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AbbottWMM マラソン年代別世界選手権のこと(後編)

前編はこちら

レース前日

 前日練習はホテルから近いハイド・パークで軽くジョグ。その日の午前中は中1の娘のリクエストでポートベローマーケットへ。午後は疲れをとるため、私はホテルでゴロゴロ。(妻たちは大英博物館へ)
 このブログのために当時の練習を調べてみると、3:45/kmペースで16km走の繰り返し。ダニエルズ式の練習強度から世界と勝負できそうだな、と皮算用はしていたことは覚えている。実際はそんなに甘くなかった。

ハイド・パーク。皇居より絶対広い。
5km走っても1周できずショートカット
ポートベローマーケット。
すごい人だかり。2022年10月時点で皆ノーマスク。
レース直前の練習内容。ジョグ…ではない。
早朝にコーヒー1杯飲んで出走。
ZONE2ランの繰り返しでメリハリなし。

レース当日 スタート地点まで

 スタートは9時40分、Queensway駅からBlackheath駅まで約50分電車を乗り継ぐ。スマホと人の流れで無事到着。なお、ゼッケンを見せれば電車賃は無料だった。

背中に遠慮がちに日の丸。
シューズはエッジ+。
ロンドンではアシックスは超少数派。
NIKEとNBが多かった。
地下鉄。Bank駅で乗り換え
人の流れにのってズンズンと。
Blackheath駅到着
スタートエリアに近づくにつれ、すごい人
スタートエリアを間違えて一度迷子になった。

気球が目印。Abbottはロンドンマラソンの主要スポンサー


Championshipsエリアに到着
(東京マラソンの準エリートみたいな扱い?)

ロンドンマラソン スタート~ゴール

招待選手のすぐ後ろ、最前列にてスタート。

 ロンドンマラソンで厄介だったのはバンプと言われる道路上の膨らみ。車の速度低下を狙って至るところに設置されている🙄集中していないとバランスを崩す。序盤は下り基調でペースが上がる。0-5kmは16:44(3:21/km)で、感覚的に速く感じないが数字的には速くてビビる。
 このあたりから集団が構築される。カティ・サーク付近は少しペースが落ちつき誰が先頭を引くか牽制が起こったので少しだけ先頭を引いた。5-10kmは17:13(3:27/km)

後ろの帆船がカティ・サーク。蒸気の時代が来る直前の高速帆船。
この船をぐるっと回る。応援の熱量が凄い。



 集団にはM40-44ランナーが2人いる。大体2:25:00ペースで自分の中では限界ギリギリペース。年代別順位は分からないが順位狙いなので、ついていかざるを得ない。10-15kmは17:18(3:28/km)


 ロンドンブリッジまでにジリジリと脱落者が出てくる(少し登り基調なのに集団ペースが落ちない)。集団最後方まで下がりキツい感じのまま、ついて行くしかない。15-20kmは17:15(3:27/km)

ロンドンブリッジの上で20km通過。
応援が凄くて、よそ見しながら通過。
集団ペースが加速中。

 ロンドンブリッジからの下りを利用して集団ペースがめちゃ上がる。キツさMAX。中間地点は1:12:00、20-21kmは3:12/km💨

めちゃめちゃペースアップしている。
ロンドン塔を見る余裕は無し。


 集団が8人に減る。振り落とされたらゲームは終わり。ひたすら集団最後方で耐える。20-25kmは16:43(3:21/km)


 25kmからカナリー・ワーフと呼ばれる金融街をクネクネと走る。コーナーが多くて風もキツいので集団ペースが落ちる。後ろで楽している身としては助かる。25-30kmは17:11(3:27/km)

 30kmで限界を超え、集団から離れて単独走になる。全身持久力が切れて急失速を抑える走りに切り替える。30-35kmは18:12(3:39/km)

 ここからゴールまで限界を探って我慢の展開。37kmすぎに家族の応援を得る。笑顔でハイタッチをするが身体は限界。35-40kmは19:00(3:48)

ロンドンアイ付近。残り2kmくらい。
こう見えて3:48/kmペース

 40kmを過ぎ、かなりペースダウンしていたのでイーブンで押してきたランナーに次々と交わされる(10人くらい?)。35kmからゴールまでに3分も失ったのは、練習ペースの上がりすぎ・総練習時間の不足が原因(だと思う)。

ビックベン付近。残り1.5kmくらい
セント・ジェームス・パーク横。残り1kmくらい
バッキンガム宮殿前。残り400mくらい


 最後は28分切りを確信してゴール。自己ベスト2:27:51。全体41位、年代別(M40-44)は7位。1-6位は全員イギリス人。ダニエルズ式では2:24:00も可能だったのに結果が伴わないのは、海外遠征のせいか、練習内容のせいか。想定通りには行かないマラソンの難しさを感じた。

5kmごとの順位は5→5→7→6→6→5→5→6→7位だった。
上の世代を含めた最終順位は10位。
終盤で3分ロスト。でも、自己ベストなので良し
ゴール直後。一応満足。

アワードパーティ(キプチョゲ登場)

 レース当日の夕方、ゴール地点に程近いホテルでアワードパーティがあり、なんとキプチョゲ選手がサプライズで登場。入賞者のみ記念撮影。

Park Plaza Westminster Bridge Londonで。
追加料金を支払えば付き添いも1名まで参加できたので上の娘と参加。
日本人では唯一入賞していたのが藤澤舞さん。
ウルトラマラソンなどで活躍されているそうだ。
先週ベルリンで世界新記録をたたき出したばかり。
現世界最強ランナー。GOAT。
参加者全員テンション爆上がり。
入賞者とキプチョゲの記念撮影。
すごく羨ましい。

 Abbott、Wanda、TCS、そしてロンドンマラソン事務局が夢のようなイベントを計画してくれた事に感謝✨まだまだ日本はコロナ禍の真っ只中だったのでロンドンの通常運転ぶりが、ものすごく眩しく感じた。
 私に付き合ってくれた娘の疲労が限界を超えていたので、パーティは早々に切り上げホテルに戻る。

ホテルへの帰り道

レース翌日、そして帰国

 帰国予定日、ホテルをチェックアウト。夜出発までは観光して、ヒースロー空港へ。PCR検査は廃止されていたが、帰国時に症状があれば検査に回されるので最後までヒヤヒヤした。もうこんな出入国の余計なルールは2度とやめてほしい。。

宿泊したホテルはマレー系?だった。
キッチン付きで家族で過ごすのに快適。
スーパーで買い込み、自炊した。
ヒースロー空港で帰国便まち。
中電工の二岡選手、相葉選手、中国電力の岡本選手と同便。
一緒に写真を撮ってもらう勇気が出ず。。
帰りはロシア迂回の大陸ルート

終わりに

 参加して感じたのは、AbbottWMMが本気でこのイベントに取り組んでいること、世界には変態的なシニアランナーが沢山いること、とはいえ参加するにはハードルは色々とあり(費用とか言語とか)、実力はあってもレースには参加できないランナーも多く、つまりは世界一を獲るチャンスが少しはありそうなこと。

 年代別世界選手権は今年がシカゴで来年以降は未定だけども、しばらくは秋日程の大会(ベルリンかNYC)が選ばれるのでは、と予想。
 国内でも別府大分マラソンなどが対象レースに加わり、認知度が高まっており、より多くの日本人ランナーに挑戦してほしいと思う。

 絶対楽しいから!

左が年代別世界選手権の完走メダル
右がロンドンマラソンの完走メダル



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