見出し画像

慈しみの目

目は口ほどに物を言う
なんて言葉があるけれど
私は目を信じすぎているかもしれない


顔も体型も服の趣味も特別好きじゃないけど、
その人の目がとても好きで
向かい合ってご飯を食べたり、
私がなにか楽しげに喋っている時、
とてもとても優しい目を私に向けてくれる

親が子をみるような 愛おしい
慈しみに溢れた眼差し

他人からそんな優しい目で
見られることってそうそうない
ううん 私にとっては初めて

私はそれがすごくすごく嬉しくて、
だけどなんかいたたまれなくて、
なんでそんなに見るの、やめてって
そしたら 
楽しそうな君がなんか可愛くて
なんて言われて嬉しくて怒っちゃう私

その人に見守られている時の私は
10歳の少女になる
無力な10歳の少女
お父さんに見捨てられたって思って
悲しかった時の私

ずっと誰かにそんな目で見て欲しかった
愛情を受けたかった

会った日の夜はよく泣いてしまう
嬉しくて泣いてしまう
あの目を思い出して

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?