風間公親とは何者か

　４月10日に「風間公親-教場0-」がスタートした。長岡弘樹原作の「教場」シリーズを２０２０年、２０２１年とスペシャルドラマ化したもので、主演の木村拓哉が警察学校の冷酷な教官、風間公親を演じた。
　ドラマでは白髪にメガネ、しかも冷静沈着な役どころを上手くこなしていた。パート2のラストでは、風間が凶悪犯に襲われて右目を失う重傷を負った。何故このような事態になったのか、物語は謎を秘めて終わった。
　「教場0」の物語は２０１９年１月、平成最後かつ令和最初の年に始まる。所轄署地域課の制服警官、瓜原潤史（赤楚衛二）が空き巣の常習犯を逮捕したことで署長賞を受賞した。そこへ県警本部捜査一課調整官、眞堂丈史（小林薫）が現れる。瓜原は捜査一課への配置換えを命じられ、風間からの連絡を待つよう告げられた。
　着任早々、タクシーの車内で乗客が殺害される事件が起きる。その現場で瓜原は風間と出会うが、風間は様々な無理難題を突き付ける。刑事としての矜持を学ばせるためだが、なかなか瓜原には伝わらない。そして、その後に男性が殺害される事件が起きる。
　容疑者はかつて警察学校に通っていた工場の社長、益野紳祐（市原隼人）。逮捕した瓜原だったが、その際嘘の報告をしたことが知れ渡り、風間から転属願を突きつけられる。それが第一話の展開である。

　その後も新垣結衣、白石麻衣、染谷将太、北村匠海という若手俳優が風間道場に配属される刑事を演じる。
　木村拓哉の役どころは、昔放送された「七人の刑事」（TBS系）で芦田伸介が演じた沢田部長刑事を彷彿とさせるものがある。孤高の存在でありながら鋭い目を光らせる演技には感服させられる。中江功監督の優れた演出が光る作品だけに最後まで目が離せない。