1年生への質問の解答・・・分子である物質はどう見分けるのか?

分子を形成しているかどうかについて次のような質問がありましたので,
みなさんと共有したいと思います。

Q. リードα P.34例題8(1)の分子の見分け方が分からないので、どうやって見
  分けたらいいのか教えて欲しいです。

A. 化学結合の種類は、イオン結合・共有結合・金属結合の3種類です。
  これらの結合には、
   イオン結合・・・金属元素と非金属元素の間の結合
   共有結合・・・非金属元素間の結合
   金属結合・・・金属元素間の結合
  という傾向があります。

  また、分子というのは、決まった種類の元素が、決まった数だけ結合し
  た粒子です。
  いま、イオン結合からできる物質は、陽イオンと陰イオンが決まった数
  結合していません。
  さらに金属結合からできる物質も、決まった数の原子が結合していませ
  ん。
  よって、分子を形成するのは、非金属元素間の結合である共有結合をし
  ている物質ということになります。

  ですので、化学式を見て、非金属元素のみが並んでいるものを、まずは
  選んでください。
  これで、大抵は見分けることができます。
  (ただし、NH4ClやNH4NO3のように、アンモニウムイオンNH4+を含む
  ものは除く。これらはイオン結合性の物質)

  しかし、注意点があります。
  それは、共有結合からできている物質でも、決まった数結合していない
  物質があります。
  それらは、共有結合結晶と呼ばれ、物質を構成する原子が共有結合でひ
  たすらつながり続けています。
  ダイヤモンドや、二酸化ケイ素SiO2などがこれに当てはまります。
  これらは、1個の超巨大分子を形成しているとみなせなくもないです 
  が、定義(決まった数の原子が結合する)からいうとと分子とはいえませ
  ん。

  では、通常の分子と、共有結合結晶をどう見分けるかですが、これは、
  共有結合結晶を形成する物質を覚えてもらわないといけません。