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イムジン河


イムジン河っていうのは朝鮮半島の38度線に流れる河なんだねえ。機雷が浮いていたりするってねえ。南北分断の悲しみの象徴なんだ。フォーククルセダーズのこの曲は当時発売禁止になってしまったんだねえ。もともと北朝鮮の曲なんだねえ。それを朝鮮学校で聞いた松山猛’(たけし)さん。フォーククルセダーズで演奏したら大好評だった。歌詞は1番しか知らなかったので2番3番は松山さんが作詞したんだ。朝鮮半島の分断の悲しみと祖国統一の願いを鳥や虹にたくしたんだ。涙が出てくるような歌詞だよねえ。イムジンってイマジンと言葉にているねえ。両方とも平和を願った歌なんだねえ。


イムジン河

「イムジン河」(フォーククルセダーズ)

作曲 高宗漢(コ・ジョンハン)
1番 作詞 朴世永   2番3番 作詞 松山猛(たけし)

イムジン河 水清く とうとうと流る
水鳥 自由にむらがり 飛び交うよ
我が祖国 南の地 想いははるか
イムジン河 水清く とうとうと流る

北の大地から 南の空へ
飛び行く鳥よ 自由の使者よ
誰が祖国を 二つに分けてしまったの
誰が祖国を 分けてしまったの

イムジン河 空遠く 虹よかかっておくれ
河よ 想いを伝えておくれ
ふるさとを いつまでも忘れはしない
イムジン河 水清く とうとうと流る

フォーククルセダーズのシングルで13万枚も用意したのに発売中止に。民謡と思っていたら北朝鮮に作者がいたんだねえ。しかも作詞の朴世永 (パクセヨン)さんは北朝鮮の国家の作詞もした詩人だった。もともと南の人で共産主義を支持して北に移住した人だったんだ。韓国では越北者の歌は禁止されているし。朝鮮総連からは「朝鮮民主主義人民共和国」の曲であることを明記しなさいといわれるし。そう行った経緯でレコード会社がリリースを断念したんだ。

なんとかレコードにしたいと大阪労音が「フォーシュリーク」というグループで「リムジン江」としてレコードにした。メロディも歌詞も原曲に忠実で朝鮮総連にもお墨付きをもらった。手売りでかなり売れたそうだ。でもこれも放送自粛だったそうです。ちなみに韓国では「イムジン」北朝鮮では「リムジン」っていうんだね。なので「イムジン河」っていうとフォークルバージョン。「リムジン江」っていうと原曲に忠実のバージョンなんですね。フォーシュリークはのちにシュリークスとなってイルカが参加してるそうです。

リムジン江/フォーシュリーク 訳詞 李錦玉(リ・クムオク)

リムジンガン 水清く 静かに流れ行き
鳥は川を 自由に飛び交うよ
南の故郷へ 何故に帰れぬ
リムジンの流れよ 答えておくれ

メロディが微妙に違うよねえ。こちらがオリジナルなんですね。「とうとうと」のところ。ちょっと物悲しいね。俺はこっちが好きだ。普通いかないようなコード進行だからフォーククルセダーズのほうでは間違っちゃったんだろう。あと「水鳥自由に」のところが短く切られてない。ここはフォークルの方が変化があって好きだな。

そして2番の歌詞です。

水鳥哀しく 南の岸で鳴き
荒れた畑に 虚しく風が立つ
幸せの花咲く 祖国の北の歌
リムジンの流れよ 伝えておくれ

これは韓国側の畑は荒れていて北朝鮮側は幸せっていうことなんだよね。じゃっかんプロバガンダ風だよね。

朴世永 (パクセヨン)さんのもともとの歌詞はこれみたい。

「乾いた野原では 草の根を掘るけど 共同農場の稲、波の上で踊るよ」
出典 https://pichori.net/Travel/recent_topic/imjingang.html

韓国側の鳥は食べ物がなくて根っこを掘っているけど北朝鮮側では稲穂の上で踊っているよ っていうことなんだろうかねえ。
共同農場ってますますプロバガンダになってきた。

しかし一番は
「我が祖国南の地 行きたくても行けない」
ということがしっかり書かれている。しかもこの句は最後にもう一度繰り返されるんだ。こういう歌詞は北朝鮮で許されたのだろうかねえ。とてもそうは思えない。朴世永 (パクセヨン)さんの郷愁の思いは強かったのだろうなあと思うんだねえ。そして幻の3番があったのだそうだよ。きっと3番は北朝鮮では許されない歌詞だったのかもしれないねえ。それで封印されたとか?どんな歌詞だったのだろうねえ。

キムヨンジャのバージョン。すごいです。望郷、祖国統一の思いがこれでもかと畳み掛ける。涙なしでは聞けない号泣曲。朝鮮の人々の気持ちを代弁するようなイムジン河ですね。


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