-key add -
$ echo "deb https://dl.winehq.org/wine-builds/debian/ buster main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/winehq-stable.list
$ sudo apt update
$ sudo apt install --install-recommends winehq-stable

ところが、最後のコマンド実行したところで、まさかのエラーメッセージ。

#以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
# winehq-stable : 依存: wine-stable (= 6.0.1~buster-1)

ここまでか、と観念しそうになったところで希望の光となったのが以下のサイトでした。

Wineのバージョンは違いますが、症状は同じなので、この記事を参考にして以下のようにインストールしてみました。

まず、上のサイトをたどって、libfaudio0_20.01-0~buster_i386.debと、libfaudio0_20.01-0~buster_amd64.debをダウンロードします。

そして、エラーが出ながらも以下のコマンドを実行していきます。

$ sudo dpkg -i libfaudio0_20.01-0~buster_i386.deb
$ sudo dpkg -i libfaudio0_20.01-0~buster_amd64.deb
$ sudo apt install libc-bin
$ sudo apt --fix-broken install
$ sudo apt install --install-recommends winehq-stable

これで何とかWineの最新版がインストールできました。

以前はWineを入れてもMT5が正常に動く保証はなかったのですが、最近ではMT4、MT5ともにWineで問題なく動くようになっています。

Wine上の日本語フォントやMT4、MT5を動かす際の注意事項などは、前の記事と同じなので省略します。

スクリーンショット 2021-07-11 124619

これで、今週から新しいリモートデスクトップでMT4/MT5のEAを動かすことができます。

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