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蘇州夜曲

そしゅう夜曲

映画「支那の夜」の挿入歌。長谷(長谷川一夫)と桂蘭(李香蘭)のラブロマンス。二人が訪れる蘇州でこの歌が流れるんだねえ。運河。寒山寺。虎丘の斜塔。結婚を前に幸せの夢の中にいるような美しいシーンだ。作曲は服部良一。日本の曲の中でも屈指の美しい曲だよねえ。夜曲とはセレナーデ。恋人のために歌う歌のことだねえ。そして長谷が死んだと聞かされ再び蘇州を訪れる桂蘭。ここでは悲しみのメロディとなって2番の歌詞が響くんだねえ。歌詞と映画は完全にリンクていたんだねえ。

1番
君がみ胸に 抱かれて聞くは 夢の船唄 鳥の唄
水の蘇州の 花散る春を 惜しむか柳が すすり泣く

3番
髪に飾ろか 接吻(くちづけ)しよか 
君が手折(たお)りし 桃(もも)の花
涙ぐむよな おぼろの月に 鐘が鳴ります 寒山寺(かんざんじ)

この歌詞は映画とリンクしています。二人が訪れる蘇州。1番と3番が歌われます。運河を行く船。「夢のよう」というセリフ。鳥の声。寒山寺の鐘がゴーンとなります。長谷が花のついた木の枝を折って桂蘭にあげます。ちょっとここがバキバキって感じでした(笑)

そしゅ

2番
花をうかべて 流れる水の 明日のゆくえは 知らねども
こよい映した ふたりの姿 消えてくれるな いつまでも

そして長谷が死んだと聞かされ再び蘇州を訪れる桂蘭。そこでふたたび蘇州夜曲。2番が流れます。おどろいたことにこの2番は死んだ恋人を思うという歌詞だったのです。こんなに悲しい歌詞だったとは知らなかった。絶望した桂蘭は長谷のあとを追い入水自殺しそうになります。が、、しかし 実は生きていた長谷が蘇州にかけつけて、映画はハッピーエンドでしたー。よかったさーー

「支那の夜」は堂々たるクラシック映画なのですが日本の中国支配を正当化する国策映画として非難されています。上の動画はタイトルが蘇州夜曲となっているので30分短縮バージョンのようです。これを見た感じでは国策っぽさはあまり感じなかったのですが。(そういうシーンこそがカットされたのかも)やはり中国の人の目で見れば自国の女性が占領者の男性に惹かれていくというのは、屈辱的ですよね。

李香蘭は日本に協力した人物として中国で裁かれそうになりますが、実は日本時だったことがわかって放免されます。日本に来て山口淑子として活躍。議員にもなりましたね。


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